【 #美大受験 2022 】美大に合格した人へ6つのアドバイス その2【リア充で何が悪い】

2022年2月21日(月)

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美大受験生の疑問にお答えする恒例の「#美大受験」シリーズをお送りしてます。
#美大受験では、ムサビまたは関東美大の一般入試(AOや推薦入試じゃない入試)を具体例で使うことになりますが、基本的にはどの美大受験にも参考になるはずです。
これまでの話はこちらから▼
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美大に合格した人へ6つのアドバイス その1【動いてる人は動いてる】
*間違った情報を書いている可能性もあるので、募集要項等大学公式情報で必ずご確認ください。
 


前回から合格された方へのアドバイスをお送りしてます。

■大学を少しだけ信じてみよう
「憧れの美大に入ったけど、思ってたより刺激がない」と感じるのは、もしかしたら、もしかしてだけど、あなたのアンテナが弱いせいかもしれません。
例えば、

公開講座 2017「Creative Innovation」に登壇してもらった濱口秀司さん。
「日本初の企業内イントラネットの共同考案・構築」「USBフラッシュメモリーのコンセプトを世界で初めて考案した人」で、いやらしい話、濱口さんの外の講演は参加費7万円でも100席ぐらいは軽く満席になります。(手羽が今まで聞いたプレゼンの中で確実にTOP3に入る面白さでした)

公開講座 2018「Creative Innovation」に登壇してもらった山口周さんは、もうあちこちに引っ張りだこになってますね。

公開講座2019「スタートアップにとってのデザインとアートの意味」に登壇された孫泰蔵さんは世界を代表する連続起業家であり、IT 関連スタートアップを多く成功させた投資家で、「お金を出してでも孫さんの前でプレゼンしたい」という人が日本にどれだけいることか。
でも、多くの美大生や美大関係者にしてみれば、美大カテゴリーとは少し違う人たちだから「濱口?!誰それ?!」「孫泰蔵?!」なはず。(山口さんは業界で有名になっちゃったけど)

教授たちが「この人の話を学生さんたちに聞かせたい!」と呼んだ人たちなんだから、名前を知らないからといって、課外講座などに参加しないのはちともったいない。

2021年9月9日の油絵学科主催課外講座に

油絵学科出身で今注目されてるアーティスト・加藤翼さんが登壇してくれました。
ちょうどオペラシティで個展が開かれてる時だったから「おお!油絵学科はこのグッドタイミングで加藤くんを引っ張ってきたか!袴田先生、ナイス!」と興奮したけど、はたして大学1、2年生が「加藤翼」という名前をどれくらい知ってたか。
「あなたのアンテナが弱くて名前を知らないだけなのかもしれない」とはこういうことです。
・・と、偉そうに書いてるけど、手羽美★記事に日本画や建築系の話題が少ないのは、手羽がそっち方面に興味が薄いからで、言うのは簡単だけど「まんべんなく興味を持つ」ってのは難しいんだけどね。


「やらない・やれない・やりたくない」は本人判断だからまだいいんだけど、これだけいろんな手段でアナウンスしてるのに「知らなかった」という人にはどうしたらいいのか・・・これが私たちの永遠の課題でもあります。

大学側の情報発信方法がもちろん関係してるけど、「知らなかった」という人の多くが『大学は何もやってくれないもの』というフィルターが入ってしまってる可能性が高く。ネットで時々沸き起こる美大批判も「うーん、この人は自分が経験した20年前ぐらいの美大イメージから抜け出せてないなあ。今は違うんだけどなあ」と思いながら読むことが多いです。
大学のことが嫌いでもいいので大学に興味を持つ、30年前ぐらいに構築された「大学・美大のイメージ」を少し外す、「もしかしたら大学はいろいろやってくれてるかもしれない」と少し思ってみる、つまり大学にアンテナを張ると、きっと自分にとっていいことが起きるはずです。

いい例がこれかな。

東京藝術大学の大学広報誌『藝える』の最新第9号の特集テーマは「相談しよう」なんですね。教員が学生さんの悩みを聞いたり、キャリア支援のことや女性キャリアデザインの話が書かれてます。

大学なんだから当然な話なんだけど、手羽と同じ世代の人は「え。東京藝大が学生の悩みを聞いたりするんだ」と思いませんでした?すいません、手羽は2秒ぐらいそう思いました・・。
少なくとも20年前だったらありえなかった話だし、「キャリア支援」という概念も東京藝大には無かったはず。
国立の東京藝大がどんどん変わってきてるんで、私立大はもっと早いペースで変化しないといけないのです。
 

何を隠そう手羽は1,2年時は自分から何にも動いてなかったから(出席だけ取ったらトットと帰ってた)、「何も起きないなあ。ムサビはクソだな」と思ってた人間でした(実話)
彫刻を面白く感じるようになったのは3年生からで、卒業して職員になって「こんなにいろんな人が授業外で活動してたのか」「そんな人まで課外講座の講師で来てくれてたの?」「大学っていろいろやってあげてたのね」「教授は授業以外も学生さんのために動いてたんだな・・・」と気がつきました。
「そのことに早く学生さんに気が付いてほしい。知らせたい」ってのが今の手羽のモチベーションにつながってるのかもしれません。


まとめに入っていきます。
■美大はリア充じゃないともったいない。


  • 東工大×ムサビ合同ワークショップ2019より。コロナで2年間中止になったから今年はやりたいなあ

「リア充」って何もしてない人側からの視点になってて、ちゃんとやってる人をバカにしてる感じがしません?リア充という言葉のせいで動きにくくなってるし「なんか、これリア充っぽいですね。てへへ」って照れてみたり。
「美大生はみんなリア充ですよ。なんかそれが問題あんの?なんでそっちのやらない人側のペースに美大生も合わせなくちゃいけないの?」と思ってます。


ただ、
■やりすぎはNG
いろいろやりすぎてキャパを越えてしまう人もチラホラいます。なんでもそうですが、自分のキャパや体調をみながらやりすぎない程度にね。いい意味で「入学時のほどほどのやる気をできるだけ長くキープすること」が大学生活ではすんごく重要だったりします。
また、いろいろやりすぎて「授業や課題を取るか、サークルを取るか、バイトを取るか、恋人を取るか、友達コミュニティを取るか」な選択に迫られた時に真っ先に選択肢から外しがちなのが面倒な「授業や課題」です。
これじゃ本末転倒で、授業・課題は譲らず、それで残った時間や体力でできることを考えた方がいいです。


以上、なんてことは言うは易しで、サークルや恋人を取った方がいいシーンもあるのが学生生活の楽しさだけどね、の手羽がお送りいたしました。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。