美大受験生へのアドバイスをお答えする恒例の「#美大受験」シリーズ。
#美大受験 では、ムサビまたは関東美大の一般選抜を具体例で使ってますが、基本的にはどの美大受験にも参考になるはずです。
これまでの話はこちらから▼
■東京4美大2026入試日程から言えるたった1つのアドバイス
■美大入試で家を出る前に絶対確認したい3つのこと(試験日時編)
■美大入試で家を出る前に絶対確認したい3つのこと(場所・会場編)
■美大入試で家を出る前に絶対確認したい3つのこと(持ち物・携行用具編1)
■美大入試で家を出る前に絶対確認したい3つのこと(持ち物・携行用具編2)
■ムサビ実技試験で絶対に絶対に忘れちゃいけないものがある
■雪や電車遅延で遅刻しそうな場合はどうすればいいのか? #1分でも遅刻するとダメなの? #遅延証明書や事前連絡は必要?
■美大実技試験当日でも確実に点数を上げられるたった1つのアドバイス
■2月8日(日)入学試験開始時間の繰り下げについて考える
■学科試験直前に聞いても役に立つアドバイスを1つだけ
■2026年度東京4美大一般選抜志願者数から言えるたった1つのアドバイス
*間違った情報を書いている可能性もあるので、募集要項等大学公式情報で必ずご確認ください。
今日2月24日(火)は11時からムサビ、13時からタマビの合格発表があります。
なので、合格・不合格・補欠の方へのアドバイスをシリーズで書いていきましょう。
最初は合格者の方に。
まずは、合格おめでとうございます!!
でも、合格された方の悩みってのもあるもので、多いのはこの7つじゃないかな。
1.現役で受かったけど、ついていけるか?
2.学科試験のみ入試で受かったけど、大丈夫なのか?
3.両方合格したけど、どっちに行こうか?
4.第1志望は不合格、第2志望に合格した場合どうするか?
5.国公立と私立、東京と地方、海外、どこがいいか?
6.人とのコミュニケーションが苦手だけどやっていけるか?
7.入学式は何を着ていけばいいか?
それぞれにあくまでも手羽の個人的な考えとして書いていきます。
1.現役で受かってしまったけど、ついていけるだろうか?
手羽も現役でムサビ彫刻学科に入学しましたが、同級生に2浪・3浪・4浪がまだゴロゴロいる時代で、現役生は30人中5人ぐらいしかいませんでした。
実は手羽は油絵学科が第1希望だったんで彫刻の勉強は全くしてなかったんですよ。
ぶっちゃけ入学するまで水粘土で作品を作ったことも触ったこともなく。むしろどっちかといえば立体は興味がないというか苦手な方で、学科の点数と、たまたまその年からスタートしたモデルデッサンで受かったような状態で・・。
なので最初はかなり苦労しました。
でもなんとかやれるもんで、3ヶ月もすれば現役も浪人も関係なくなるし、3年の時には彫刻の面白さがわかり、卒業する頃には菊練りができるようになったし、溶接資格も取りました。
・・・というか、そもそも「現役で入ってもやっていけるか?」って悩みは、美大マンガの見すぎですね(笑)
まずはこちらのデータをご覧ください。
タマビ、ムサビ、東京造形大の合格者の現役比率です。
旺文社さんのデータなので大学が出してる数字と少し違うからあくまでも参考にしてほしいのですが、合格者データで見ると、7割近くが現役生なんです。
なおかつこれは一般選抜のデータであって、総合型選抜はほぼ100%現役生だから、全体でみるともっと現役生の割合が高くなるはず。
次に東京藝大。
最近は現役率を公開してないので(どこかにあったら教えて)、2023年大学案内に出てるデータになりますが、
よく「東京藝大に合格するには4浪、5浪当たり前」と言われてるけど、現役と1浪を足すと実は5割を超えるんです。2浪も入れれば7割超えます。あの東京藝大でも。
もちろん学科で倍率は全然違って油画を目指すとそれなりの覚悟がいるけど、数字上では東京藝大入るのに(東京藝大のブランドを得るのに)「4浪5浪は当たり前」は過去の話なんですね。
こういうデータを見ずにそれが現状のようにいまだに語られているだけ。
そして、これは芸術系大学独特の判断基準とも言えますが、採点者は「実技力はまだ低いけど、この人は”何か”持ってる(伸びしろがある)」と高評価にすることがよくあるんです。一般大学の入試では絶対にありえない話(笑)
それがはっきりと書かれてるのが入学試験問題集にある「評価のポイント」です。
ムサビの油絵学科油絵専攻のページを見てみましょ。
「描き込むことの面白さやそこから感じられる絵を描く熱意のようなものが、高く評価されたように感じられた」とあります。
次に日本画学科。
「入学後には日本画において必ず向き合うことになる和紙の素材に対して、各自がどのように興味を持って描写するのかを見たかった」と書かれています。
入試である以上「基礎実技力点」は存在しますが、採点者は「熱意」や「興味」も加味してるんですよ。
実技試験ではテクニック以外の部分も見ているから、あなたの「何か」に教員は魅かれた可能性があり、教員が感じるこの「何か」の違いが各大学・各学科の違いでもあり、「何故実技がめっちゃ上手な浪人生じゃなく、現役のあなたが高評価だったか」を考えてほしいな、と。
自信を持ってください。
2.学科試験のみ入試で受かったけど、大丈夫だろうか?
「自分は絵の勉強をほとんどしていないから入ってから怖い」と臆する人がいるけど、実技試験で入ってきた人とは違う能力を持ってる人もその学科には必要だから、学力試験のみ入試をやっています。
「絵が得意のやつらを下に使ってやる」ぐらいの意識でもいいし、「やっぱり実技力があった方が強いなあ」と感じたら大学に入ってから頑張ればいいだけの話で。
ちなみに相談会では「基礎デザイン学科は50年前から学科試験のみ入試をやってます」と伝えています。
「受験生が減って困ってるから学科試験のみ入試を始めてる」という人もいますが、最近始めた制度じゃなく基礎デやデ情なんかは設立当時からやってるんですよ。このやり方に問題があればとっくにやめてますって(笑)
今のデザイナーや作家に求められてる「フラットに物事を考える力」「課題発見力」は実は現役生や学科試験で合格された人の方が高いかもしれないし、学生さん自身がそれを強みと気が付くかどうか。
ちなみに最近は総合型や学科試験のみ合格で実技力の不安な方が美術予備校の春期講習などに通うケースもボチボチでてきてます。デッサンで得られる観察力や構図力は無いよりあった方がいいので、どうしても不安な人はそういう手もありますよ。
続くっ!!
【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。