【ビダモン】美大実技試験の道具の話

「あのですね」「えーとですね」「それがですね」が九州弁だと知ってショックを隠せない手羽です。「~ばい」とか「~たい」は気を付けて使わないようにできるんだけど、「あのですね」が九州弁と言われたらもう何も信じられないしゃべれないんですけど・・・ブログでも結構使ってるなあ・・・

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今日のムサビ入試は午前が学科試験A日程で午後から基礎デ・映像・芸文・デ情(ほとんど選択科目)。タマビ入試はプロダクト、テキスタイル、演劇舞踊。
タマビ演劇舞踊コースを受ける方はこちらを要チェック。
多摩美術大学|演劇舞踊コース「身体表現」の班別について

ムサビの注意事項としては、今日は一番受験生が多く、なおかつ帰る時間が集中する日なので、帰りの西武バスの乗車位置(「武蔵野美術大学前」停留所)がいつものマンション前から北門側のバス転回場に移動してることです。誘導もかけてるから心配することないので、試験後バスを使って帰る人はアナウンスをよく聞いてね。


美大受験アドバイスシリーズをやっております。
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本日は「道具」の話を。

受験生の描いた絵を見ると、
「うちらの頃はこういう描き方はなかったなあ」
「へー。今どきの画塾はこういう指導をされてるんだなあ」

というのがあるんですよね。
具体例は難しいけど、例えば木炭と鉛筆の併用や油絵にアクリル絵の具使うのもそのひとつかな。今じゃムサビ携行用具に「アクリル絵具可」とまで書いてありますから。
手羽が受験した頃はなかったのに(知らなかったのに)今はそのテクニックを使う人が多いっていうのは、全然進化がなさそうな美大受験業界においても、微妙に進化(?)してるってことであり。

そう考えると、


デスケルが初めて発売された時は「な、なんて便利なものが発明されたんだ!!文明の勝利!」とみんな感動したんじゃないかと思うんです。それまで計り棒でやってたことが、もっと簡単に正確にプレート一枚でできる!そう、iPhoneならね。ぐらいのインパクトだったんじゃないかと。

「これを使うのが流行最先端」「これを持ってるのが都会の人間」「お母さん、みんなデスケル使ってるから買ってよ。仲間外れになっちゃうよ」的な状態に当時はなったんじゃないかと。

ただ、「美大受験でデスケル使ってるとバカにされる」という話もありますね。
「受験時にデスケル使うのは素人の証拠」「あいつデスケル使ってやがるぜ。オレの相手じゃない。ぷぷぷ」的な空気がやっぱりあります。個人的にはデスケルぐらいいいんじゃないかと思うけど。
ちなみにこのご時世、デスケルのアプリ「DurerGrid」を使ってる受験生がいるかもしれませんが、入試では電子機器使用不可なのでこれはNGっす。


美大受験の必須アイテムだった「ガラガラ」もこの数年で変わりました。


あ、「ガラガラ」ってキャリーカートのことです。
実技試験日はみんなこれに画材類をしばりつけて、美大までの道のりを「ガラガラ」と歩いたもんで。実技試験当日は八王子や小平中にガラガラの音が響き渡ります。でも大抵、途中で荷物が崩れちゃうんですよね(涙)

これが進化して、今どきの受験生はキャリーバッグなんですよ。去年あたりからキャリーカートよりキャリーバッグを使ってる人の方が多くなった印象。最初見た時は「あ、その方法があったか!」と目から手羽先の皮が落ちる感覚で。キャリーバッグなら荷崩れする心配がないし、中身も見えないし、雨に濡れる心配もないし。 「なんで昔からこれにしなかったんだろ?」と手羽は思いました(笑)
ま、カートより高いからね。安く手に入るのはガラガラだし。
 

 
そうそう。現在予備校講師をやってるムサビOGからこんなコメントが届きましたので引用します。
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先日、初試験を終えた受験生が報告に来て、私が言い忘れてたことにハッとしたことがあったのですが「試験後に絵皿洗えなくて、しかも携行物に無かったから、ラップを他人に借りた。今日一番緊張した」とのこと。ラップとかビニールとかあったらいいよ的な情報を来年で良いのでビダモンで扱ったり出来ませんか?
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なるほど。確かに携行用具は「試験を受けるために必要な道具」であって、「試験が終わってから必要な道具」は書いてないもんね(笑)
ムサビは洗えないこともないんだけど、受験生全員分フォローできるほどの流しは設置されてないんで、そのまま持って帰ることの方が多いかも。ビニール袋はゴミ入れだったり緊急時雨除けだったり床マットだったり何かと使えるんで、45Lビニール袋を一つ持ってると便利っすよ。

念のためにもう一度ムサビの携行用具を貼っておきます。

くどいけど、ムサビではカルトンorパネルは配布されないから気を付けて。
 

手羽が入試で思い出すのが、ツナギ
受験の時、画塾の先輩が東京の美大入試直前につなぎを新調して、買ってきたばかりのツナギに油絵具をベタベタ塗りだしたんですよ。 「な、なにやってるんですか?!」を聞くと、「だって、きれいなままだと東京の人間にバカにされるでしょ。『あいつ、油絵素人だぜ』って。汚い方がうまいっぽいし」という答え。
「なるほど。こういうハッタリ受験テクニックがあるのか。浪人したら自分も来年はこの方法を使おう」と思ったもんです。ちなみに手羽は現役合格し、先輩は4浪して結局美大進学をあきらめました。 「そういうことを気にする時間があるんだったら、もっとやることが」ってやつかもしれません。

そういえば、油絵学科を受験した時、ガスバーナーを使ってる人がいたっけ。油絵を早く乾燥させるために試験中「ゴーーーー」と隣の人が突然やりだして、あれはビビったっなあ。6時間で油絵を完成させるってほんとは無理なわけで(笑)「いろんなテクニックがあるんだなあ・・」と感心したもんです。あ、今はこれ禁止行為だと思いますのでご注意を。油絵といえば、今年の試験で長い棒を持ってる人が何人かいたけど、あれは何に使ったんだろ。画面に細かいのを描く用?
もう少し受験の思い出があるんだけど、それは小出しでいきます(笑)


受験の時に自分がどういう道具使ってようが、周りがどんな格好してようが、(違反じゃなければ)受かればいいんです。気にする必要ないっす。
周りが頭良さそうに見えるかもしれないけど、周りもあなたのことをそう思ってるはず。
「田舎もんだと思われたらどうしよ・・」とか関係ない。誰も気にしてないし、受験で地方出身だからとバカにされることもないです。「あのですね」「えーとですね」の何が悪い!(冒頭に戻る)

あのですね、周りの人のツナギや道具がすごく汚れててもですね、「おおお。こいつら、油絵をいっぱい描いてるっぽい(汗)ど、どうしよう」とビビる必要はないからですね、手羽の先輩みたいにエイジングをかけてるだけかもしれませんしね、ただのハッタリかもしれませんしね、自分を信じるだけですからね。
・・確かに九州じゃ上記文章は日常会話だけど、東京じゃ「ね」を連発しないなあ・・。


以上、タマビ英語試験で水曜日のカンパネラのことが出題されたと知って、「どっかの美大でムサビ日記を出題に使ってくれないかなあ。ベストは視デかタマグラのデッサンでムサビ日記を配布して『本と手を描きなさい(本は切っても可)』だと1000冊ぐらい一気に在庫がはけるんだけどなあ」と思った手羽がお送りいたしました。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。