【 #美大受験 2022 】補欠だった方へ【何番まで繰り上がるのか?】

2022年2月26日(金)

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美大受験生の疑問にお答えする恒例の「#美大受験」シリーズをお送りしてます。
#美大受験では、ムサビまたは関東美大の一般入試(AOや推薦入試じゃない入試)を具体例で使うことになりますが、基本的にはどの美大受験にも参考になるはずです。
これまでの話はこちらから▼
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美大に合格した人へ6つのアドバイス その2【リア充で何が悪い】
*間違った情報を書いている可能性もあるので、募集要項等大学公式情報で必ずご確認ください。

 
合格や不合格よりも情報を欲して人が多いはずなのに、情報が少ないのが補欠に関する情報です。
例えばムサビが公式に出してる補欠に関係する情報は、募集要項P23
募集要項|17 補欠判定者に対する繰上合格について
ぐらいで、タマビに至っては募集要項P19に
====
補欠について
補欠者は、前項合否案内サービスにて補欠順位とともに確認ができます。補欠繰り上がりの連絡は2022年3月1日(火)から3月31日(木)までの間に、繰り上がりの対象となった方へ随時連絡いたします。順位は同点の場合、特定の科目等の点数を優先する場合があります
=====

と書いてあるくらい。あとはFAQで少し触れてるかな。

 
恐らく誰もが思ってることは、
そうじゃなくて、例年何番まで繰り上がるのか教えろ!
でしょう。

でもずばり結論を書くと「全くわかりません」なんです。すいません・・。
別に隠してるわけじゃなく、「補欠繰り上げの仕組み」を知れば例年の数字が全く参考にならない情報だとわかってもらえるはずなので、そのあたりを丁寧に書いてみます。
例年補欠繰り上げが始まったタイミングでアップしてるんだけど、ある受験生の動画を見て「早く教えてあげよう」と思って。


以前書いた通り、合格したけど抜けていく人を見込んで合格発表の合格者数は定員よりも多めに出します。年によって学内併願・併用率が違うので、どれくらい多めに合格者を発表するかは当然学科によって違うし、年によっても変わるもの。
「去年の補欠繰上はいっぱい繰り上がったと思ったら今年は数番で止まった」の理由は、もちろん「人気度が変わったから」もありますが、「今年は去年より合格者をたくさん出したから補欠が繰り上がらない」可能性が高いんです。

大学入試は何年もやり方や日程を変えないイメージを持ってる方が意外と多いんだけど、私立大学は過去データを分析し、毎年のように日程の組み合わせ・募集定員・方式・やり方・合格発表数をいじっています。


具体例を出していきましょう。
前にも使った5年間のムサビ一般選抜一般方式合格発表者数推移です。

わざわざ表にする人がいないからわからないだけで、年によってこれくらい合格発表数は変わってるんです。
合格発表数が毎年違うんだから、繰上げ数も毎年変わる。かなり簡単な仕組みです。

「昨年はどれくらい繰り上がったのか?」
「例年どれくらい繰り上がるものなのか?」

という問い合わせが毎年たくさんあるし、ネットでもだいたいはその話題だし、手羽も補欠経験者なので聞きたい気持ちは痛いほどわかるけど、昨年の状況がまったくあてにならない、そもそも「例年」というものが存在しないのが合格発表であり、その典型例が補欠繰上げ数なんですね。

 
それを証明できるのが、タマビ一般選抜一般方式の過去4年の補欠繰上げ数一覧です。

親切なタマビさんはムサビと違って過去の補欠繰上数を公開しています。
ほら、年によって全然違うでしょ?
補欠者が欲しい情報は確実にこれなはず・・だけど、この数字を見たところで読み取れるものが残念ながら全くないんです・・。

状況が毎年全く違うし、毎年適正になるよう修正されてるのが合格発表数だから、「えーと、過去3年の繰上げ数はこうだから平均が●ってことか」「去年はああだったのに●●学科が全然繰り上がらない!」と考えたところで全く意味がなく。

 
例えば、
●同じ学科を一般方式と共通テスト方式の両方受験してる人がどれくらいいるか?(方式併用)
●工デと空デ両方合格した人がどれくらいいて、どちらを選択するのか?(学内併願)
●ムサビ基礎デとタマビ統合デザイン両方合格した人はどちらに行くのか?(他大学併願)

な傾向が年によって異なります。
昔は一般入試は1個しかなかったけど、今は「共通テスト●方式」とかいろんな併用方式が増えたので、更にわけがわからなく・・・動きが読みにくくなってます。

また、「タマグラが第1志望だけど補欠10番で回ってこない、第2志望のムサビ視デは合格」という人がいた場合、ムサビに学費を払い込んだ3月下旬にタマグラ補欠繰り上げが回ってきたら、その人はどうするか。入学金も払ってアパートも決めたから断るか、全部捨ててでもタマグラに行くか・・これは人ぞれぞれ。
相談する相手やその時々によっても変わるはずで、いろいろな事情や経済状況、心情、タイミングの連鎖が関係するのが補欠繰上げ。今年はコロナも直接・間接的に関係するはず。
なので、どれくらい合格者を出して、補欠を発表するかはかなり難しく、ある意味大学と受験生との「かけひき」と言えます。

まとめます。

例えるなら、去年の繰り上がり数を調べるってのは「今日の天気を知りたいから、去年の同じ日の天気予報を見る」ようなもの。でも、天気だと「10月10日は天気の特異日」があるように「統計的に過去10年で見ると・・」と言えなくもない。
「トレンドが関係してて、年々ベストになるよう人の手によって調整されてるもの」という意味では天気より過去のデータが当てになりません。どちらかというと「今日のテレビが何をやってるか知りたいから、去年の同じ日のテレビ欄を見る」が近いかな。
「去年の補欠繰り上げ数」はそれくらいのレベルの数字だと理解していただければ。


例年といえば、情報が少ないせいもあり、補欠は出所がはっきしない不確かな情報が毎年SNSで出回りやすいです。くどいですが、公式情報以外は信じない方がいいっす。
あ、SNSといえば、この美大受験シリーズは毎年アクセスが多いし、年々美大生から「受験時代は手羽さんの記事が参考になりました」と言ってくれる機会が増えてるんだけど、なぜか他の記事よりもSNSであまり拡散されないんです。手羽はこれを「受験生の闇」と呼んでます(笑)


調べても時間がもったいないし、不安な状態で絵を描いても全然ダメなので(手羽がそうだった)、時間がある方は各学科がやってる学外卒展や明日26日からスタートする通称五美大展を見に行ったり、「動きようがない時間」を逆手にとった方がいいですよ。人生でそう経験できる時間じゃないしね。
令和3年度東京五美術大学連合卒業・修了制作展


  • 幹事校の日芸さん、早くイベント詳細発表してくれないかしら・・。

●会期:2022年2月26日(土)-3月5日(土)※ただし3月1日(火)は休館
●開館時間:10:00-18:00(入場は17:30)
●会場:国立新美術館
●参加大学:多摩美術大学 / 女子美術大学 / 東京造形大学 / 日本大学芸術学部 / 武蔵野美術大学


六本木といえば、
視覚伝達デザイン学科 2021年度卒業制作選抜展「shide CONTACT 2022」
●会期:2022年2月24日(木)-3月1日(火)
●時間:11:00-20:00  
●会場:AXISギャラリー他
●入場料無料

もやってます。
 

また、五美大展に合わせてさんぽう主催の美大合同進学相談会を国立新美術館の近くでやってます。
アート×デザイン×クリエイティブ進学フェア六本木会場
●日時:2022年2月26日(土)13:00-16:30
●会場:六本木ヒルズ・ハリウッドホール
*事前予約制

東京五美大は全部参加します。既に予約は終わってしまいましたが当日14時から様子を見ながら受付再開するそうです。


以上、私も会場にいるのでムサビ抜きにいろいろ相談にのりますよ、の手羽がお送りいたしました。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。