【今年はオンライン】手羽が12月18日にインターンシップ演習の授業をやります!

2020年9月19日(土)

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「インターンシップ演習」とは、ムサビ3年次インターンシップ実習の事前学習に位置づけられていて、担当は視覚伝達デザイン学科の齋藤先生だけど視デの授業ではなく、1,2年生なら学科関係なく誰でも取れる金曜5限の人気オムニバス形式授業。

シラバスにはこう書かれてます。
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この授業は、卒業後の進路を表現の現場、あるいは、あるべき社会の実現の現場として位置づけ、美術・デザインの諸領域の現在のありかたを概観し、大学での学習計画をより確かなものとすることを目的としている。
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そう、実はインターンシップに直接役立つ授業ではないのです(えっ)


  • 去年の様子。一番手前にいらっしゃるのがインターンシップ演習を担当されてる視デの齋藤先生

普通だと「インターンシップ●●」て名前のキャリア授業であれば、企業やキャリアセンターの方が「みんな就活しろよ!」「インターンシップってこんなに役に立つんだよ」な話が中心になるはず。

でも本来の「キャリア教育」とは、「就活教育」ではなく「自立教育」「人生教育」なんですよね。
有名な企業に就職するのも大事だけど、特に美大だと生き方はそれだけじゃありません。
社会的には「就職」が重視されてるし、「就職しないと社会人じゃない」という雰囲気もあるし、大学広報的に「就職率が美大で一番!」と言えた方が受験生にも保護者にも受けるのはわかってるけど、美大にはアーティストやクリエイターを目指して入学した学生さんがたくさんいるわけで、就職以外の選択肢が当然あります。そういう人を自信もって応援するのも美大の役割。

また、企業以外に公益的な仕事を担う財団・NPOで活動する人など、いろんな「生き方」もあります。
例えば、
【コロナで深刻化】貧困を永続的に救う農園 in EGYPT

このクラウドファンドをやってる弓矢 結実乃さんは、ムサビ油絵学科卒で旅ムサを立ち上げた初期メンバーなんですが、2017年7月JICAボランティアとしてエジプトに派遣され、貧困家庭の子どもたちが通う公立学校で図工・美術を教えてました。こういう素晴らしい生き方もあるんです。
また、「美大生の本質的な能力」が求められてるのは、実は誰もがイメージするようなクリエイティブ業界だけではありません。詳しくはまた今度。

何も考えずに「みんなデザイン会社でインターンシップやってるみたいだし、親からも言われたから、自分もそろそろやらなくちゃな。就活しなくちゃな」で始まるのではなく、どんな人生の選択肢が他にはあるのかまず知ってから、その上で企業への就職を選択しインターンシップへ行くってのがすごく健全な流れなはず。

というわけで、インターンシップ演習は様々な分野で活躍する人から話を聞くことで、 「将来にはいろんな選択肢があることをまず知り、悩み、今自分がやるべきことを学んでもらうこと」を目的とした授業となってます。
例年初回だけキャリアチームリーダーがしゃべりますが(今年は誰がやったんだろ?)、それ以外の回の講師は全員ムサビOBOGで、多くは普通の企業人ではありません。


はい、というわけで、なにが言いたいかというと、
今年も手羽が授業をやらせてもらうことになりました!!

■インターンシップ演習2020
●日時:2020年12月18日(金) 16:40-18:10(16:30 より開室)
●会場:Zoomによるオンライン授業(同時双方向型)
●特別講師:手羽イチロウ|美大愛好家


手羽は2009年から講師をさせてもらってて、今年で12回目。ここ数年は最終回の大トリもやらせてもらってます。
「美大卒で美大職員」というこれまたかなりレアな進路(笑)についてもしゃべりますが、「美大愛好家・手羽イチロウ」の活動で感じてることや「ムサビ生の強み」「美大での学びの本質は何か?」をメインにしゃべる予定です。今年はコロナの話に触れないわけにはいきませんね。

で、いつもだと手羽の授業日に関しては「授業を取ってないムサビ生、在学生・受験生の保護者、高校生、他美大関係者の参加大歓迎!」と書くんですが(去年は世界堂店長さんも来てた笑)、今年はzoomによるオンライン授業でして。
聞きたい方は言ってもらえればURL教える形にします。
ムサビ新入職員さんも上司の許可もらって、ぜひ聞いてほしいなあ。

また、恒例行事になってるアレ、

有名老舗和菓子屋「立川伊勢屋」さんの和菓子をいつも全員に配ってるんだけど、オンラインでは配ることができず・・・学生さん、そしてオギリンごめんなさい・・。


昨日、斎藤先生から「今日は美大生研究家の喜始 照宣さんだから見てみる?」とお誘いメールが届いたので、こっそり途中から参加してみました。

喜始さんは美大生のキャリアを調査してる数少ない研究者で、新聞や雑誌等美大生を扱う記事では喜始さんの論文データが引用されることが多いです。あ、最近Study by 美術手帖に記事を書いてましたね。
データから読み解く 美大生の「キャリア形成」 | Study by 美術手帖

以前はインターンシップ演習第2回目を喜始さんがやるパターンが続いてたけど、園田学園女子大学の助教になっちゃったので、東京まで来てもらえなくなっちゃったんです。
でもオンライン授業なら距離は関係ないから今年久しぶりに登場された、と。これもオンラインによるメリットですね。
 

今回もこれでもかと貴重なデータを見せてくれました。
その貴重さがわからないと学生さんはつまらなかったかもしれないけど(笑)、「美大生とはどういう生き物か」を感覚や経験ではなく、調査でここまで調べてる人は日本には他にいないんです。手羽もよく参考にさせてもらってます。
2015年頃に書いたこちらの記事を参照ください。
2010年以降の美大に関する論文やデータを探す。その1


しかし、初めてオンライン授業をリアルでのぞいたんですが、噂には聞いてたけど、学生さんは本当にほぼ画面をオフにしてるんですね。
一人語り状態で、いつものハイテンションでしゃべるのは厳しいなあ・・手羽の良さを引っ張り出してくれそうなゲストとやるとか、やり方自体を考えないとまずいなあ。タマビ米山さんはこういう時ダメなんだよなあ。瓜芸・吉田さんか東京造形・M澤くんかなああ。
それとこの数年は動画・音声をガシガシ使った授業をやってたから、回線が弱い学生さん用にデータ容量を減らしたシートに全部作り替えないといけない。10月頭に某所でプレゼンもあるし、更新頻度がしばらく落ちますのでご了承くださいませ。


以上、昨日最初「武蔵一郎」というわかりやすい偽名を使ってログインしてたら、

齋藤先生から「表示を学生番号_名前にしてね」と指示されて「手羽なんです」とあわてて返事したら、全員宛に送信しちゃった、おっちょこちょいな手羽がお送りいたしました。
いるよね、こういうやつ。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。