【今ここにある危機とぼくの好感度について】大学広報ブログの書き方4

2021年4月20日(火)

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久しぶりの新大学広報ブログである京都精華大学広報ブログ「セイカセカイ」スタート記念、そして手羽美術大学★6年目突入を記念して「広報ブログの書き方」をシリーズで書いてます。
これまでの話はこちら。
大学広報ブログの書き方0
大学広報ブログの書き方1【目指すはバロムクロス】
【京都精華ブログを勝手に添削】大学広報ブログの書き方2
【正しい情報は必要な情報ではない】大学広報ブログの書き方3

ここから「大学広報ブログを書く時はこういうことに注意しろ!」的な説教ブログを書くつもりだったんだけど、ある本を購入したら「ああ。これに全部書いてあるわ。自分がやる必要ないな」とわかってしまいまして。

その本が何かというと、
世界のエリートは大事にしないが、普通の人にはそこそこ役立つビジネス書

ウェブサイト「デイリーポータルZ」、通称DPZの編集長である林雄司さんの本です。

「手羽が目標にしてる人物はDPZの林さん」と以前書きましたが、
二子玉川へuwabamiキャラストレーションとwebメディアびっくりセールに行ってきた
このイベントでリアル林さんをお見掛けしたりもしてるけど、緊張して声をかけることができませんでした。
記事をいつも読んでるのに本を一冊も持ってないことに気が付き、試しに「世界のエリートは大事にしないが、普通の人にはそこそこ役立つビジネス書」・・・長いので以降「そこビジ」と書きます・・を購入したら、ここに手羽が言いたいことが全部書かれてあった。

 
DPZの編集長が書いた本だから、普通のビジネス書のわけがありません(笑)
「なるべくラクして仕事したい」「プレゼンを適当に乗り切りたい」「ネットで炎上したくない」人に贈る77の裏技メソッドが書かれていて、「かっこいいビジネス用語を駆使する」とか手羽好みの内容も出てくるんだけど、長年ネットメディアを扱ってきた林さんが「どういう点に気を付けながら情報を発信してきたか」を書いてる本なんです。

いくつかそこビジに出てくる項目を紹介します。
「公私混同しないと本気にならない」
ネットメディアは時間も場所も制限がないので、よく言えばどこでも発信できる気楽さがあるし、悪く言えば仕事と趣味の区別がしにくくなります。手羽がいい例(笑)
服務的には公私をはっきり分けないといけないのだけど、それができにくいのが広報SNS業務であり、いつも問題になるのが「広報ブログの取材時間、書く時間は業務にしていいのか?」です。
業務命令で書いてるのであれば当然仕事にするべきだし、上司が「ブログなんてサラっと書けるよね?それで残業?」と言ったら「じゃお前が書け!」と言ってやればいいけど、正直SNSは公私混同しないと書けないし、公私混同するぐらいのやる気がないと続かないんですよね。あ、「公私混同しろ」とは言ってませんので念のため。

「記事には情報か共感があればいい」
工作モノ記事では、うまく作れたら「情報」になるが、失敗して苦悩してる姿は共感が生まれ「読み物」になる、と書かれてます。

手羽記事だとなんだろ、これかな。
人間としての尊厳とは

トイレットペーパーが一発で買えてれば「このスーパーで売ってます」な「情報」だけど、買えてないから読み物にになってます。

手羽も公式サイトは「情報」で、ブログやSNSは「読み物」であるべきだと思っているので、「大学広報ブログの書き方3」でも書いたとおり、「正しい情報」じゃないとダメとも思ってないし、むしろきれいにまとまらない方が面白かったりするんですよね。(「オチはなくてもいい」とも書かれてます)


「インプットはアウトプットに引きずられる」
「発表しなければならない」という状況がネタ探しの原動力になっている、という話。
「手羽さんはあちこち行って行動力が凄いですね」とよく言われるんですが、手羽は根っからのインドア派でして。
「ああ。なんか記事書かなくちゃいけない」と思うから出かけてるだけで、ブログ書いてなければ、
【Go To 京都シリーズ5】QUESTION OPEN WEEK Day4「事業を通じて生み出すコミュニティ」に行ってきた

たったこれだけのためにわざわざ京都に行こうと思ったりせず、家で漫画読んでますって。
たまたまそれが美大のことを勉強するきっかけになってるぐらいで、人間なんてそんなもん。意欲だけでは行動はしない(笑)

裏を返すと、広報の人がブログをやる意味ってそこにあるのかもしれません。
例えば、昨日の多摩美術大学ニュースまとめ20210419で紹介した
若手女優の登竜門「ポカリスエット」新CMに15歳の中島セナ CGなしの超大型“動く”セット爆走で綾瀬はるか、川口春奈に続く

で、「監督の柳沢翔さんはタマビ油画卒」とサラっと書いてるけど、この記事の中に「タマビ卒」と出てくるわけでもないし、事前に手羽が知ってたわけじゃありません。
「美大に関連した記事を2週間に一度書かなくちゃいけない」→「アンテナを張って収集する」→「気になるこのCM、誰が作ったんだろ?」→「どこ出身だろ?」で調べて、「あ。ムサビ卒じゃなくてタマビ卒か(涙)」とわかっただけで。
広報では大学名をエゴサして大学の情報を収集してると思いますが、それだけでは絶対にたどり着けないルートで、これも「インプットはアウトプットに引きずられる」からこそわかったこと。

「続くことが大事」
過去記事が検索エンジンに引っかかるようになるには時間がかかります。ウェブメディアは半年ぐらいやってみないと結果が見えてこないと言われてるし、バズりもさせずニッチな内容を地味に書き続けてきた手羽の体感だと、1年・・いや、3年ぐらいやって「なんか読まれるようになってきたかなあ・・」と思うようになりました。これはムサビ日記の時も手羽美★の時も。
でも広報SNSは担当者が変わったら辞めちゃうことが多いんですよ。せめてアカウントをそのまま使った方がフォロワーさんを引き継げるのに毎年のように新しいアカウントを作ってゼロにしてる。
サイト、特にSNSやブログは長く続けた方が有利になるし、続けないと意味がないんです。

じゃ、長く続けるコツは何かというと「続けるためにやめない」に尽きるだそうで、いやー、ほんと真理しか書かれてない。

他にも
「アイデアは降りてこないと自覚する」
「常に機嫌よくいる」
「面白さのキーワードは『近さ』」

等々このままいくと本を全部引用しちゃいそうなんで、これくらいにしますが、大学広報SNSやブログをやってる人、特に責任者・編集長は読んだ方がいいです。


以上、なんでこのタイミングでこんな記事をシリーズで書いてるかというと、いよいよ今週末がこれの放送日だからに決まってるでしょ、の手羽がお送りいたしました。
今ここにある危機とぼくの好感度について

●NHK総合 2021年4月24日(土)~ 毎週土曜 よる9時から9時49分 ※5月15日(土)は休止
●BS4K 2021年4月30日(金)~ 毎週金曜 午後6時から6時49分 ※5月21日(金)は休止

恐らく大学広報マンを主人公とした初のドラマで、PR動画も公開されました。
「大学広報」を連発してたらヒットしやすくなるかな、と。
追手門の谷ノ内さんもこのタイミングで記事を書いてます(笑)
「大学広報」がNHKドラマ化。「ほぼ神崎真」が見た「大学広報」とは。 | OTEMON VIEW

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。