【 #美大受験 2022 】美大に合格した人の悩みに答えます【東京と地方、どっちの大学に行くべきか?】

2022年3月3日(木)タマビやムサビの補欠繰り上げがぼちぼち始まりました。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

美大受験生の疑問にお答えする恒例の「#美大受験」シリーズをお送りしてます。
#美大受験では、ムサビまたは関東美大の一般入試(AOや推薦入試じゃない入試)を具体例で使うことになりますが、基本的にはどの美大受験にも参考になるはずです。
これまでの話はこちらから▼
東京五美大2022入試カレンダーからわかるたった1つのアドバイス
コロナ対応の入試変更点は重要な情報だから、マメにチェックしよう
ムサビの実技試験で絶対に忘れちゃいけないものを1つ断言します
美大実技試験でのたった1つのアドバイス
美大入試で家を出る前に確認すべき情報と持ち物は?
学科試験当日に聞いても役に立つアドバイスを1つだけ
入試の朝、中央線が止まった。さてどうする?
手羽のブルーピリオド-入試でこんなことが起きた-
タマビ入試の雪対策を勝手に考えてみる
2022年度東京4美大一般選抜志願者数が言えるたった1つのアドバイス
倍率は全然信用できないって話 1 #募集定員と合格者数のトリック
倍率は全然信用できないって話2 #併願のトリック
タマビとムサビの合格発表日にやるべきこと【受験番号がわからない時は】
美大に合格した人へ6つのアドバイス その1【動いてる人は動いてる】
美大に合格した人へ6つのアドバイス その2【リア充で何が悪い】
補欠だった方へ【何番まで繰り上がるのか?】
公立芸術系大学の志願者数を調べてみた【東京藝大は?長岡造形は?】
美大に合格した人の悩みに答えます【現役でもついていけるか?】
美大に合格した人の悩みに答えます【学科試験のみ入試で合格したけど入学して実技についていけるか?】
*間違った情報を書いている可能性もあるので、募集要項等大学公式情報で必ずご確認ください。
 

合格された方に多い4つの悩み
1.現役で受かったけど、ついていけるだろうか?
2.両方合格したけど、どっちに行こうか?
3.学科試験のみ入試で合格したけど、入学して実技についていけるか?
4.東京と地方、どっちの大学に行くべきか?
に答えてます。あくまでも手羽の個人的な考えです。

 
4.東京と地方、どっちの大学に行くべきか?
結論は「それぞれいいところも悪いところもある」「どこが良い学び場かは自分の意識次第で変わる」だと思ってますが、あえて書くなら「(金銭的な比較でなければ)無理してでも若いうちに東京で勉強した方がいいよ」と、手羽は5つのデータからアドバイスします。

あ、最初に断っておくと、手羽は田舎が嫌いで嫌いで東京に出てきた人間なので、これに関してはすごく偏った考えを持っています。今日のは話半分ぐらいで読んでもらったらちょうどいいかも。
今どきこの質問に対してこんなにはっきりと「東京だ」と答える人もいないはず(笑)


まず、地方の親御さんが一番心配するのは東京の治安だと思います。
そういう人はここを見てください。
全国治安ワーストランキング2021|ALSOK

東京は人口が多いので「件数」だとどうしても多くなるし、メディアでも東京のニュースが扱われがちなんで東京は治安が悪そうに見えます。
決して「すごく安心・安全です」とは言わないけど、むしろ住宅侵入盗の検挙率、住宅侵入盗遭遇率だと東京はかなり良かったりするんですよ。意外でしょ?


2つ目のデータは森ビルのシンクタンク「森記念財団都市戦略研究所」が毎年発表している世界の都市総合力ランキング。
世界の都市総合力ランキング(Global Power City Index, GPCI)

こちらの記事によると、
世界都市総合力、東京3位 働きやすさ大幅に向上|産経新聞
世界の主要48都市を対象にして経済、研究・開発、文化・交流、居住、環境、交通・アクセスの6分野70指標で評価する都市ランキングで、東京はロンドン、ニューヨークに次いで6年連続の3位になってます。ちなみに日本だと大阪が36位、福岡が42位。

2021年は東京オリンピックがあったので文化イベントが増加したりしてるけど、早退や在宅勤務のしやすさを居住者に調査した「働き方の柔軟性」が前回41位からいきなり2位にアップしたそう。
この大きなグラフだとわかりにくいので、ぜひPDFを読んでみてください。

 
仕事を切り口にした視点だと、「東京にどれくらいクリエイティブな人がいるのか」がわかるデータを2つ。

これは平成27年国勢調査から社会経済分類(22分類)「文筆家・芸術家・芸能人」を都道府県別にだしてみました。
手羽調べなので間違ってたらごめんなさい。もっといいデータがあったら教えて・・。

このデータから「全国の5分の1のクリエイティブな人材が東京に集まってる(神奈川を足すと3割)」てのが見えてきます。
そう考えると、子供の同級生の親に普通にデザイナーや芸術家やタレントさんがいるんですよ。この「普通にいる」がポイントで、「そういう文化的環境が子供の頃から整っている」のが東京なんですね。
 

東京で卒業制作展をやってる地方の大学さんになんとなく矛盾を感じてて。
「普段『地方最高!』って言ってるんだから地方でやればいいのに、なんでわざわざお金を出して東京でやるんだろ?そのキュレーションされた方は東京の美術館のキュレータだし、逆に『東京の方が発表しがいがあるし人材もいる』ってことにならない?」と。
 

デザインに絞って見てみると、


こちらは
DESIGN STAT – 統計で見るデザイン業界
が集計されたデータで、都道府県別のデザイン事業所分布が掲載されています。
日本のデザイン事業所の約4割が東京てことは「デザイン関連の仕事もある」ということでもあります。

「東京行きの就活専用バスを出してます!」「就活で東京に行く時は交通費出します!」とやってる地方の大学さんがあるんですが、「それって地元に仕事ないってこと?入学前にそれ言ってましたっけ?あ、『こんな教授がいます!』と自慢してる教授が所属する会社はほとんど東京なのね」と思うんですよね・・。


そして5つ目のデータは、2017年に野村総研が発表した、国内100都市を対象に産業創発力の現状及び将来のポテンシャルを評価した「成長可能性ランキング」

通常は「もう東京の時代ではない。地方の時代だ!!」を説明するためのデータなのですが、むしろ手羽はこのデータを見て「自分が田舎から出たかった理由はこれだったんだな。括れる言葉って大事」と気が付いたのです。

「東京の人は冷たい」とよく言われるけど、地方は身内には優しいのに、外からの人に冷たいんっすよ。地域おこし協力隊でうまくいってないケースをちょこちょこ聞くけど、だいたい原因はこの地方の風土が関係してるよう。
東京は外から来ることを前提にコミュニティが作られていて、「人に冷たい」ではなく「相手を尊重してる」だし、「多様性を受け入れる」という意味では東京の方が親切心が高いと思ってます。「多様性」「寛容」って「身内にする」ではなく「他人を他人として受け入れる」ことなのかな、と。
「よそ者を排除せず、多様な文化や価値観を受け入れる寛容性」が高いのが東京で、クリエイティブやイノベーションには必要な要素なんですよね。

自分が地元が嫌だった理由は、「オシャレじゃないから」「アートやデザインがないから」「コトが起きないから」「年寄りしかいない」ではなく、そもそも「クリエイティブを受け入れる、発生させる土壌がない」→「寛容度が低いから」だったのかもしれないなあ、とこのデータを見て気が付いた、と。

 
アートやデザインは、企画(発想)・調査・実践(制作)・発表・フィードバックが必要です。
「のんびりした環境で1人で作品作りたい」「地方でその文化を勉強したい」てことならわかるんだけど、「たくさんいろんな種類の人、今まで会ったことがないような人と直接関係を持つ」「クリエイティブな土壌がある場」「様々な場やシーンを調査し発表する、見てもらう(いわゆる刺激)」を求めるなら・・他の学びはわかりませんが、アートやデザインを学ぶのであれば、それが金銭的な比較でなければ「無理してでも若いうちに東京で勉強した方がいい」と思ってます。
 

てなわけでこれにて美大受験2022シリーズは終了!
少しでも何かの参考になってくれれば。


以上、くどいけど、今日の記事はかなり偏った、都合がいいデータしか使ってないので話半分で読んでね、の手羽がお送りいたしました。
明日更新したらのんびりモードに戻します。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。