【 #美大受験 2022 】倍率は全然信用できないって話 1 #募集定員と合格者数のトリック

2022年2月13日(日)

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美大受験生の疑問にお答えする恒例の「#美大受験」シリーズをお送りしてます。
#美大受験では、ムサビまたは関東美大の一般入試(AOや推薦入試じゃない入試)を具体例で使うことになりますが、基本的にはどの美大受験にも参考になるはずです。
これまでの話はこちらから▼
東京五美大2022入試カレンダーからわかるたった1つのアドバイス
コロナ対応の入試変更点は重要な情報だから、マメにチェックしよう
ムサビの実技試験で絶対に忘れちゃいけないものを1つ断言します
美大実技試験でのたった1つのアドバイス
美大入試で家を出る前に確認すべき情報と持ち物は?
学科試験当日に聞いても役に立つアドバイスを1つだけ
入試の朝、中央線が止まった。さてどうする?
手羽のブルーピリオド-入試でこんなことが起きた-
タマビ入試の雪対策を勝手に考えてみる
2022年度東京4美大一般選抜志願者数が言えるたった1つのアドバイス
*間違った情報を書いている可能性もあるので、募集要項等大学公式情報で必ずご確認ください。

東京4美大の一般選抜も終わり(ムサビは今日ある試験があるけど)、あとはタマビ・ムサビの合格発表となりました。

なのでぼちぼちこの話題に触れていきましょう。

大学入試関係者なら口をそろえてこう言うはずです。
去年と今年の受験者数・倍率比較ほど信用できないものはない。

あ、ちょっとこの表現は語弊がありますな。
「ウソの数字を発表してる」というわけではなく、「いろいろな算出方法や解釈の仕方がある」「いろんな条件が重なるのでアテにできない」ので「参考にはなるけど信用できるほどのデータではない」って意味です。
これまでも少し触れてきましたが、このシリーズでもう少し細かく説明していきますね。


理由は3つあります。

1つ目は「募集定員の変更」
前年度の入試結果等を元に、一般方式の定員を共通テスト方式や総合型(AO)・学校推薦型(推薦)の定員に振り替えてることがあります。なので志願者が減ったとしても、その方式の募集定員も減らしてたからむしろ倍率が上がった・・なんてことはほんとよくあることです。
 

2つ目が「合格者数の変更」
意外と知らない人が多いんだけど、多くの大学は合格したけど抜けていく人を見込んで合格者数は定員よりも少し多めに出すもんなんですね。ムサビを例にするとこんな感じ。

「募集人員が合格発表数じゃない」ってのが一目瞭然でしょ。
こうやって5年分見ると、年によって数は違うし、ファインアート系は変化が少ないけどデザイン系は結構幅があるのがわかると思います。

今年はどれくらい多めに合格者を出すかは各大学・各学科で判断バラバラだし、3で説明する「併願率」「併用率」等を踏まえて年によって変わります。
なので「合格者数は毎年常に調整されている数字」と考えてもらった方がいいのです。
(詳しくは改めて書きます)

「合格発表数は定員どおりにして欠員でたら補欠繰り上げする」が一番簡単なやり方なんだけど、あんまり補欠が繰り上がりすぎると「逃げられてる=人気がない」と思われてしまう可能性があるんですね。
どれくらい合格者を多めに出して、補欠を何人にするかってかなり難しく、いろんなデータを見て合格者数は決められており、ある意味大学と受験生との「かけひき」と言えます。

「でも多く入学させちゃってもいいじゃん。倫理的な問題はあっても大学経営上悪いことじゃないでしょ?どーんと合格出しちゃいなよ」と素人考えで思いますが、入学者数上限(超過率)に関する文科省のペナルティがあるから、特に最近は入学定員ぴったりぐらいにならないといけないんです。
なので最近は 「〇〇学科は去年手続き率が悪かったから多めに合格者発表したけど、意外と辞退者が少ないなあ・・あと二人くらい辞退してくれないと困るんだけど・・」という嬉しい悲鳴なケースもは多いようです。

つづくっ!!


以上、明日更新したらちょっとお休みいただきます、の手羽がお送りいたしました。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。