今週は(間接的に)東京オリンピック2020に関係するイベントへ2つ参加してきました。
やはり2017年に入って一気に増えてきましたね・・。
まず1月23日(月)は、
卒業制作展の準備真っ最中の東京藝大さんへ。(卒業・修了制作展は1月31日まで開催中です)
何しに行ったかというと、
2020年を契機として設立された全国芸術系大学コンソーシアムが実施する「文化芸術アソシエイツ育成プログラム」の開講式&オリエンテーションがあったんです。
文化芸術アソシエイツ育成プログラムとは、全国各地でアーツプロジェクトを企画立案できる人材育成を目的とした教育プログラムで、そのカリキュラムをコンソーシアムで共同開発しようという試み。
美大と音大が手を組むプロジェクト自体今までほとんど例がないですが、さらに踏み込んで芸術系大学コンソーシアムが連携して教育プログラム開発をやろうっていうんです。時間的余裕がなかったので今年は事務局である程度プログラムを作りましたが、来年度以降は学生さんや若い卒業生にコンテンツ自体を考えてもらうことになるはず。
今回は「第1回の試行版」で、一体どういうことが起きるのか?どういうコンテンツが必要か?を私たちも含めて知ることが最大の目的ですね。
ブリティッシュ・カウンシル湯浅真奈美さんによるロンドン五輪の文化プログラム「カルチュラル・オリンピアード」を中心とした講演もありました。
(文化プログラム「カルチュラル・オリンピアード」についてはあとで説明します)
この第1回プログラムにコンソーシアムから16名の卒業生や学生が参加することになり、この日が初顔合わせ。ムサビからは2名参加してます。
音大生・美大生がシャッフル状態でグループを作り、気仙沼や熊本で研修やワークショップ、演奏指導などを行う予定。かなりタイトなスケジュールなので、体調に気を付けて頑張って!!
これが月曜日の話で、昨日1月27日(金)は
霞が関の中央合同庁舎。
何しに行ったかというと、
beyond2020プログラムのロゴマーク発表&表彰式!!
うわっ。すごい報道陣・・・。
澤 藝大学長によるヴァイオリン演奏から始まり、
内閣官房2020年オリンピック・パラリンピック東京大会推進事務局長の平田さんからbeyond2020について説明がありました。ちなみに平田さんはJリーグ立ち上げにも関係してる方です。
手羽からもbeyond2020とロゴマークについておさらいを。
オリンピック・パラリンピック大会開催時にはスポーツ競技だけでなく、展覧会や演奏会等文化芸術系イベント「文化プログラム」を開催することが義務づけられています。
というのも、オリンピック憲章冒頭に「スポーツを文化や教育と融合させる」とはっきりと書かれてまして、オリパラは「スポーツの祭典」だけど「文化芸術の祭典」でもあるんですね。
もっとも成功した文化プログラムは先ほど湯浅さんのところで書かせてもらった2012年ロンドン五輪「カルチュラル・オリンピアード」と言われてて、4年間で11万件とも18万件と言われるイベント数、総参加者数4300万人を超える文化プログラムが英国全土で繰り広げられました。
そしてここが大事なんだけど、五輪後も文化芸術活動の長期的な発展に寄与しています。オリンピックが終わったら終わりじゃ意味がないのです。
んで、オフィシャルスポンサーや地方公共団体が行う文化プログラムは東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が管理し、承認されたプログラムには(おそらくエンブレムが入った)公式文化プログラムマークが発行されることになっています。
でも組織委が管轄である以上、オフィシャルスポンサーと競合する会社に許可は出せません。例えば東京大会公式スポンサー(ゴールドパートナー)がアサヒなのでサントリー美術館の企画はどんなにすばらしくてもダメだったりするんです。ま、ひらたく言えば「大人の事情」なわけですが・・。
でも日本は「4年間で20万件の文化プログラム」を目標にしてるのに、このままじゃとても20万件なんて無理・・・。
なので「オリンピックのため」ではなく、「2020年を契機とする」「2020年以降を見据えた」文化芸術企画・プロジェクトには組織委とか文科省とか文化庁とか東京都とか超えて、内閣府オリパラ事務局が統括しましょ、そして20万件を目指しましょ、というのがbeyond2020プログラム。
恐らくこれ以上わかりやすい説明はありません(笑)
んで8月に内閣府からロゴマークの募集が全国芸術系大学コンソーシアム限定であり、もちろんムサビからも応募し、11月に3点の最終候補作品がWEBで発表され意見募集が行われました。
この段階でムサビからの作品が全部落選したのがわかって、手羽のテンションは一気にダダ下がり(涙)
招致ロゴは女子美→藝大大学院の方だったし、アレがアレしたのはタマビOBだし、決定したエンブレムは東京造形OBの野老さんだし、ムサビはほんとオリンピック絡みには縁がない(涙)
もう一切合切無視するつもりだったけど、芸術系大学コンソーシアムに関係してる人間として、そして美大愛好家として他美大の学生さんが受賞したとしても、心から祝うしかない!
というわけでムサビ生が受賞しないことがわかってたけど行ってきた、と。
美大ストーリー的にはタマビの学生さんが選ばれるといいなあ、と思いながら。
こちらが入賞された皆さん。
実は私達も、どの大学の学生さんが入賞し、どのロゴマークが選ばれたのか一切知らされていませんでした。ま、そこにムサビがいないことだけはわかってましたが(くどい)
そしてロゴマークの発表の時。
丸川珠代 東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会担当大臣が登場し、大学名と名前が呼ばれました。選ばれたのは・・
横浜美術大学ビジュアルコミュニケーションデザインコース3年の菅原みこさん!
ハマビさんだっ!
そしていよいよロゴマークの発表!
(すっかり恒例となった)宮田文化庁長官のドラを合図に除幕されます。
3つの中のどれだ!!!
いいねっ!(コーフン)
・・ってタイトルとTOP画像でネタバレをおもいっきりしてるから、ここまで引っ張る必要はないんだけど(笑)、この時はリアルタイムに「え?ハマビさん!?」「おお!これかあ!!」な展開だったんで。
丸川大臣から賞状、全国芸術系大学コンソーシアムの澤 会長から副賞10万円が授与されました。
菅原さんの喜びのコメント。
「このロゴマークは『サムズアップ』(「いいね」「グッド!」とか)をモチーフに制作し、beyondの『b』にもなってる。さらに日本を象徴する『和』(わ)にも見え、日本の文化を広めてほしいという願いを込めた」と語ってました。
多分ニュースにもハマビさんのWEBにもここまでしか出ないと思うので、手羽は入賞者の方もちゃんと紹介しますよ。
皆さんで記念写真。いいねっ!
beyond2020は直接文化庁とは関係ないのだけど、宮田長官が藝大学長時代に立ち上げたのが全国芸術系大学コンソーシアムてなこともあり、お祝いのコメントをされました。
ちなみに昨日は宮田長官が座長をつとめるオリンピックのマスコット選考検討会議第2回があったそうで、「エンブレム、マスコットもよろしくね!」とのこと。いいねっ!
ここからは写真・取材タイム。
囲み取材ってのを初めてみました。
こ、これは緊張する。手羽だったら絶対クネクネが超高速になってるはず。
ロゴの右側にいるのが横浜美大の岡本学長です。本当に嬉しそう。いいねっ!
宮田長官が「せっかくなんだから他の人もドラ鳴らしなよ。これ、ぼくが作ったんだよ」と振り、
女子美の学生さんがおもいっきり鳴らしてみんなビックリするの図。
もう5歳若ければ「手羽もいいですか?」と言ったんだけど、さすがにもう大人です。
女子美の関係者の皆さん。
なんで手羽が女子美さんの記念写真を撮ってるんだろ。。。何してるんだろ(涙)
でもいいのだ。美大振興のためだもん。最近はデザイン絡みで明るい話題が少なかったから、こういうときはみんなで喜ばなくちゃ。
横浜美大の皆さんで集合写真。
菅原さんは仲間と一緒の時が一番いい笑顔でした。
ハマビさんの喜びのWEBサイトがすでにUPされてます。
■3年生 菅原みこさん beyond2020プログラム ロゴマーク採用決定!|横浜美術大学
菅原さん、おめでとうございました!!
そして全国芸術系大学コンソーシアムで作ったこのbeyond2020ロゴを今後ともどうぞよろしくお願いいたします!
あ、まだコンソーシアムに加盟されてない、様子見をされてる美大・音大さん、これからいろいろ発生してくるので早く入った方がいいですよ(ぼそっ)
以上、女子美さんと「でもハマビさんで良かった。これで音大の人が受賞してたら『美大は何やってるんだ』と言われたよね・・」と会話した手羽がお送りいたしました。
【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。