美大受験生の疑問にお答えする、略して「ビダモン!」シリーズをお送りしています。
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【合格発表編】
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■【ビダモン2018】美大に合格した人へ その1
■【ビダモン2018】補欠は例年何番まで繰り上がるのか。
■【ビダモン2018】美大に合格した人へ その2
ムサビ中心に書いてますが、他美大入試でも参考になるはずです。
今日は「合格された方の5つの悩み」の3つめを。
「学科試験だけで入学したけど実技についていけるか?」
関東の美大もセンター試験のみで受験できるシステムを導入し始めたので、この不安を抱える人が増えてるかもしれません。
ところで
「その学科がどういうところなのか簡単に知る方法は、英語表記と入試内容を見ること」
と言われてます。
日本語って、実はあいまいで判断が難しく、特に漢字で構成された単語はいろんな意味合いを含んでいるケースが多い。でも英語表記だとストレートに表現されてるから、悩んだ時は英語に置き換えたり英語表記を見ると、言わんとすることがはっきりするんです。
これは2「両方合格したけど、どっちに行くか?」とも関係するけど、「タマグラとムサビ視デ、どっちにするか?」と悩んでる人は英語名称を見てください。タマビグラフィックデザイン学科の英語名称は「Graphic Design」で、ムサビの視覚伝達デザイン学科は「Visual Communication Design」なんです。
同じ「デザイン」だけど微妙に「デザイン」の意味が違うの、わかりますかね?
タマグラは「プロダクトデザイン」などと同じ「図案・意匠」という意味の「狭義な」デザイン、視デは「ソーシャルデザイン」などと同じ「企画・計画」という意味の「広義な」デザインの印象が強い。「何を中心に考えるか?(何を大事にしてるか?)」であり、タマグラは「グラフィックデザインからコミュニケーションデザインを考える」だし、視デは「ヴィジュアルコミュニケーションデザインの中に(の一つとして)グラフィックデザインがある」という考え方。
恐らく美術予備校で同じもの(笑)として指導されてたから「どっちにするか?」という悩みが発生するわけで、私たちからすると「大事にしてる部分」が全然違うので別物という認識です。これは今日の主じゃないのでこれくらいで。
で、ふたつめの「入試内容」。
普段は「実技試験の出題意図を見ればどういう人材を欲しているかわかる」と説明してるけど、試験科目でも同じことで、実技を必要としない試験科目で入学できる場合は「入学してからも実技が大事なポイントではない」「実技力ではなく文章構成力や論理展開力、英語力を持ってる人材も必要だから」ということを表しているのです。
正直、視デと数学等だけで入れる学科の学生さんとの総合的な実技力はやはり差があります。昔から絵を描いてて予備校で徹底的にトレーニングを受けたファインアートや視デ、工デの人ってやはり絵がうまい人が多い。
でも、「それがなんなの?」で。
「専門的スキル以外にちゃんと文章が書ける人や論理的に物事を考えられる人も必要」だからこそ、そういう入試システムをやっていることに気が付いてほしくて。
センターB方式を全学科で実施してないのが「そういう人材も必要な学科」であり、センターB方式の定員が必要人材の割合であり、基礎デなんかは大昔から学科試験のみで入れるシステムがあるから、「ムサビは昔からそうだし、結果も出してますよ」とはっきり言えます。
また、学科試験の点数が高い人は理解力が高いので、実技力が伸びるスピードも速いと言われてます。
ただ、「全然心配いりません」・・・とは言い切れないかな。
話がずれるようで、関係する話を。
先日開催した「ビザ・ワールドワイド ニューフォームファクターワークショップ」では日本語がしゃべれない東工大の留学生が複数いたんで、英語オンリーのグループを2チーム作り、日本人のムサビ生に入ってもらったんです。
一人は「あえて英語チームに入れてください」と申込コメントに書いてあったからそうして、結構普通に留学生と英語でしゃべってたのね。中間プレゼンでも同時通訳してたし。
でワークショップ後半に「留学したり海外に住んでたの?」と聞いたら、「いえ。大学に入ってから必要に感じて独学で英語勉強しました。だってセンターの英語は3割でしたから(笑)英語は使ってないとダメだし、今回は大変だったけどいい機会でした」と衝撃的な答えが返ってきて。
こういうタフな学生さんがいることに英検3級の手羽はただただ感動。
入学して「実技力が足りないかもしれない」と感じた時に、「ああ。オレはダメだ」とあきらめるか、「実技の勉強しなくちゃ!」と奮起するか、「絵が上手い人を使ってやる」と感じるか、どういう行動をとるかは大学では自分次第。
続くっ!
以上、小5のあかりちゃんが家でソプラノリコーダーを練習してたんだけど、低い方のドが10回に1回ぐらいしかちゃんと出なくて「低いドが出ないってありえない!このリコーダー不良品じゃないの?他にクレームが出てないか調べてやる!変なもん売りつけやがって!!」と怒りながらネット検索した手羽がお送りいたしました。
すると、ことごとく様々な親御さんがyahoo知恵袋で同様の質問をして「それはちゃんと穴をふさいでないのと、息が強すぎるから」とことごとく言われてるのを発見し、それをあかりちゃんに教えたら2回に1回低いドが出るようになりました。
自分の子の練習不足を他人のせいにしてしまった・・完全に記憶補正してたけど、そういわれたら確かに低いドって小さい頃は難しかったかも・・・もう少しでモンペになるところだった・・危なっ・・。
「練習って大事だな」ってことと「ありえない!と怒る時ってこういうケースが多い」ことを学んだ手羽。
【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。