【ビダモン】東京五美大一般入試スケジュールと受験生にアドバイス

明日から東京造形さんと女子美さんの入試が始まる手羽です。

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5美大の入試がいよいよ今週から始まるので、今日は意外と普通の人は知らない「東京の美大はどんな感じで入試をやってるか」と、そこから見える受験生のアドバイスを。


2016年度東京5美大一般入試日程はこんな感じです。


  • *保存すると大きく見れるはずです。

■この表の注意事項
( 1)1時間ぐらいで作ったので間違えてる可能性大です。だいたいこういう時ってムサビのを間違えてたりするんだけど(笑) 受験生は下記の各大学募集要項を必ずチェックしてください。
女子美術大学
東京造形大学
多摩美術大学
日本大学芸術学部
武蔵野美術大学
あくまでもこれは「イメージ図」と思ってもらえれば。

( 2)学科・コース名が書いてあるのが専門科目試験日です。

(3)ムサビとタマビの「学科試験A・B」は両方を受けてもいいし、どちらかだけでもOK。

(4)2月12日まで実施されるものだけです。女子美さんや日芸さんはB日程、第2期があります。

( 5)選択制の専門科目もカウントしてるので、実際にはその日に受験しない人もいます。

こうやって一覧を見ると、学科試験はもちろんのこと、近い領域の専門科目試験、つまり併願しそうな学科は比較的日程がかぶってないのがわかりますよね。
大人の皆さんならわかると思いますが、はい、そういうことなのです(笑)


美大特有の試験はやはり実技試験。
あ。よく聞かれるんですが、美大といえども大学なので、一般入試での学科試験は必須です。(東京造形さんのファイン以外)
なので美大入試は「学科試験+専門科目」という組み合わせになり、その専門科目試験が実技試験(デッサンや平面構成)だったり数学・小論文だったりすると。
以降、「実技試験」と書いた時は「デッサンや小論文等を含んだ専門科目試験」と読み替えてください。


基本的に実技試験は学科・専攻ごとに行われ、内容も違います (造形大さんは共通実技だったり、ムサビは数学が共通問題だったりしますが)
ムサビ・タマビは国語100点外国語100点+専門科目300点の総点500点がほとんど。
ムサビを例にとると、デザイン系の実技試験は3時間、ファインアート系だと6時間で行われることが多く、しかも1科目だけでなく、だいたいは「鉛筆デッサン」+「デザイン」等2科目受験必須ケースなので、学科試験も合わせると、希望学科によっては3日間受験することになります。


さらにこれが1大学だけならまだいいのですが、例えば東京5美大の油絵系を全部受験するとしますよね。
すると、
2月1日・・女子美実技
2月2日・・女子美学科
2月3日・・ムサビ実技
2月4日・・ムサビ実技
2月5日・・タマビ学科A
2月6日・・ムサビ学科A
2月7日・・東京造形実技
2月8日・・東京造形実技
2月9日・・日芸学科
2月10日・・日芸実技
2月11日・・タマビ実技
2月12日・・タマビ学科B

と2週間近く連続して受験することになるんです。

以前奥さんから「あれ。ムサビの入試ってもっと後じゃなかった?」と言われたことがありましたが、はい、正解。東京造形さんから始まり、そして女子美→タマビ→ムサビ→芸大という日程がずっと続いてたけど、藝大入試が前期日程に移動した関係で、今は2月前半に東京5美大の入試が密集する状況になりました。
どうしても同領域の試験日がかぶっちゃうんで、日芸さんは第1期で絵画や彫刻の試験を2回やってるくらいです。(こうやって一覧にすると何故2回やってるのかわかりますね)
ちなみに油絵受験者は版画を併願する人も多く、また、デザイン希望者がタマグラ・タマ統合・ムサ視デ・ムサ基礎デ・ムサデ情等近いデザイン領域やプロダクトや工デなど実技試験が似てる学科をさらに併願することも多いので、これはあくまでもシンプルパターンと見てください。5大学全部受験しないまでも、実際はもっと複雑に受験してるはずです。
ここまで日程が密集してたら、「4美大合同デッサン試験」みたいなものを導入すればいいんじゃないかと思ったりもするんですが、それができない理由を・・・えーと、3日後ぐらいに書きます(笑)



ここで手羽の美大受験アドバイスその1。

美大受験で大事なのは体力と体調。
日程が密集し短期型になったのは受験生にとってメリットではあるけど、一度風邪引いてしまうと全部に影響してしまうデメリットもあります。また、この日程だと気持ちのオンオフができないんで集中した状態を持続させなければいけません。

直前まで徹夜して、出るかどうかわからん英単語を100個覚えるくらいなら、体力維持と精神面・体調管理のためにしっかり寝た方が断然効率的です。緊張した状態を10日間以上続けるのは相当しんどいので。
特に上京受験組はもしオフ日があるなら、ずっとホテルにいるより気分転換に映画とか美術館でも行った方がいいですよ。もちろんマスクをしてね。
その時間、東京組は美術予備校で絵を描いてるかもしれないけど、上京組は精神面や体力面の方を優先した方がいいです。 地方組心理からすると、人がいっぱいいる六本木とか渋谷を歩くのは逆に疲れてしまうこともあるので、そこは自分の体力と精神状態と相談で。そういう時は絶賛発売中のムサビ日記をオシャレな喫茶店で読んで入学後のイメージをするのもいいでしょう(宣伝)
そうそう。付き添いできてるお母さんにも一人の時間を作ってあげましょ。お互いイライラしてホテルで喧嘩するほどバカらしいものはありませんからね(笑)


手羽は東京造形・彫刻とムサビの油絵と彫刻を受験しました。油絵と彫刻を併願する人はかなりのレアケースです。実は第1希望は油絵だったんだけど見事に落ちて(笑)、東京造形・彫刻とムサビ彫刻は受かったからムサビ彫刻に入学したと。
当時は1次試験→発表後2次試験(足切りがあった)だったから、合わせると3週間近く受験のために上京してましたね。東京造形受験時は八王子のホテルに1週間ぐらい泊まり、ムサビ受験時の2週間は画塾の先輩の家でお世話に。普通はここにタマビ、藝大と続くので、昔は長い人だと4週間ぐらいホテル暮らしをする人もいたんじゃないでしょうか。


以上、1次発表までやることなかったんで、朝早く起きて日テレに行き、ズームイン朝(当時は福留さん)の「ウイッキーさんのワンポイント英会話」に見事に出演して、画塾のみんなから「何やってんだ・・」とあきれられたのが受験時の一番の思い出の手羽がお送りいたしました。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。