ビザ・ワールドワイド ニューフォームファクターワークショップ最終プレゼンに行ってきた

2018年3月5日(月)

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これまでの話はこちら。
◼️【東工大×電通大×ムサビ】ビザ・ワールドワイド ニューフォームファクターワークショップが始まった!


無事にワークショップが終わったのでまとめを。


このワークショップの一番の特徴は「コミュニケーションと思考中心のワークショップである」こと。
理工系と美大生が集まってるんだから、アウトプットの精度を求め、すぐにモノを作らせてしまった方が学生さんのストレスが少ないのもわかってるんだけど、恐らくそれだと議論の少ない中で「ま、いいか」なアウトプットをなってしまう可能性も高い。
「お互いの違い」をちゃんと把握し、補完するのか協力するのか妥協するのか譲らないのか、なぜ相手はそこを譲らないのか、わかってくれないのかを話し合いながらプロジェクトを進める経験の方が学生さんの学びが大きいはず、というのがこのワークショップの最大の目的でもあります。

実制作時間が1日ぐらいしかないのがなによりのメッセージだし、中間プレゼンをやった後「早く作らせろよ!」と誰もが思う時間帯に

「アート思考とは?」というレクチャーを現代美術作家であり批評家でもある石川卓磨さんにやってもらったのも意味があります。
ちなみにコンセプト・デザイニングを担当してる油絵学科・袴田先生のご都合が合わなくて、誰にアート思考の話をしてもらうのか決めなくちゃいけない時に袴田・手羽がほぼ同時に石川くんの名前を出したくらい「この人しかいないよね」な人物で、恐らく本人は少し違う意見を持ってるとは思うんだけど、こちらの趣旨を汲んだ話をしてくれ、石川くんにお願いしてよかったです。

つまりは「ポストイットをペタペタ張るだけではいいアイデアは生まれない」「世の中論理的に解決できない部分もあるんだよ。このまますんなり最終プレゼンにいくんじゃねーぞ。もう一回議論しやがれ」な私たちのメッセージと。


そして4日目。
5日目は最初から最終プレゼンなので、実質の作業最終日。

午後3時段階でまだ制作に入ってないグループもあったので、「煮詰まってるグループは、世界堂で材料を見に行ってそこから考える方法もあるよ」とアドバイス。理工系だと「アイデアが決まってないのに材料買うってどういうこと?!意味ないじゃん」らしいけど美大ではよくある手法です(笑)
カタチ・モノ・素材感からインスピレーションが生まれることもあるのよね。


  • 心の中で「もっと揉めろ。煮詰まれ」と願う嫌な性格な手羽


  • 同時にプレゼンデータも作らないといけない。


  • 6時ぐらいには全部のグループが制作に入ってた


  • 途中様子を見に来た油絵学科の学生さんが留学生の似顔絵をサラっと描いていった。うまいなあ・・。

みんな必死に造形物を作ってる。
Bグループの机を見ると、

粘土で作られた餃子が置かれてた。
手羽「あ、これが最終アウトプットなの?」
学生「いえ、手遊びです」

手遊びでこのクオリティ(笑)嫌いじゃないです。

てな感じで教室は22時過ぎに閉室。恐らく学生さんは家に帰ってからも作業をしてたはず・・。


そしていよいよ最終日の3月3日(土)となりました。
最終プレゼンはデザイン・ラウンジ。


  • 朝早く集まって作業やったりリハーサルしたり。


  • プレゼンで使う素材を撮ってるグループも。でも女子高校生のおっかけにしか見えない・・。


  • 最後の追い上げと同時に材料費の清算作業も。


  • あ、今回のために特注で作られたVIsaさんTシャツを着用してのプレゼントなります

あっという間に13:30。
 

長澤学長も特別審査員に加わり、最終プレゼンスタート!


最終プレゼンの持ち時間は10分間。司会は相変わらず手羽。
みんな頑張れ!!


  • Bグループ。


  • 英語チームのEグループ

プレゼンが終わるたびに審査員、フロアから質問や感想、「こういうアイデアも考えられるね」など飛び交いました。


  • やはり英語チームのFグループ


  • Cグループ

真剣にプレゼンを見つめる皆さん。


  • Aグループ。いくつかのグループでは寸劇も


  • Dグループ。最終日に東工大生が来れないことがわかってて、最後はムサビ生だけで頑張ってくれた。

と、全グループの発表が終了。
すぐに審査員は別室に移動し、

審査タイム。
1位、2位は純粋に点数で仮決定し、議論しつつこの順番のままでいいことを確認。(点数的には思ってたほど大きな差はなかった)
もひとつ手羽のお願いで「特別賞」を用意してもらってました。アイデアの一点突破だったり印象値だったり、総点数だけでは評価できないグループがあるはずなんで、それも評価しましょう、と。
これはなかなか難航しましたが2グループに絞り、最後は挙手で決定。


そして最後のセレモニーが始まるのです。


  • 審査を担当した先生やVisaさんからそれぞれ総評を。

学長も最後に総評。


お待たせしました。
いよいよ各賞の発表!

特別賞は英語チームのEグループ!
優秀賞(準優勝)はAチーム!!

両チーム、おめでとうございます!


そして栄えある最優秀賞は・・・・


あ、多分今年の夏もコンセプト・デザイニングをやるはずなので、東工大で大学院生・ムサビで3年生以上で興味のある人は7月末から1週間空けておいてね。


宣伝はこんなところにして、ほんとに発表します。グランプリは

Cグループ!
おめでとうございます!!
副賞として10万円分のスタバカードが贈呈!!!
1人当たり2万円ってことは、キャラメルフラペチーノのグランデが40杯ぐらい飲めるじゃないかっ!ちょっとおじさんにもおごれ!

みんないい顔してた。

中間プレゼンを見た時は、実は「だ、大丈夫か?!」とちょっとドキドキしてたんだけど、さすが最後はちゃんと仕上げてきましたね。
テーマがしっかり決まってたせいか、夏よりも「理系と美大の違いを感じた」「大きな違いは感じなかったけど、本質的に大事にしてる部分が違うことがわかった」という声が多かった印象。
英語グループに入ったムサビ生が「言語・文化・系統の3つの壁があって大変だけど面白い」と言ってくれたのが心の救いになってて、今回のワークショップでなにか学生さんが発見を持って帰ってくれたらうれしいし、Visaさん・ソニー銀行さんからしても、ミレニアル世代が言語・文化・学問分野の壁を越えて「クレジットカードとは何か?」「決済とは?」「てかお金ってなによ?」ということを真剣に5日間議論してくれたことが大きいんじゃないかと思っています。

そして手羽にとっても、クライアントさんが2社、代理店が3つ、なおかつ3大学合同という、これまでの仕事でベスト3ぐらいに入る高度なオペレーションを体験したので、多分学生さん以上に勉強になったプログラムでした。

あ、ムサビ生が大声で「手羽さん」と呼んでたから、多分東工大生と電通大生は「??なんで手羽さん?本名が手羽なの?」と思ってたはずなんで、そこんところ補足してあげてくださいな。

以上、無事にワークショップが終わって、学長オススメのラーメン屋で二人で打ち上げをした手羽がお送りいたしました。

二人の帰り道にあるラーメン屋さんで2年前ぐらいに開店して、味もおいしいんだけど、いついっても人がいなくて・・・。システムが最近変わってラーメンが500円に値下がりしてた。商売って難しいな、と。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。