【ビダモン2018】手羽オススメの美大受験漫画はこれだ!

2018年1月5日(金)

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年も明けましたし、一昨年、去年と好評だった「美大受験生の疑にお答えします」、略してビダモン!シリーズをスタートさせます。
・・え?美大受験なら「ビダジュ」でいいじゃないかって?今年もそんなわかりきった質問聞く?平手友梨奈さんのあだ名が「てち」なのをアノ平手さんに「なんでてちなの?」って聞けます?そういうことです(完全に開き直り)

ビダモンではムサビ、または関東美大の一般受験入試(AOや推薦入試じゃない)を具体例で使いますが、基本的にはどの美大受験にも参考になると思います。また、美大受験生の親御さんにもよく読まれてることがわかったので、そのあたりも考慮しながら今年は書いていきますね(笑)


ビダモン2018一発目だから軽めのコンテンツにし、美大受験マンガについて書かせてもらいます。
あ、少しネタバレ含むので楽しみにしたい人は手羽のコメントは読まない方がいいかも。


「美大生が主人公のマンガ」は昔からボチボチありました。
ムサビがモデルの「ハチミツとクローバー」はもちろんのこと、東京造形大がモデルの「美大デビュー」に、タマビがモデルの「おひっこし」、明星大学が舞台の「ロジック」等々があるし、手羽のオススメだと大阪芸大が舞台の「アオイホノオ」と東北生活文化大学がモデルの「モディリアーニにお願い」かな。
ハチクロ以外は作者の母校を舞台としたマンガですね。、

で、この5年ぐらいで美大受験(美大受験生生を主人公とした)漫画がかなり増えたような気はしています。

手羽の知ってるところだと、

ジンクホワイト (ヤングキングコミックス)
小泉 真理
全3巻。

昔は美大受験マンガっていうと、ジンクホワイトぐらいしか思いつかなったかも。
ちなみに小泉さんはムサビOG。
 
 

美大受験戦記 アリエネ (ビッグコミックス)
山田 玲司

全8巻。
山田さんはタマビOBで、アリエネを描かれてる時だったかにムサビを取材されてお会いしたことがあります。
 
 

君とガッタメラータ! (ヤングジャンプコミックス)
松橋 犬輔。
全3巻。
今回紹介した中では圧倒的な画力の持ち主の松橋さん。
1巻しか読んでなかったんだけど、絵のうまさからずっと続いてるもんだと思ってたら3巻で終わってたんだな・・。
ちなみに湘南美術学院さんがモデルに使われています。
 
 

マスタード・チョコレート
冬川智子。

冬川さんもムサビOG。昨年実写映画化もされ、ムサビで撮影されました。(2号館木彫場がちょいちょい出てくる)
ちなみにこちらも湘南美術さんが協力で名前が出てきます。
 
 

美大道! (まんがタイムコミックス)
さと

タイトルは「美大道」ですが、美術予備校に通う美大浪人生の話です。
 

ももんち (ビッグコミックススペシャル)
冬目 景

冬目景さんはタマビ油画出身です。
 
 

でんぐばんぐ
ニコ・ニコルソン
上下巻。

専門学校マンガですが、最初に「山形芸術工科大学」を推薦入試で受験するシーンがあります。
 
 

セキララにキス (KC デザート)
芥 文絵
現在6巻まで出てて、こちらも湘南美術学院さんが舞台に使われてて・・・って湘南美術さんは完全な美大受験マンガの聖地化してる(笑)
 
 

等々。
美術予備校の話ってことだと、西原理恵子さんの「できるかな クアトロ」に収録されてる「パチクロ」もそうだし、左手のエレンでも最初の方に美術予備校話がありますね。
だいたいは「今まで絵がうまいと褒められてきたけど、美術予備校の最初の講評で自分の絵が一番下の段(つまり下手)に並べられた時のショック」な話がでてくるかな。やっぱりあれはショックですもんね・・。


で、今まで「美大受験マンガでおすすめはなにか?」と聞かれたら、即決で

東村アキコさんの自伝的マンガであるかくかくしかじかと答えてました。

「でした」というか今でもそうなんだけど、今まで「地方在住者の美大受験マンガ」って意外と無かったんですよ。ほとんどは関東の人が関東の美大予備校に通う話で、あったとしても「田舎もんが東京の美術予備校で勉強」ってぐらい。
田舎には「美術予備校」なんてものはなく、いわゆる「講師が一人の画塾」「おじいちゃんが昔から教えてる絵画教室」しかありません。手羽もそういうところでデッサンの勉強してたのもあって共感部分がすんごく多いんです。
そして何より笑って泣けます。美大受験マンガで泣いたのはこれだけですね。
 


ただ、年末に買ったマンガで久しぶりに「あ。これなかなかいい美大受験マンガじゃない?」と思ったのがあり・・・・はい、それを紹介したいがためにこの記事を書きました(笑)
 
それは何かというと、

ブルーピリオド(1) (アフタヌーンKC)
です。
作中に「タマムサ」という言葉が出てくるので、絶対に作者の山口つばささんはムサビ卒じゃないなと思いつつ調べたら(ムサビ生は「ムサタマ」)、東京藝大卒の方でした。そして多分新宿美術学院さんがモデルですね。
現在月刊アフタヌーンで連載中で、1巻が12月末に出たばかりというタイミング。
奥さんと「このマンガ、リアルだね」と話しながら正月を過ごしたのです。

なにが「いい美大受験マンガ」かというと、いくつか理由があって、ひとつは先輩が推薦入試で受かる(ムサビに笑)シーンがあったり、今どきな美大受験話なところ。
 

そして、デッサンとかのウンチクネタ。
自分も画塾時代に教わったことや感動したことが満載で、あの頃のことをつい思い出しちゃうんですよ。影の付け方とか「しっかり見る」の本当の意味とか、よくドラマとかで見る「画家が親指を立ててモチーフを見る」理由とか。
青年誌系だと「自分でも気が付かなった天才的な才能があることをきっかけに開花する」だから、テクニック的なことはすっとばされちゃうんですよ。ここを丁寧に描いたマンガはあまりなく、今年受験生よりも高校2年生ぐらいの子の方がためになるかもしれません。
それと「講評では下手な人は褒められ、上手い人は怒られる」傾向にあることとかね。「褒められるのは、どこが悪いのか指摘されるレベルに達してないからなんだ・・」と気が付いた時のショック感は手羽も今でも忘れません。

また、よくある青年誌系だと
「好きな女の子のためにうまくなりたくて、ある時こっそり誰かがヒントをくれて、どんどん絵がうまくなって、気になるあの子が急接近!するとライバルが現れ、そいつと絵のバトル!」
な話にどうしてもなっちゃうんですよね。「ヌードモデルに・・なってもいいよ・・」的なことを言われて男の子の妄想モード爆発な。
でも、ブルーピリオドの主人公は、才能よりも努力(論理型)の人だし、今のところのヒロインがヒロインじゃないし(女の子じゃない笑)、恋愛バトル要素がほとんどなさそうなのが手羽の好み。

これからの盛り上げが大変だとは思うけど、変なバトル要素とかいれずにこのまま頑張ってほしくて今回紹介させてもらいました。


以上、今日が仕事始めの手羽がお送りいたしました。
職場でPARTNER読んでる人は年末年始も更新してるから遡って読んでね。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。