美大受験生の疑問にお答えする恒例の「#美大受験」シリーズをお送りしてます。

#美大受験では、ムサビまたは関東美大の一般選抜を具体例で使ってますが、基本的にはどの美大受験にも参考になるはずです。
これまでの話はこちらから▼
■東京五美大2023入試カレンダーからわかるたった1つのアドバイス
■ムサビの実技試験で絶対に忘れちゃいけないものを１つ断言します
■美大実技試験直前での効果的なたった１つのアドバイス
■美大入試で家を出る前に確認すべき情報と持ち物は？
■学科試験前日に聞いても役に立つアドバイスを１つだけ
■2023年度東京4美大一般選抜志願者数から言えるたった１つのアドバイス
■【番外編】ChatGPTにムサビとタマビ、どっちがいいか聞いてみた
＊間違った情報を書いている可能性もあるので、募集要項等大学公式情報で必ずご確認ください。
　

今日は東京造形とムサビの一般選抜最終日。

今日行われるムサビ彫刻学科のデッサン試験は、ここだけの秘密・・モデルか石膏像が出ます！


・・え。言っていいのかって？
大丈夫。ちゃんと募集要項に書いてあるんです（笑）

事前にモチーフを知らせる大学もあって、例えば成安造形大さんは総合型選抜のモチーフを事前に細かく公表しています。
ムサビでモチーフをはっきりと書いてるのは彫刻学科だけですね。
　
ただ、少し変更点があって、

去年は「男性セミヌード」だったけど、今年は「人物静止ポーズ」になってます。
これ結構なポイントで、男性か女性か、セミヌードか着衣か、もしくはヌードかはわからなくなったてことなんですよ。
↓こちらは昨年度の参考作品。

ちなみに彫刻学科は数年前までムービング（モデルさんが試験中ずっと動いてる）だったり塑造もありましたが、今はデッサンのみです。
　

　
ところで、よく入試デッサンで自画像や手を描くことがありますが、それがなぜか知ってます？
理由はいくつかありますが、２つだけ紹介すると、ひとつはモチーフ代がかからないから（笑）

で、もうひとつは「毎日一番見てるモチーフだから」です。
デッサンって「描くこと」と思われがちですが、実は「観察」なんですよね。バランスからしたら観察の方が大きいかもしれません。
手や顔を一度も見ない日は多分ないはずで（顔はあるかな？）、普段から見慣れてるものを「ちゃんと見ているか。気が付いてるか」を知るのに手や顔はちょうどいいんです。
　

突然ですが、グーにした時に指はどこから曲がると思いますか？

実は指の根本ではなく、関節で曲がるんです。

ほら。
自分の手でやってみた方が驚きますよ。
掌の指の根本の線って、あれはダミートラップなんです（笑）
本当はもっと下、感情線・頭脳線で曲がるんですよ。
びっくりでしょ？手羽は最初にこれを知ったときはほんとに感動しました。

知識としては「関節で曲がるのは当たり前だろ（苦笑）」だけど、絵にするとダミートラップのせいで根本で曲がる指を描いちゃう。こんなに毎日いつも見てる手なのに、デッサンで「観察」するまでは気が付かなったんですよね。思い込みだけで描いてて、いかにちゃんと見てないか、いかにちゃんと表現していなかったか。

人間って結構ちゃんと見てるようでいて見ていないことが多いです。
例えばひとつの影の中にも「明るい」「暗い」があるとか、手羽はデッサン習うまで気が付きませんでした。いや、わかっているのかもしれないけど、「絵で描け」と言われたら（アニメの影響か）何も考えずに黒一色でベタっとつい塗ってしまいますよね。
「ひとつの影の中にも明暗がある」と言語化・・じゃなくて造形言語化し気が付くことができたのは、デッサンでの観察によるものが大きいです。
「輪郭線は実在しない」も、当たり前のことなんだけど、デッサンを習って、最初に気が付くことのひとつ。

思い込みを捨て、ちゃんと観察し、それをちゃんと表現する。
マーケティングで「オブザベーション（行動観察調査）」ってあるけど、まさにデッサンってオブザベーションなんです。

「初心のあの感動を思い出して、まずはじっくり見よう。また何か新しい発見があったら嬉しいよね」が美大受験2023の最後のアドバイスです。
さ、ラストスパート！！受験生もスタッフもがんばれ！

　
あ。ラストスパートですが、タマビとムサビから同じようなアナウンスが流れています。
まずはタマビ。

　
次にムサビ。

どうぞご協力よろしくお願いいたします。
「ちゃんと見てなかった」とは言わせませんよ（笑）
　
　
以上、美大受験シリーズはもう少し続きますが、ムサビ入試が終わるのでペースを落とします、の手羽がお送りいたしました。