美大に合格した人の4つの悩みに答えます【現役でもついていけるか?】

2023年3月6日(月)

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東京藝大の多くの一次発表が今日なので、ぼちぼち進路が絞られてきた頃じゃないでしょうか。 
合格された方の悩みで多いのはこの4つじゃないかな。
1.現役で受かったけど、ついていけるだろうか?
2.両方合格したけど、どっちに行こうか?
3.学科試験のみ入試で合格したけど、入学して実技についていけるか?
4.入学式は何を着ていけばいいか?

それぞれにあくまでも手羽の個人的な考えとして答えていきます。
 

1.現役で受かったけど、ついていけるだろうか?
手羽も現役でムサビ彫刻学科に入学しましたが、当時は浪人が当たり前、同級生に2浪・3浪がゴロゴロいる時代で、現役生は30人中5人ぐらいしかいませんでした。
しかも、実は油絵学科が第1希望だったから彫刻の勉強は全くしてなかったんです。ぶっちゃけ入学するまで水粘土で作品を作ったことも触ったこともなく。むしろどっちかといえば立体は興味がないというか苦手な方で、学科の点数と、たまたまその年からスタートしたモデルデッサンで受かったような感じで。
なので最初はかなり苦労しました。でもなんとかやれるもんで、3ヶ月もすれば現役も浪人も関係なくなるし、3年の時には彫刻の面白さがわかり、卒業する時には菊練りができるようになったし、溶接資格も取りました。

・・・というか、そもそも「現役で入ってもやっていけるか?」って悩みは、美大マンガの見すぎですね(笑)
こちらのデータをご覧ください。
東京藝大、タマビ、東京造形大・東北芸工大・ムサビの合格者の現役比率です。

合格者データで見ると、タマビ・ムサビは6割以上、東京造形大は7割、東北芸工大にいたっては8割以上が現役生なんです。
なおかつこれは一般選抜のデータであって、推薦入試はほぼ100%現役生だから、全体でみるともっと現役生の割合が高くなるはず。
 
さすがに東京藝大は現役率20%と他美大に比べて低いです。
ただ、よく「4浪、5浪当たり前」と言われてますが、今度はこちらのデータをご覧ください。
東京藝大美術学部の志願者/入学者の卒業年度です。

現役と1浪を足すと実は5割を超えるんです。2浪も入れれば7割超えます。あの東京藝大でも。
もちろん学科で倍率は全然違いますが、数字上では東京藝大入るのに(藝大のブランドを得るのに)「4浪5浪は当たり前」はもうとっくに過去の話なんですね。こういうデータを見ずにそれが現状のようにいまだに語られているだけ。
 
これは芸術系大学独特の判断基準とも言えますが、採点者は「実技力はまだ低いけど、この人の絵は”何か”持ってる(伸びしろがある)」と高評価にすることがよくあるんです。一般大学の入試では絶対にありえません(笑)
基礎点部分はどの大学もそんなに変わらないと思うけど、その違いが各大学・各学科の違いでもあるわけで、「何故実技がこなれた浪人生じゃなく、現役のあなたの実技力や学科力が高評価だったか」を考えてほしいな、と。

浪人生はデッサン第1主義になりがちで、もちろんアウトプット力は大事なんだけど、今のデザイナーや作家に求められてる「フラットに物事を考える力」は実は現役生の方が高いかもしれません。
もちろん本人の頑張り次第ですが、入学してから現役生の強みを生かせばいいだけです。
 

続くっ!

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。