【ビダモン2018】美大に合格した人へ その1

2018年2月22日(木)

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美大受験生の疑問にお答えする、略して「ビダモン!」シリーズをお送りしています。
これまでのビダモンはこちら。
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【合格発表編】
【ビダモン2018】タマビとムサビの合格発表について

ムサビ中心に書いてますが、他美大入試でも参考になるはずです。
 

昨日のタマビ合格発表でムサタマの合格発表がそろいました。
というわけで、今日は合格された方へのアドバイスをお送りします。


まずはなにはともあれ、

合格おめでとうございます!

今は「やった!!!よーし、大学行ったらアレしようコレしよう。いろんな授業を受けて、たくさん友達作って、自主映画作って、漫研入って、彼氏見つけて、美術館とかギャラリーにもあちこち行って。あ、でも授業ついていけるかな?そして学食を一緒に食べてくれる人いるかな・・・」とワクワクと不安を抱えてる時期じゃないでしょうか。

意外と美大、特にデザイン系学科の1年は課題が多く、自由な時間が少ないです。
タマグラやムサ視デの授業内容を聞くと「え。それじゃ寝る時間も遊ぶ時間もなくね?(怖)」と思いますもん。 なので「旅するムサビ」とか、それこそ昨日紹介した「アタミアートウィーク」など積極的に自主学外活動してる人たちを見ると、本当に偉いなーと感じてます。


大学は高校よりもかなり自由。
昔のような大学の完全放任主義はこのご時世許されないのだけど、やはり根本の「大学ではサボるのも頑張るのも自分次第」という姿勢は変わりません。もう少しちゃんと書くと「選択肢やチャンスがたくさん用意されてる。どれを選ぶかは本人の自由と責任」かな。自由には責任がついてくるので。

指示されたものを処理してけばとりあえず卒業できますが、それだけだと恐らく「美大っていろんな面白い出来事が起きると思ってたけど、予想よりつまらない」ときっと感じることでしょう。
でも、実際は授業以外に旅するムサビや黒板ジャック、 産学連携、ミッドタウンワークショップやミッドタウンアワード、公開講座、六本木アートナイト、ポートフォリオ講習会、ムサビ学生広報局などなど「やる気がある人向け」にいろんなチャンスを大学は用意してるし、やってる人がいます。
さらに
カメラ紀行:吉賀・柿木小 武蔵美大生が出前授業 黒板に学生が“大作”/作者が思い語る /島根 - 毎日新聞

東京新聞:<23区の予算案>立川市 立川駅地下道に電車アート
これがちょいちょい書いてきた、立川で視デ齋藤先生が学生さん有志と取り組んでる企画です。2年がかりのプロジェクトで、メンバー募集してますよ。

とこんな感じに春休みにいろいろ活動してる学生さんがいる事実。そこに早く気がつくかどうかがポイントなんです。

なおかつ。
地方には地方の良さがありますが、「アート・デザインに関するいろんな企画が常に発生してるし、チャンスがある。田舎よりもお金も付くし見てくれる人もいるし仲間も多い。そして全国から依頼がくる」のが東京の最大のメリット。
しかもここから3年間ぐらいは東京オリンピックや文化プログラムがらみの企画が東京を中心にたくさん発生するのは確実。既に関東の美大にもいろいろ話が来てます(まだ書けないけど)。すんごい絶妙なタイミングで大学生になれる今年の新入生がおっさんはほんとにうらやましくて。


ただ、「やらない・やれない」は本人判断だからまだいいんだけど、「知らなかった」という人にはどうしたらいいのか・・・これが私たちの永遠の課題でして。

「知らなかった」という人の多くが『大学は何もやってくれないもの』というフィルターが入ってしまってる可能性が高い。大学のことが嫌いでもいいんだけど、大学に興味を持つ、20年前ぐらいに構築された「美大のイメージ」を少し外す、「もしかしたら大学はいろいろやってくれてるかもしれない」と思ってみる、つまり大学にアンテナを張ると、きっと自分にとっていいことが起きるはず。
なんでもそうですが、「決めつけ」って損することはあっても得することは一つもないんですよね。いつも「私にばかりトラブルが発生する!」と怒ってる人はだいたい「●●はこんなもんだ」と決めつけによるもので原因は本人にあり、トラブルを自分が呼び寄せてるケースが多いような気がしてます。

何を隠そう手羽は授業外の活動を全然やらなかったタイプでした。
学生時代はサークルもやってなかったし、そんなにムサビが面白いと思ったことがなく、アンテナも張ってなかったから、正直2年生までは出席だけ取ったらトットと帰ってた人間だったもんで、大学職員になって初めて「あ。こんなにいろんな人が授業外で活動してたのか」「ムサビっていろいろやってあげてたのね」「教授は授業以外も学生さんのために動いてたんだな・・・」と気がついた一人でして。
「そのことに早く気が付いてほしい!」ってのが今の手羽のモチベーションにつながっています。

ちなみに3年で就活用のポートフォリオを作る時に、授業でしか作品を作っていない人は多分スカスカになるはずです。課題は毎日大変だけど、多くは考えてる時間や習作だからアウトプットとして人に見せられる授業での作品数って意外と少ないんですよね。就職を考えてる人は、課題も大事だけど授業外の活動もすんごく大事だよ。

ただ、いろいろやりすぎてキャパを越えてしまう人もチラホラいて。なんでもそうですが、自分のキャパや体調をみながらやりすぎない程度に。

続く。


以上、この時期になると先輩ヅラして語りたがる大人がでてきてウザイよね、とわかってるけど語ってしまう手羽がお送りいたしました。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。