ムサビ社会連携活動説明会に行ってきた

2017年4月21日(木)

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4月20日(水)、社会連携チームによる「社会連携(貢献)活動説明会」が開催されたのでそのレポートを。


法人企画グループの中に「社会連携チーム」がありまして、業務は・・・名前そのまま社会連携・貢献活動。言い方を変えると「ムサビと社会とのつながりを生み出す仕事」とでもいいますか。

で、昨日は何が嬉しかったかというと、

その「ムサビと社会とのつながりを生み出す」ことに興味を持っている学生さんがこれだけいるってのがわかったことで。
実は「20人ぐらい集まればいいか」ぐらいに考えてて、私たちの認識の甘さに反省・・。
 

まずは、木反橋くんから「ムサビの社会連携活動について」の話。
最終的にはなんでも「ムサビと社会とのつながり」になるので、他部署から「これも社会連携ですよね?」と仕事を押し付けられることがよくあるけど(笑)、基本的に「産官学連携」「大学間連携」「美術・デザインの振興・普及」などを「社会連携」と定義付けしています。
昨日の話によると、去年は年間60件以上の産学連携・社会連携があったそう。しかもこれはあくまでも社会連携チームが把握してるだけの数字で、学生さんが独自にやってる活動を含めるとさらに増えるはず。
 
 

次にクマアカさんが社会連携活動の具体事例として「旅するムサビプロジェクト」、略して旅ムサの紹介を。

旅ムサは様々な活動で構成されているので、さらに詳細を、

「ムサビる!」の話を日本画学科の学生さんから。

ムサビる!」は現役の中学校を美大生が美術館に作り替えてしまおう!というアートプロジェクトです。
「廃校になった中学校で展示」はママよくある話ですが、「生きてる中学校全体を使って大学生と中学生が一緒に展示」ってのがミソ。昨年度の来場者数は2日間で1012人ありました。現在参加メンバーを募集してて、今日も説明会があるそうですよ。

 

続いて、旅ムサin台湾の話を映像学科の学生さんから。
今年の旅ムサは北は北海道から南は奄美大島まで開催する予定です。


んで、いよいよ今日の本題。
ムサビには似顔絵描きからワークショップまで、様々な美術・デザインの依頼があります。
んで、やる気のある学生さんにそれを紹介するシステム

「MAUクリエイターズバンク」を立ち上げたのです。
私たちは略して「MCB」と呼んでます。
この構想自体は3年前に考えてて、去年は実験的にやり、今年から本格運用ステップに入ったと。


「在学生や卒業生のWEBポートフォリオを公開し、クライアントとマッチングさせる」というやり方は実は他美大さんでもやってる・・というか、ま、だれもが一度は思いつく、美大新人職員さんが提案しそうな企画ともいえるんですが(笑)、昔から「はたして事業が成立するほど依頼と新規登録者があるのかな?」ということに疑問を感じてて。
それと「WEBを立ち上げる」のは(お金さえあれば)すごく簡単なことで、実は「どうマッチングさせるか?」「その依頼の意味・意義は?」などの判断を人が間に入らないと無理だろうなあ、というのがブログを10年以上運営してきた手羽の考え。
だからMCBのやり方はかなり「人力」「アナログ」ですが、ちゃんとやろうとするとこれしかないだろうと。

MCBを立ち上げるにあたり、私たちが一番気を付けているのは「学生さんがやる意味があるか」です。
むやみやらたに依頼を受け付けていたら、それは「テイのいい安い下請け業者」にしかならない。そしてそれはデザイナーやイラストレータの仕事を減らしてしまうことになり、将来的には自分たちの首を絞めることになりかねません。「なぜ学生さんがやるのか?」ということを常に意識しながら、MCBを進めていく所存でございます。


今回の説明会で学生さんに知ってほしかったことは、「動いてる人・やってる人が実は沢山いる」ってことかもしれません。

基本的に社会連携活動はボランティアです。
旅ムサin台湾なんて交通費は(信じられないでしょうが)自腹ですよ。今は交通費・実費がでるものがほとんどですが、単位にも公欠にもならないので、決して楽なものではなく、やる気のない方までに「社会連携やろうぜ!」という宣伝するつもりもありません。
でも、先ほど年間60件以上の案件と書きましたが、1人でやるわけじゃなく、だいたいは10人前後のグループでやることが多いんで、単純計算でも社会連携に関係した学生さんは1年間で600人以上いるってことになります。
それだけアンテナを張ってる人が実はいるってことと、「社会とつながりたい」と思って行動した人がいる事実を知ってもらいたくて。

例えばこれもいい例ですね。
26日に全学科に開かれた太刀川さんの講義がありますが、1年生に「ノザイナーの太刀川さんって知ってる?」と聞いてもほとんどの人は知らないんじゃないかな(笑)

でも知らないからといって行かないのはすんごくもったいなく、多分4年生・・もしくは卒業したデザイナーであれば「ええええ。無料で学内で太刀川さんに会えるの?!うやらましい・・」と絶対に言われる人。これもやはり「アンテナを張ってるかどうか」「少し興味がもったことに対して行動できるかどうか」で。
今は太刀川さんの名前を知らなくても、ぜひ聞きにいってみてください。

あ、26日夕方は学内でミッドタウンアワード説明会もありますんでそちらもどうぞよろしくお願いいたします。

 

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。