【 #美大受験 2019】「倍率」は全然参考にならないって話 3

2019年2月12日(火)

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美大受験生の疑問にお答えする「#美大受験」シリーズをお送りしています。

#美大受験 では、ムサビ、または関東美大の一般受験入試(AOや推薦入試じゃない)を具体例で使ってますが、基本的な部分はどの美大受験にも参考になると思います。
これまでの話はこちら。
手羽オススメの美大・美術予備校漫画はこれだ!
東京五美大2019一般入試スケジュールと受験生にアドバイス
交通に関する9つのアドバイス
東京4美大2019年度一般入試志願者数(確定版)から言える1つのアドバイス
美大入試で必要な持ち物に関する6つのアドバイス
美大実技試験に関するたった1つのアドバイス
美大の学科試験に関するたった1つのアドバイス
入試日朝に中央線が止まった。さあ、どうする?
「倍率」は全然参考にならないって話 1
雪の日の対策は?
「倍率」は全然参考にならないって話 2


「去年と今年の受験者数・倍率比較ほど信用できないものはない」という話の完結編です。

 
まとめてみましょう。
●志願者数を定員で割った数字=志願倍率
●志願者から欠席者を引いた数(受験者数)を定員で割った数字=受験倍率
●受験者数を合格発表数で割った数字=合格倍率
●受験者数を合格発表数+補欠繰上げ数(入学決定数)で割った数字=実質合格倍率(入学倍率)
●実志願者数(実数)を総入学定員で割った数字=実数倍率(非公開が多い)


倍率は母数を何にするか(何を見たいか)で変わり、さらに呼び方は様々あるので「うちは違う言葉使ってるよ」があると思いますが、この場ではこれくらいの「倍率」があることだけ把握してもらえれば。

では、皆さんが理解したか問題を出します。

■問題:
手羽美術大学★の造形創造未来デザイン学部クリエイティブインタラクション学科は入学定員150名で受験者数300名です。さて倍率はいくつですか?



正解は「これだけじゃわかりません。問題不成立」です(笑)
細かいデータを見ていきましょう。

1学年の定員は150名だけど、AOや推薦入試で既に100名は決定しており、一般入試の募集人員は50名。
そのうち一般入試[一般方式]の定員が30名だとしたら志願倍率は10倍。
でも、実際に試験を受けたのが280名だったら受験倍率は9.3倍になり、辞退する人数も想定して発表した合格者数が50名だったら合格倍率は5.6倍。そして最終的に補欠繰上げが5番まで回ると実質合格倍率は5.1倍程度になる、と。

ここで忘れちゃいけないのが、昔と違って今の美大一般入試には[センター方式]もあるってこと。

センター方式の定員は少ないのでどうしても志願倍率は一般方式より高めにでます。
ただ、多くの受験生が一般方式とセンター方式を併用してるので、合格者もダブってる可能性が高く、フタを開けてみると実質合格倍率はセンター方式の方が低かったりします。
また、去年と募集人員が違ってたり、併願・併用の傾向が違えば補欠繰り上げの数も変わるので「去年補欠は●番まで上がった」も全く参考にならなかったりする、と。


ちょっと脱線しますが。

ここまで紹介した「数字のマジック」が理解できると、よく言われてる「私立大学の約4割が定員割れしてる」という言葉をそのまま信じちゃいけないこともわかってもらえるんじゃないかしら。
日本私立学校振興・共済事業団が出してる
平成30(2018年)年度 私立大学・短期大学等入学志願動向
をご覧ください。5ページに「規模別の入学定員充足率」が出てます。

入学定員充足率とは「入学者÷入学定員」のことで、これが100を切ると定員割れってこと。
400人未満の大学の平均は100%以下、つまり定員割れしてるけど、400人以上の大学は100%以上、つまり定員超過してることが多い。
「中規模・大規模校はほとんど定員割れしてないが、小規模校の多くが厳しい」のをぜーんぶひっくるめて計算すると「私立大学の4割が定員割れしてる」なショッキングな説明になる、と。
例えるなら「受験倍率が3倍」は、イメージ的に「くじ引きのように3人に1人チャンスがある」ように見えるけど「上位3分の1しか合格できない」みたいなもの。

もちろん、定員充足してる400人未満の大学もあるので、このデータもあくまで「傾向」を見るためのデータですが、これを知らないと「入学定員を増やした」というニュースを聞いて、「え。18歳人口が減って約半数が定員割れしてる時代に??バカじゃないの?」と思ってしまうんですが、中規模・大規模校であれば全然普通に考えられる戦略なのです。


つまり、何がいいたいかっていうと。
倍率が高いからといって嘆く必要もないけど、倍率が低いからといって楽観視する必要もない。
繰り返しになりますが、倍率とかデータとか去年の補欠繰り上げ数とか周りのこととか気にしても仕方なく、精神論ではなくほんとに「自分はベスト尽くしてやるしかない」ってことなのです。
そのために直前にできることは「体調管理」で、最初のアドバイスに戻る、と。

今日はタマビ学科試験B日程。タマビ受験生もスタッフももう少し!


以上、ムサビは昨日学部入試が終わって、関係者の皆さんお疲れ様でした!の手羽がお送りいたしました。今日から片付けや打ち上げですね。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹と西原理恵子とみうらじゅんと羽海野チカと銀魂と合体ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し日夜奮闘中