2016年4月30日(土)、奥さんもゴールデンウイークを満喫してるど真ん中に「旅するムサビプロジェクト報告会」が開催されたのでそのレポートを。
旅するムサビプロジェクト、略して「旅ムサ」です。
簡単に旅ムサの説明を。
旅ムサは「生徒に本物の美術作品を見せたい」という本学OBの美術教諭の願いから2008年に始まり、早いもんで今年で9年目の活動となります。
美術の楽しさ、面白さ、広がりを感じながら、美術を通したコミュニケーションを共に創り出していくことを目的として、教職課程の履修学生が中心となり他大学の学生や教職員、学芸員や地域住民など様々な人たちを巻き込んで展開しています。
教職・三澤先生がサポートしてますが学生の自主的な活動なので、授業じゃないから単位も出ません・・。
「旅ムサ」といってもいろいろな活動がありまして。
全国各地の学校や美術館などを訪れ、学生が子ども達と対話をしながら持参した作品を鑑賞する「対話型鑑賞」、
中学校などの空き教室でムサビ生が制作に取り組む「公開制作」、
子どもと一緒に制作する「ワークショップ」、
夏休みの2日間、学校を美術館に変えてしまう「School Art Project “ムサビる!”」
(今年のムサビる!は8月6日(土)、7日(日)に東大和第五中学校で開催決定)、
そして、メディアで何度も取り上げられている「黒板ジャック」も旅ムサの一環でして、これらをひっくるめたプロジェクトが「旅するムサビ」なのです。わかりました?
社会連携チームのイナエ久間さん(イナエクマさんと読みます)さんが本日の司会。
三澤先生の挨拶。
今年は昨年度実施チームから選抜された11チームの発表で、持ち時間は準備含め10分間。
鳥取県鳥取市立西中学校での実施報告。
今年は「旅ムサステイin鳥取」が計画されてるそう。
長崎県大村市松原小学校の実施報告。
原爆祈念70周年祈念モニュメントを半年がかりで制作するプロジェクトで、小学生から「ぼくもこういうのを作る人になりたい」と言われたそう。
映像学科・小口詩子先生がやはり長崎で取り組んだ「スナメリの詩プロジェクト」で、高校生として映画作りに関わった生徒が「映画監督になりたい」とムサビに入学した話を思い出しました。
世田谷区立東深沢小学校の実施報告。
「図工の学びは過程にある」をポリシーにし、図工の中での学びの過程を見える化しよう!というプロジェクトを行っています。
東深沢小学校での活動は、ロッテさんが全国の政令指定都市とその周辺の小中学校約3300校に無料配布してる「ロッテ学級の話題」で取り上げていただきまして。
東深沢小というより、ほぼ旅ムサの話で構成されてて私達もびっくりしましたが。。
長野県茅野市美術館での実施報告。
茅野での開催は四年目で、今回は玉川小学校 岡谷市長地小学校の児童との対話型鑑賞。
旅ムサの対話型鑑賞は、ファシリテータ役の学生さんが観客から「この絵はどんな感じに見えます?」といろいろ聞きだします。ファシリテータは作者じゃないから観客はそれこそ好き勝手に語るんですが、それを後ろでこっそり作者が聞いてて、「では作者の登場です!」「えっ」という展開になるんです。
例えるなら、ものまねしてたらご本人が登場してくる的な。
「ファシリテータをやってる時に何をふっても一言もしゃべらない女の子がいたんだけど、作者として後ろで見てたら、その子は少し口が動いたり、人一倍作品をじーと見てることがわかった。自分の視野の狭さに気づき、一回でも発言できたときの喜びを感じられるような環境を作ることが大事だと感じた」とのこと。
埼玉ルートの実施報告。
さいたま市立八王子中学校、朝霞市立第四中学校、坂戸市立桜中学校での対話型鑑賞で、東京家政大と埼玉大と協力して活動しました。
率直な質問をしてくる中学校、一人一人が理論的に分析して質問してくる中学校と学校によって様々なタイプがあり、様々な形の対話型鑑賞があることを実感したそう。
内容は興味深いものだったけど、発表された学生さんが「生徒」のことをずっと「学生」と呼んでて・・・。
学校教育法的には小学生は「児童」、中学生・高校生は「生徒」、大学生は「学生」と全然意味が違うものなのなんです。
逆によく学生さんが自分たちのことを「生徒」と言ってるけど、これ「ボクチンは・・」と言ってるようなものなので気を付けようね。
長くなりそうなので明日に続くっ!!
【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。