【島と星座とガラパゴスと私】ヨコハマトリエンナーレ2017に行ってきた

2017年8月9日(水)

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8月8日(火)、横浜みなとみらいエリアへ。

ここに来るといつもご挨拶させてもらってる場所があります。
というのも、ランドマークタワーとクイーンズスクエアの間に、私の彫刻の師匠である最上壽之名誉教授の作品があるんですよ。

国内最大級のステンレス彫刻作品「モクモク ワクワク ヨコハマ ヨーヨー」がそれです。
「みなとみらい」の特集だと必ず出てくる作品なのでご存知の方も多いはず。

ビル風の強風を緩和するために作られた(風洞実験で緩和してることが判明してる)そうで、物理的に緩和させながら風の動きを表現した手羽の大好きな作品。彫刻経験者からすると「よくもまー、こんなでかいステンレス製の作品を作らせたなあ・・いくらしたんだろ・・」なんですけどね。


なんで、このタイミングでみなとみらいに来たかというと、別にピカチュウ大発生を見に来たわけじゃなく(今日からです)、こちらです。

ヨコハマトリエンナーレ2017「島と星座とガラパゴス」
●会期:2017年8月4日(金)‐ 11月5 日(日)
●休場日: 第2・4木曜日(8/10、8/24、9/14、9/28、10/12、10/26)
●会場 横浜美術館/横浜赤レンガ倉庫1号館/横浜市開港記念会館 地下 ほか
●開場時間:10:00 - 18:00 (最終入場17:30)
[10/27(金)、10/28(土)、10/29(日)、11/2(木)、11/3(金・祝)、11/4(土)は20:30まで開場(最終入場20:00)]


通称「ヨコトリ」。
トリエンナーレなのでもちろん3年に1度開催される展覧会で、前回いつ行ったか調べたら、
手羽ちゃんのドキドキ潜入レポート -ヨコトリとリケン-
たまたま同じ8月8日でした。なんかあるね、8月8日(笑)

ちなみに事業名の総称と組織名は「横浜トリエンナーレ」(横浜=漢字表記)ですが、この第6回展の事業名は「ヨコハマトリエンナーレ2017」(ヨコハマ=カタカナ表記)なんです。
つまり厳密に書くと、
「2017年は3年に一度開催される横浜トリエンナーレ組織員会主催の横浜トリエンナーレの年!ヨコハマトリエンナーレ2017のテーマは『島と星座とガラパゴス』です!!」
となります。違いがわかるかな?


そう。今回のテーマは「島と星座とガラパゴス」。
パっと見、難解なテーマに聞こえますが、作品を見ていくと理解できるはず。


  • アイ・ウェイウェイ「安全な通行」。実際に難民が使用した救命胴衣やゴムボートです


  • ジョコ・アヴィアント「善と悪の境界はひどく縮れている」。日本のしめ縄をモチーフにインドネシア産の竹で作られたそう


  • マップオフィス


  • ミスター「まるで胸に穴が開いたような、僕の知っている街、東京の夕暮」


  • タチアナ・トゥルヴェ 「Dream Time Chart 」


  • アン・サマット 「部族の酋長シリーズ」


  • 風間サチコ。手羽が好きな作品。武蔵野美術学園修了です。


  • ブルームバーグ&チャナリン「フロイトの長椅子の残存繊維を石英楔型検板を用いて観察した際の干渉縞」


  • 木下晋「掌握」 。木下先生はムサビ油絵客員教授をされてます


  • サム・デュラント


  • パオラ・ピヴィ「I and I (芸術のために立ち上がらねば)」


  • オラファー・エリアソン 「Green light-アーティスティック・ワーク ショップ」。会期中にワークショップがありますよ


  • ザオ・ザオ「プロジェクト・タクラマカン」。これはビデオ見ないと凄さがわかりません。「そこまでるやるか?!」な作品


  • ヨコハマラウンジ


  • マウリツィオ・カテラン 「無題」

記憶を頼りに作者・作品名を書いてるので、間違ってたら指摘してください・・。
いろんな現代美術系展覧会や地域芸術祭が開催されるようになりましたが、やっぱりヨコトリは格段に作品の質が高いですね。


んで、ヨコハマトリエンナーレは・・・ん。この場合は横浜トリエンナーレでいいのかな?・・ややこしいなあ・・大きく3か所で展示をしています。
2つめの会場へ移動。

横浜赤レンガ倉庫です。

ヨコハマは夏の青い空が似合う。

会場は横浜赤レンガ倉庫1号館です。
こちらはどちらかというとメディアアート系の暗い部屋を使った作品中心に展示されてた。


  • クリスチャン・ヤンコフスキー「重量級の歴史」。かなり面白いです


  • 宇治野宗輝さんの作品。東京藝大卒。


  • 照沼敦朗「ミエテル ノゾム君の夢製造伝奇 」。タマビ油画卒


  • 青山悟「政治家と黄色いセイターの少女(メルケル)」。青山さんはシカゴ美術館付属美術大学院修了


  • ドン・ユアン「『おばあちゃんの家』シリーズ」


  • キャシー・プレンダーガスト

ヨコトリは中学生以下無料なので、前回もそうだったけど、いつもの展覧会よりも小中学生が多い印象。学校でも見に行くように指導されてるのかな?なんかワークシートみたいなのも書いてたし。
だとしたら、せっかくの大々的な「ヨコハマ」のアートイベントなんだから、もっと横浜美大さんとか関係をもてばいいのに、ヨコトリは「beyond2020」なんだからせめて「協力」に名前を入れるとかすればいいのになあ、と思ったり。



んで、3つ目の会場は

横浜市開港記念会館。

・・・って6月末に来たばかり(笑)
【ついでに横浜ぶらり散歩】地域フォーラム「アート&デザイン2017神奈川」にいってきた

ただ、その時には

地下があることは全く知らなかった。

ここで展示してるのは、手羽のムサビ彫刻の先輩・柳幸典さんで「Project God-zilla ―Landscape with an Eye―」という作品。


  • 「倉庫空間が一部屋あるくらいかな?」ぐらいで入るとびっくり。巨大な空間が地下にあったんです

柳さんはよくこの空間を見つけたし、よくこの「使い方」を見つけたな、と。
ヨコトリの巡回バスルートに入ってないんですが、見る価値ありますよ。

会場がそんなに離れてないけど「徒歩ではちょっと。車では大げさ」という微妙な距離関係にあるし、「BankART Life V」「黄金町バザール2017」も同時期に開催されてるので、横浜散策がてら6月にも紹介した「baybike」を使うと便利かもしれません。ヨコトリとのセット券もありますよ。


あ、横浜に来たのは実はヨコトリがメインではなく、

こういうお仕事で横浜にやってきてたりしました。
手羽にご指名があり、「美大の話だったらしますが、ムサビの細かい入試変更点とかはしゃべりませんよ」が参加の条件(笑)
生徒・学生の傾向、これから求められる美術教育など先生方と意見交換。
結論は「アクティブラーニングなんて昔から美大でやってるっつーーの!文科省は美大にもっと関心を持てっつーーの!!」です(笑)


以上、横浜から第3京浜は渋滞なくスルっと帰れたけど、高速を降りてからすごい渋滞で、ふと信号をみたら、

「多摩美大前」だった手羽がお送りいたしました。
ラジオの交通情報でよく「多摩美大前渋滞3km」と流れるから、「あああ。またタマビの名前が宣伝されてる。うらやましいなあ。ムサビの前も渋滞させてやろうか」と思ったりもしてたけど、実際に渋滞に巻き込まれると「渋滞憎けりゃタマビも憎い」ことに気が付きました。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。