美大受験生の疑問にお答えする「＃美大受験」シリーズをお送りしています。

#美大受験 では、ムサビ、または関東美大の一般受験入試（AOや推薦入試じゃない）を具体例で使ってますが、基本的な部分はどの美大受験にも参考になると思います。
これまでの話はこちら。
■手羽オススメの美大・美術予備校漫画はこれだ！
■東京五美大2019一般入試スケジュールと受験生にアドバイス
■交通に関する９つのアドバイス
■東京4美大2019年度一般入試志願者数（確定版）から言える１つのアドバイス
■美大入試で必要な持ち物に関する６つのアドバイス
■美大実技試験に関するたった１つのアドバイス
■美大の学科試験に関するたった１つのアドバイス
■入試日朝に中央線が止まった。さあ、どうする？
■「倍率」は全然参考にならないって話 １
■雪の日の対策は？
■「倍率」は全然参考にならないって話 ２
■「倍率」は全然参考にならないって話 ３


昨日のタマビで東京五美大の一般入試が一段落し、受験生は藝大入試へ気持ちを切り替えてる頃じゃないかと。
そして昨日多くの国公立大学が志願者数確定版を公開したので、主な国公立芸術系大学の志願者数推移表を作ってみました。

各大学が発表してるデータには過去志願者数が入ってないんで、勝手に2-４年分を追加した、いつものおせっかいな手羽オリジナル版。前年度比較だけじゃわからないんですよね。
ほんとに手羽が一人でチマチマ調べて作った表なので間違っている可能性が高いです。必ず正しい数値については公式サイトでご確認ください。
拡散してもらうのも嬉しいけど、個人的には間違いがないかチェックしてくれるとすごくありがたいです・・。


まずはなんといっても東京藝術大学でしょ。

これまで書いてきたとおり、私立美大が発表してる「志願者数」は、併願や様々な入試制度、新学科設置によるご祝儀数などの「見た目受験者数」「見た目倍率」なので、実はあまり参考になりません。また他大学の入試日程の関係なども絡むと、年によって増えた減ったが結構出ます。

裏を返すと、私立美大は受験生が減った理由を「他大学の日程とかぶった」「地元志向が強くなった」「入試制度に目新しさがなくなった」「ブランド力が下がってる」「今は景気が」「今年はセンター試験が」「あっちには有名教員が」「建物が古くなった」「併願率が」「オープンキャンパスを頑張ったからまだこの数字」といろいろ「言い訳」をつけることができちゃうと。

なので、「学費が安く」「ほとんどオープンキャンパスや相談会、入試広報をやっていない」「併願も多様な入試方式もほぼない」「歩留まり率ほぼ100％」「日本全国でのブランド力が高い」な東京藝術大学の美術学部志願者数は、「藝大の志願者数」というより「東京志向がある素の美術希望者実数（とそれを応援する親の数）」と考えることができるのです。

また、定員の変更もあまりなく、学科の分類も「絵画」「彫刻」「デザイン」「工芸」「建築」「先端芸術」「芸術学」と他美大と比較しやすいカテゴリー分けになっているので、手っ取り早く現在の美大の状況がわかるんですね。

今年はこういう結果になりました。

110名減です。
ここまで藝大が一気に数字を減らしたのは2015年度入試以来なので、「えっ」と何度も数字が合ってるか確認しちゃった。

東京私立美大との違いは
・ファインアートと建築系が減ってる
・芸術学系が増えた
かな。特に「油画が1000人を切って930人台になった」「志願者2800人」ってのは数字としてインパクトがかなりあり、美大関係者はいろいろ思うところがあるんじゃないでしょうか。

「東京藝大入るには4浪5浪が当たり前」「倍率50倍」と20年前のデータ（印象）が今でも一人歩きしてるのが藝大でもあって、ちゃんとデータは出てるのにそれを見てない人が多いんですよね。そういう人はこの数字と倍率を見たらびっくりしちゃうんじゃないかな。建築なんて4.4倍ですから。
・・・とはいっても、未だに絵画17倍はすごいけど。


次に国公立五芸大のうち４大学を見てみましょう。

金沢美術工芸大はほとんど変化がなく傾向も東京私立美大と同じような感じですが、他は約10%減ってて、東京藝大と動向が似てる気がします。


その他の手羽が気になる公立系大学はこちら。

静岡文化芸術大がかなり数字を上げています。
逆に手羽が11月に訪問した富山大芸術文化学部の減り方がちょっと気になりますね。2018年から入試方式が変わってるので手羽のカウントの仕方があってるか自信ないけど。
その他は誤算の範囲でしょうか。

誰か分析してください・・。