小林賢太郎のアトリエ公開。魂のこもった作品が生む、不思議と笑いの舞台裏

アートと笑いの融合。不思議な科学変化で観客を魅了する小林賢太郎の作品。彼はこれまで作品の為に何枚もの絵を描き、小道具を自作してきました。そんな彼の、魂のこもった作品を間近で見られるチャンスだということで、現在開催中の展示「小林賢太郎がコントや演劇のためにつくった美術展」へ行ってきました。

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小林 賢太郎

1973年生まれ。多摩美術大学卒業。1996年、片桐 仁とのコントグループ「ラーメンズ」を結成。演劇プロジェクト「K.K.P」、ソロパフォーマンス「Potsunen」など、劇場を中心に活動する。2009年から、NHK BSプレミアにて、コント番組「小林賢太郎テレビ」を、年に一度のペースで放送。コント、マジック、映像などを組み合わせた短編集「Potsunen」は海外でも上演される。

福岡展では新たな作品を発表。

2014年の9月19日から10月5日まで東京・青山スパイラルで開催し、約4万人を動員した「小林賢太郎がコントや演劇のためにつくった美術 展」の巡回展です。福岡で開催されている展示「小林賢太郎がコントや演劇のためにつくった美術展」では、新たな作品も展示され新作グッズも販売。コンパクトなスペースに、作品がぎゅっと詰まった空間になっていました。今回は気になった作品を4点紹介します。

おすすめ①「十鬼夜行」

ヘンテコな妖怪たちが十鬼。
正面から見ると「十鬼」ですが、ある一定の場所から見ると「もう一鬼」十一鬼目が見えます。これは是非、会場で体感していただきたいです。

おすすめ②「アトリエ」

ファンなら息を漏らさずにはいられない。 右も左もどこかでチラリと見たことのある絵や、切り抜き、一言メモなど、目に入ったものが頭の中ですごいスピードで作品に繋がります。 会場に居た女の子たちも雑多に置かれた作品を見て、宝物を見つけたように「あれ!あれ!」と興奮ぎみでした。

おすすめ③「バックステージ」

バックステージの展示では、実際に舞台で着用した衣装などが展示されています。 舞台上で走り回ることもある小林さんの衣装は、一見普通に見えて通気性を重視したり、股にストレッチ素材が使われていたりと、工夫されているそうです。

おすすめ④「北斎漫画かるた」
個人的には一番ツボでした。 ユーモアたっぷりな北斎漫画で一言。思わず「ぷっ」っとなってしまう内容です。

小林さんの代表作「手の奴」は知っていますか?

「手の奴」は皆さんの近くにいます。まず、ピースをしてください。そのピースを逆さまにして、人差し指と中指を机に立ててください。これを人の足の様に見立てて交互に前後させます。 これで完成。 小林さんは背景を描き「手の奴」に色々な冒険をさせます。 東海道も制覇しちゃいました。ただの「手」なはずなのに、軽やかに階段を上ったり、冒険が進むにつれ勇敢な足取りに見えたりと、息吹が吹き込まれ、見ているこちらも感情移入してきます。

いかがでしたか? その他にも気になった作品がたくさん。
レゴがモザイクのように積み重ねっている作品や、展覧会のなかではブルーハワイの材料がわかってしまったり。 入場料400円で、開催期間中は何度も再入場できるというフリーパス券付きです。 様々な仕掛けや謎、不思議な世界を「見る」だけじゃなく「体感」できるというところが小林賢太郎という人物を知らなくても十分に楽しめる展示になっています。 会場外には「小林みくじ」もあって最後の最後までワクワクさせてくれます。
http://artium.jp/exhibition/2016/15-09-kobayashikentaro/



場所: 天神イムズ8F 三菱地所アルティアム
会期: 2016年1月21日(木)ー3月13日(日)           
開館時間: 10:00ー20:00 
入場料:一般: 400(300)円 学生:300(200)円
 ※()は前売料金・チケットぴあ・10名以上の団体料金

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OTONA WRITER

宮原律華 / miyahara rika

大量に「もの」が生産され、破棄される。そんな日々だからこそ、「ものづくり」の大切さを見直して作り手のストーリを伝えられればと思います。「もの」の裏には「ひと」がいる。