【東工大×電通大×ムサビ】ビザ・ワールドワイド ニューフォームファクターワークショップが始まった!

2018年3月2日(金)

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今週火曜日から始まったワークショップのレポートをお送りします。


経緯を話すと長くなっちゃうんですが。・・
東京工業大学さんとムサビは、夏に「コンセプト・デザイニング」という合同ワークショップを毎年やっています。
ただ、どうしても「理工系と美大の合同授業」となると、「中身を理系が考え、外側を美大生が作る」なステレオタイプ的な手法になりがちで。言い方変えるなら「コンセプトは頭のいい僕たちが構築するから、美大さんは外側のデザインだけ考えて」的な。「●●美大と△△工業大学が締結しました!」と発表しても、やってることは△△工業大学に作品を展示するだけだったり、ポスターを美大が作ってあげることだけだったりするのね。

「コンセプト・デザイニング」では、理工系と美術系では思考や言語の「何が違うのか」または「違わないのか」、 そこから自分に必要なもの、または相手に補完してもらいたいものを感じてほしいと思ってて、「理工系思考とデザイン思考とファインアート思考をごちゃまぜにした思考・コミュニケーション中心の課題発見・課題解決型授業」という形でやっています。一種の異分野コミュニケーション、キャリア設計教育でもあると。
多分ここまでそれぞれの「思考」を中心においた合同授業をやってる大学は他にないはず。


で、この手法に注目されお声がけいただいて今やってるのが、

知名度・シェア率で世界ナンバーワンのクレジット会社「ビザ・ワールドワイド・ジャパン(株)」さん(以下Visaさん)とソニー銀行さん主催による「ビザ・ワールドワイド ニューフォームファクターワークショップ」なのです。
海外では3回実施されてるそうですが、日本での実施はもちろんだけど大学合同というパターンも世界で初めてなんだそう。私も冠付きの合同ワークショップってのは初めての経験。

で、こんないい話を2大学だけでやるのはもったいないと、今回はやはり締結校である電気通信大学さんから学生さんが参加することになりました。
しかもしかも、東工大から日本語がしゃべれない留学生が5人参加することになったので、最終的には6グループ中2グループが英語オンリーのテーブルという、かなり大掛かりな異分野コミュニケーションの仕掛けになりました。


まず初日2月27日(火)。

最初にVisaさんからお題と海外先行事例の紹介。

そしてここからは教員によるレクチャー。


  • 建築の鈴木先生から、テーマの参考になるような話を。


  • 視デ・古堅先生から「デザイン思考とは?てかそもそもデザインって何よ?」という話を


  • 東工大・野原先生から「コミュニケーション」について。


  • 東工大研究員で(株)コンセントの津田さんからは「メディアシンキング」について。と、かなり濃いレクチャー、というか普通なら皆さん90分ぐらいでしゃべってもらう内容ですね(笑)

んで、手羽はワークショップの趣旨説明とアイスブレイクを担当。
たった5日間で、初めて会う3大学の学生が、しかも英語オンリーの留学生もいる中、ディスカッションしてアウトプットまでもっていかないといけないかかなりタフな合同ワークショップなんで、早く仲良くなるかどうかが最大のポイント。

アイスブレイクが終わったら、いよいよグループディスカッションに。

5日間といっても、途中に中間プレゼンやレクチャーが入るので、実質の作業時間はそんなにありません。


  • みんなを見つめる野原先生と古堅先生


  • あ、一応アイデアは非公開にしています。


  • 学長も様子を見に来てくれました。いやー、何がすごいって全部のグループに全部違うアドバイスをしてたことで

いつものコンセプト・デザイニングでは、あえてコミュニケーションが発生しやすいようにかなりフワフワしたお題でやってるけど、今回はVisaさん・ソニー銀行さんがクライアントについてるから、産学連携に近い形でのお題が出されています。求められてるものがいつもよりはっきりしてるぶん、学生さんにとってはやりやすいようでいて、なかなか難しいかも。

ただ、「社会ではこんなものが求められています」なフツーなものを提案するんだったら、わざわざ学生さんに依頼せずコンサル会社にお願いしちゃった方が早いし精度も高い。常に学生さんたちには「自分たちで制限を作らないでね」てなことを伝えてきました。

それと上記写真みたいな「アイデア出しのポストイット張り」って「っぽい」作業なんで、言わないとずーーとこれをやり続けてしまう傾向にあるのね(笑)
あくまでもこれは「アイデア出し」の一つの手段でしかなく、ビジュアルでコミュニケーションした方が早いし共有しやすい場合もある。つまり言語化を後回しにした思考方法もあることを知ってほしくて。


  • なので「アイデア出しに詰まったら、あえてムサビ生は絵でコミュニケーションしてみて」とアドバイスしたり


  • 紙粘土って「図工で使うもの」ぐらいの存在かもしれないけど、簡単に立体イメージを共有するには便利なコミュニケーションツールだったりするんです

・・・なんだこりゃ。

い、いや、ビジュアルでのコミュニケーションも便利って話はしたけど、徐々に遠慮がなくなってきてるな・・いいことだけど・・。


  • 歌舞伎揚げの袋でなんか作ってるし。

「ムサビ生はチョークを持つと興奮することから、黒板ジャックが始まった」という嘘の伝説を作ってやろうかしら。


そして3日目は中間プレゼン。

何かをつかみかけてるグループもいたし、もうちょっと議論した方がいいかな、というグループもいたり。
でも、泣いても笑っても明日が最終プレゼン。
はたしてここからどんなアイデアの飛躍が起きて何が生まれてくるのか楽しみです。

手羽差し入れのカップラーメン食べながら遅くまで頑張っております。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。