【Go To 京都シリーズ5】QUESTION OPEN WEEK Day4「事業を通じて生み出すコミュニティ」に行ってきた

2020年11月13日(金)

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11月2日にオープンしたばかりの京都信用金庫「QUESTIONビル」に来ています。


まず、シリーズ4で飛ばしたフロア4階の紹介から。


  • 3階から4階にかけて70名を収容できる大階段会場「コミュニティ・ステップス」。奥にはセミナールームが3部屋あります。


  • いやー、ここはすごかった。3.4階ブチ抜きでイベントスペースを作っちゃったわけです。ガラス面は交差点の方向に向いてるから、祇園祭の辻回しもここからみれますね。


  • 壁ホワイトボードもあり、イベントやってる間、ここにグラフィックレコーディングできるってわけですな。


  • 先日のイベントの内容が書かれてました。

で、「なぜ観光でもないのに、このタイミングで京都に行ったのか?」をお答えしましょう。

ずばりコミュニティ・ステップスで開催される、こちらのイベントに参加したかったからなのです!
QUESTION OPEN WEEK Day4「事業を通じて生み出すコミュニティ」

●日時:2020年11月7日(土)13:00〜15:00
●会場:QUESTION Community Steps 4F


地域金融機関である京都信用金庫と地域の企業や団体等協業パートナーとのクロストークセッションで、ファシリテータはQUESTION 副館長の津田郁太さん
津田さんは京都信用金庫に2005年入庫し、京都府外郭団体へ出向、その後本部で創業支援業務、海外販路支援業務をした後、2019年新拠点開業プロジェクトを担当して、この職につかれてます。

「信用金庫支店の何年か先の未来を考えた時、お客さんとの関係が確実に変わってるはずだ」と感じた津田さん。
ネットの時代に窓口へ行く必要もなくなってきてるけど、対面の場はどうしても残す必要はある。そう考えると1階に物理的な窓口があることはそんなに大事な話ではない。
また、このコロナで景気的な影響は大きく、中小企業もそうだけど職人さんも廃業を考えている現状がある。でも一方でチャンスが生まれてるのも事実。
これからの金融機関の役割は、融資の相談やありきたりな座学で作れる計画書を提案するだけじゃなく、場に出て事業の相談を受けてマッチングさせる、「誰かとだれかをつないでコミュニティを作る」になり、それができるかできないかで金融機関が選ばれる時代がくるはず・・と出来たのがこのQUESTIONなんだそう。

前回も書きましたが、それはその通りだけど、それでも金融機関が自社ビルの1階から窓口をなくすなんて相当の決断なわけで。。
津田さんは近畿経済産業局の2018年度「中小企業の頼りになる支援人材」にも選ばれてる方で、この人無くしてQUESTIONは生まれなかったんだろうなあ。
これを言ってしまうと元も子もないのだけど、こういう思い切った事業って結局「人」なんですよね・・。


でパネリストが3人いて、1人目は

株式会社革靴を履いた猫代表取締役の魚見航大さん
2017年龍谷大学政策学部卒業されたんですが、「職人」をキーワードに大阪の靴磨き専門店で修行を経て、卒業式前日に障害者雇用の訪問型靴磨きサービスを起業された方。

面白いエピソードなのが、魚見さんは大学院に進学するつもりだったけど、最初の靴磨きを教授会でやったら教授陣から「京都信用金庫に相談に行こう」と言われ、京都信用金庫支店で靴磨きをやったら「本店でやっていいよ」と言われ、そして「在学中に立ち上げた方がいい」となり、卒業式前日3月15日に起業することになった、と。
このエピソード聞いてると、龍谷大学さんっていい大学だなーとみんな思ったんじゃないかしら。
ちなみに3月15日はたまたま靴の日だったという偶然。

もうひとつ面白いエピソードだったのが、活躍されてるベンチャーの人に「こういう起業をしようとおもうんです」とプレゼンしたら、「靴磨きなんて健常者でも成功してないのに障害者じゃ無理だろ。造園業でもやったら?」と言われ、悩みすぎて病みすぎて駅で知らない女性に「ぼく、こういうことをやろうと思うんです」とつい聞いちゃったんですって。
するとその方はたまたま留学生で「そういうサービスは自分の国にはないのでやってほしい」と言われて決心されたんだそう。
起業はやってみないとわからない部分が大きく、起業できるかどうかは内容よりも「背中を押してくれる人がいたかどうか」なんだな、と。

二人目は、

京都芸術大学3年 情報デザイン学科クロステックデザインコースの坂東拓海くん。
学生で起業して、前回紹介した株式会社cheersityの代表取締役でもあります。

「起業に恐怖心はあったかもしれないけど、やってみないとわからない。わかんないままの方が不安」と。
坂東くんが「起業して、なにものかになれたような気はする」と語ってたのが印象的で、文字だと偉そうなニュアンスに読めるかもしれないけど、現場では胸打つコメントでした。
世の中には「決めなくてもいいポジション」が多いけど、決断する回数が人を成長させるわけで、それをどれくらい早く多く経験できるのか・・・起業したかどうかはそれほど大したことじゃないのかもしれない。。


そして3人目が、

京都芸術大学スタートアップ支援室室長であり、学校法人瓜生山学園の評議員であり、株式会社クロステック・マネジメント取締役であり、この度京都芸術大学クロステックデザインコース准教授に就任された吉田大作さん。
はい、ずばり吉田さんが登壇すると聞いて京都行きを決断しました。


常々手羽も感じてるのは、教育機関だからやりやすいこともあるけど、逆に教育機関じゃやりにくいこともたくさんあるんですよ。
なのでいろいろプランを考えてたんだけど、正直「考えてたことを先にやられた(涙)」で。
こういうアプローチをサクっとやれてしまう瓜芸さんや吉田さんがほんとすごい。

「このコロナのタイミングでやるべきじゃないんじゃないか(学生に失敗経験を味合わせてしまう)」という意見が学内じゃ多かったそうです。自分もやっぱりそう思っちゃうかな。「でもこの状況の中で何を注意していくか」が大事だと考え、京都信用金庫さんなどには「ギリギリまで学生に失敗させますから耐えてください」と伝えてきたそう。口を出さず手を出さず目を離さず。

まあ、しかし、吉田さんの回しのうまいこと、うまいこと。
パネリストなのに司会進行やってました(笑)

この様子はネットで配信もされてました。

吉田さんがいろいろデータを見せてくれたから、いっぱい写真も撮ったし、メモったけど、多分他でも使うデータだと思うので、このあたりは省きます(笑)
一つだけ書くと、いろいろなデータを重ねると、日本人は「職場に満足してない人が多いけど、といって外に出ようともしない」てやつかな。

おっと、アワバーのことを書かなくちゃ。
株式会社cheersityの坂東くんは、大学に通う学費や生活費のために課題をやる時間を削ってアルバイトをしなくちゃいけない矛盾に疑問を感じたそう。
そこで、


  • https://camp-fire.jp/projects/view/330736

「そうだ。今まで5時間働いてその分のアルバイト代をもらってたけど、アルバイト代が2倍になればアルバイトする時間を2.5時間に短縮できるじゃないか。そうすれば勉強する時間を増やせる」とひらめき、起業にいたったそう。サラっと聞くと「なんて短絡的な学生だ(笑)」と思ってしまうけど、「問いからの解決ルート」としてはこれ以上ないストレートな方法。
ついここで「とはいってもさ」な見えない壁、ないかもしれない壁を想定して多くの人が行動を止めてしまうし、止めさせようとします。坂東くんのすごさは「やってみないとわからないから不安」な気持ちでストレートな問いに向かって突き進んだことですね。

ただ、「難しいなあ」と思ったのが一つだけあって。


  • https://camp-fire.jp/projects/view/330736

コーヒーをいれる経験値がない学生がシフトに入ってもいつも同じ味のコーヒーが出せるように、学習支援型スマートコーヒーメーカー「GINA」をawabarに6台いれてるんですよ。
これ、便利な次世代コーヒーメーカーですが、「余計な経費になりそうな部分を省き進化しちゃうと、人の役割ってお湯を入れて、ボタンを入れて、カップにそそぐだけの存在になっちゃうんだなあ」と。だっら究極な話コーヒーはセブンカフェマシンでよくね?とならないかな、と。

また、コーヒーの淹れ方を先輩から学ぶっていうコミュニケーションも無くなるから(それが面倒な面も多いけど)、何かもう1仕掛けあった方がクリエイティブな方向に行きそうな気がして。
あえて途中にめんどくさいステップをいれることで会話を発生させるコミュニケーションデザインの手法もあるし。

でもawabarは「コーヒーやビールを飲むところ」というより「集まる場の提供・きっかけ」なので、「同じ時間の中で、店員が客にどれだけオセッカイをかけることができるか」を考えると、この選択肢もアリだな、と。


最後は

こういうイベント恒例の「みんなで同じポーズをして記念写真」
「ホワイトボード壁面」「板張り」「同じポーズ写真」から脱したい気持ちもそろそろ。

イベント後に吉田さんに挨拶しました。お会いするのは市ヶ谷キャンパスができた時以来かな。
「手羽さんが申し込んでるのはわかってたけど、オンライン参加だと思ってたんですよ。まさか京都に来るとは(この人狂ってる)」と言われて。
おかしいなあ・・・手羽ではなく、

吉田さんにばれないように「小平一郎」という偽名で申し込んでたのに、なんでわかったんだろ・・・もう少しひねるべきだったかな・・・てか手羽イチロウも偽名だけど(笑)

クエスチョンのTシャツ(3000円。うち500円が支援に回る)を買って帰りました。


以上で京都レポートは終わり・・・ではなく、まさかの続くっ!!
ヒントは「美大愛好家なもんでバランスが大事なんです」。


以上、今まで書いてなかったけど、もちろん今回も自腹旅行な手羽がお送りいたしました。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。