【 #美大受験 2021】ムサビの実技試験で絶対に忘れちゃいけないものを1つ断言します

2021年2月2日(火)

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美大受験生の疑問にお答えする恒例の「#美大受験」シリーズをお送りしてます。

#美大受験では、ムサビまたは関東美大の一般入試(AOや推薦入試じゃない入試)を具体例で使うことになりますが、基本的にはどの美大受験にも参考になるはずです。
これまでの話はこちらから▼
東京五美大2021入試カレンダーからわかるたった1つのアドバイス
コロナ対応の入試変更点は重要な情報だから、マメにチェックしよう
*間違った情報を書いている可能性もあるので、募集要項等大学公式情報で必ずご確認ください。

今日からムサビの入試が始まるので、より具体的なアドバイスをします。


家を出る前に(できれば前日に)、募集要項で最低3箇所確認してほしい部分があります。
それは、「試験日時」「場所(会場)」「持ち物リスト(携行道具)」です。それと今年はコロナ対応の注意点・変更点も必ず。

まずは「試験日時」について。
毎年1人ぐらいは日程を間違えてきちゃう受験生がいます。ほんとに。

次に「場所(会場)」
数年に一度ムサビ吉祥寺校に間違って行っちゃう受験生がいます。これもほんとに。
ムサビの一般選抜は全部鷹の台キャンパス(大阪会場もあるけど)、タマビは演劇舞踊コース以外は八王子キャンパスでして、タマビの統合デザイン学科やムサビのクリエイティブイノベーション学科受験生は間違っても上野毛キャンパスや市ヶ谷キャンパスに行かないでね。
逆に女子美は志望学科によって会場が相模原キャンパスか杉並キャンパスか違うからかなり注意しないとまずいっす。
「そんな大事なこと間違えるわけないっしょ」と思うけど、思い込みってほんとにあるし、親から「武蔵野っていうんだから武蔵野市でしょ」と言われて信じてしまうケースもあります。大人の方が思い込みが強いもんで。

時間と場所といえば、東京4美大の周りには暖を取れるところが何もなく、といって早く大学に着いても構内には入れません。
ムサビの募集要項P17にこう書かれてます。

「入試は早め早めの行動」と言われ、その気持ちは大事だけど、早すぎると寒い中立ったまま長い時間待つことになります。また、モチーフがセットされてるアトリエだと試験監督が来るまで開場されないんで、入構できてもアトリエの前でじっと待つことになるんです。美術予備校だといい場所で描くために早く行って席取りするかもしれないけど、入試ではそれはありません(だいたいはくじびき)。
大学にかなり早く着きそうだったら、駅前に複数ファーストフードがあるような大きな最寄り駅・・ムサビだとJR国分寺駅や立川駅、タマビや東京造形だと橋本駅・・で時間調整をした方がいいです。感覚的には1時間前についてれば十分ぐらいな感じかな。


んで今日の本題は、3つ目の携行用具(持ちもの)について4つアドバイスします。

(1)受験票を持ってるか、家を出る前にもう一度確認しよう
受験票をカバンにちゃんと入れたか、そして「どこに入れたか」の最終確認をしましょ。
あわてると鞄から探せず、試験が終わった後に「あ。募集要項の間に入ってた」「ジャンバーのポケットに入ってた・・あの時は探しても見つからなかったのに・・・」と気が付くこともよくあるんで、「どこに入れたか」も大事だったりするんです。

最近はどの大学もWEB出願になり、自分で受験票をプリントアウトしてもっていく形が増えてきましたが、普通のコピー用紙に印刷するとペラペラになっちゃうんですよ。

ペラペラでありがたみが薄いというか。
それもあって、A5orA6サイズの硬質カードケースに受験票を入れてる方をこの数年よく見かけます。
これだと他とゴッチャになることもなく管理がしやすいし、何より折れ曲がらない。
最初見た時は簡単なことだけど頭いいなーと思いました。ぜひ真似してみてね。

ちなみに受験票は「A4の白い紙にそのままプリント」「スマホで見せるのはダメ。印刷したもの」でよろしくお願いします。
また、受験が終わっても、受験票は合格発表・成績開示などで必要なものだから、大事に保管しときましょ。
そうそう。「A4サイズの用紙に印刷して」って書いてあるけど、注意事項なければ「受験票部分をA4サイズに拡大して」と解釈できる文章だと思うんだけど、どうなんだろ。
 

(2) 時計は必要!
普段はスマホで時間確認してるかもしれません。手羽もそうです。
でも、試験時は携帯含め電子機器は電源切ってかばんの中に入れるよう指示があります。 どの大学もそうです。会場には時計がないこともあるんで(ムサビはないです)、持ってなかったら100円ショップでいいから安い時計を購入しときましょ。

ムサビだと学内の世界堂でも買えるけど800円ちょいします。結構高い・・。
でも「コンビニで売ってそうで売ってないものの代表」がこの時計で、手羽も試験日に時計を忘れて、何件かコンビニ回って探したことがあるけど全然置いてないんですよね。


(3)お弁当も忘れずに
1日学内で試験を受ける時、タマビムサビ東京造形は学外へ出ることはできません。昼食は学内で取るしかないので、必ずお弁当を持ってきてください。
昨日も書いた通り例年だと学食で食べれるんだけど、今年は感染予防の観点から営業をやっておらず、自席で静かに食べてもらうことになってます。

ちなみに3大学の周りにはコンビニがないので駅近くで購入するしかないです。
ムサビ受験生のために、鷹の台駅近辺のコンビニマップを作ってみました。

といいつつ、この2か月手羽は大学に行ってないんで、潰れてるコンビニがあるかも(ぼそっ)。ムサビ関係者の方、修正・追加情報があったら教えてください。

ちなみに東京造形大は学内にデイリーヤマザキ、タマビとムサビはセブンイレブンがあるけど、売り切れの可能性もあるんで外で買ってきた方がいいっすよ。

 
あ、木炭デッサンの人は食パンの購入も忘れずにね。ムサビはセブンイレブンで販売してます。
ちなみに昔売店が「食パン販売してます」という張り紙を出してるのを見て、一般大卒スタッフが「受験生のために食パンじゃなくて焼きそばパンとか置いてあげればいいのに、ムサビって優しくないよね」と文句言ってる人がいたけど、受験生のために食パンじゃないとダメなんです(笑)
「え?消し具で食パン?!」という人はこちらをご覧ください。
木炭画用消し具(食パン・布) | 武蔵野美術大学 造形ファイル
自分に合ったパンがあって、手羽はバター成分少なめの安いパンが使いやすかったです。
しかしこれだけ文明が進歩しても、木炭デッサンの消し具がいまだに食パンっていうのもすごい話だよね。
 

と、いろいろ書いてきましたが、手羽は毎年これだけ言えれば十分だったりするわけで。
(4)ムサビ実技入試はカルトン(orパネル)が絶対に必要!

「ムサビ実技試験で一番忘れて困るものは何か?」の質問に手羽は断言・即答できます。
それはカルトンまたはパネルです。
カルトンとは「デッサン用の画板兼紙ばさみ」のことで、 詳細は造形ファイルをご覧ください。
カルトン | 武蔵野美術大学 造形ファイル
造形ファイル、便利。

数的には受験票・時計を忘れてくる人の方が多いけど(忘れて帰る人も)、弁当含めて最悪それらはなくてもなんとかなるもの。
でもカルトンやパネルがなくちゃムサビ実技試験で絵が描けません。机上試験だと画面がガタガタしながらも描けなくありませんが、アトリエでのイーゼル試験だと完全アウト。
カルトンはいつも持ち歩くもんじゃないから、電車に忘れてしまう人も多いんですよね。

実は「忘れちゃった」以外に「大学で配られる」「貸してくれる」という思い込み、もしくは予備校の先生がそう指示したケースの方が多かったりします。
理由は簡単で、他大学実技試験とゴッチャになってるパターン。
カルトンやパネルを用意する大学、イラストボードまたは水張りされたパネルを回答用紙とする大学がありますが、ムサビ実技入試で配られる回答用紙はすべて「紙」の状態です。木炭用紙だったりケント紙だったりキャンバスだったり。

実際にムサビ学生募集要項を見てみましょう。


  • 2021年度武蔵野美術大学 学生募集要項P18「携行用具」


  • 2021年度武蔵野美術大学 学生募集要項P18「携行用具」

ことごどく実技入試には「パネルまたはカルトン」と書いてあります。
ムサビ入試でカルトンorパネルを忘れた場合は、世界堂へ買いに行ってもらうことになります。
「基本的に」「原則として」「の場合がある」「貸すこともないこともない」ではなく、「貸し出していません」の手羽記事ではめったにない超断定形。
過去に貸し出したことも一度もありません。
「いいや、昔は借りられたはず」「借りたってやつを知ってる」というのは完全100%予備校の先生や親の思い込みです。断言できます。

毎年、試験開始直後、「・・あれ。パネル貸してくれないの?」と気が付き、試験中に世界堂へパネルを買いに走っていく受験生が後を絶たなくて・・あれを見るのがつらいの・・。

ま、「忘れたら学内世界堂で買えばいい」ではあるけど、1回の試験のためにパネルを購入するのって、ちょっともったいないんですよね。カルトンやパネルって安くはないんでお金的にも時間的にも精神的にも非常にロスになります。

予備校講師やお母さんや友達、SNSの「きっと忘れたら貸してくれるだろう」「昔は貸してたと思う」「去年誰かが貸してくれたって言ってた」「確か水張りされてるんじゃない?」「国分寺から無料スクールバスが出てたはず」な不確かな情報に惑わされないでね。
特に今年はコロナでいろんなものが例年と違うので。


以上、いろいろ書いたけど、極端な話、会場と日時が間違ってなくて、元気な自分がそこにいればどうにでもなります、の手羽がお送りいたしました。
「教室は暖かいからどうの」「空気が乾燥してるからどうの」「弁当は」「待ち時間がどうの」「鉛筆は」「絵の具は作ってもってけ」とかは、あくまでもオプション情報にすぎず、ある段階ではそれくらいの開き直りが必要です。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。