美大受験生へのアドバイスをお答えする恒例の「#美大受験」シリーズ。
#美大受験 では、ムサビまたは関東美大の一般選抜を具体例で使ってますが、基本的にはどの美大受験にも参考になるはずです。
これまでの話はこちらから▼
■東京五美大2025入試日程から言えるたった1つのアドバイス
■美大入試で家を出る前に絶対確認したい3つのこと(試験日時編)
■美大入試で家を出る前に絶対確認したい3つのこと(場所・会場編)
■美大入試で家を出る前に絶対確認したいことは3つ(持ち物と携行用具編)
■ムサビ実技試験で絶対に忘れちゃいけないものを1つ断言します
■美大実技試験当日でも確実に点数を上げられるたった1つのアドバイス
■雪や電車遅延で遅刻しそうな場合はどうすればいいのか? #1分でも遅刻するとダメなの? #遅延証明書や事前連絡は必要?
■2025年度東京4美大一般選抜志願者数から言えるたった1つのアドバイス
■学科試験直前に聞いても役に立つアドバイスを1つだけ
■「ムサビは学科試験を重視してる」って噂が流れる4つの理由
■結局美大受験で一番関係するのはこれかも
*間違った情報を書いている可能性もあるので、募集要項等大学公式情報で必ずご確認ください。
東京藝大の志願者数確定版が14日に発表されたので、主な国公立芸術系大学や美術系学部の一般選抜志願者数推移表を作ってみました。
各大学が発表してるデータには過去志願者数が入ってないんで、勝手に数年分を追加した、いつものおせっかいな手羽オリジナル版です。
手羽が一人でチマチマ調べて作った表なので間違っている可能性が高いです。
必ず正しい数値については公式サイトをご確認ください。会議資料に使ったり拡散してもらって全然いいんですが、間違いがないか今年の数字だけでもチェックしてくれるとすごくありがたいっす。
また、一般選抜のみで総合型選抜などは含まれてないのでご注意を。
今日は美大受験生っていうより美大関係者向けの記事になっております(笑)
最初はやっぱり東京藝術大学ですね。
私立美大は受験生が減った理由を「少子化」「他大学の日程とかぶった」「地元志向が強くなった」「今は景気が」「あっちには有名教員が」「学科名が分かりにくい」「施設が古くなった」「併願率が」と、いろいろ「自分ではない何かが原因」にすることがよくあります。
でも、「学費が安い」「ほとんどオープンキャンパスや相談会、入試広報をやっていない」「学内併願も多様な入試方式もほぼない」「都心という立地」「歩留まり率ほぼ100%」「日本全国でのブランド力が高い」な東京藝術大学の美術学部志願者数は「東京藝大の志願者数」というより、
●東京志向があり、かつ実技力を求める『素』の美術大学希望者実数
●「どうせ行くなら日本1の大学」というブルーピリオド的意識を持ってる全国の人数
●美術で食っていく覚悟をもつ18歳前後の人数
●それを理解・応援できる親の数(ここ大事)
と考えることができます。
また、東京藝大は定員の変更もあまりなく、学科の分類も「絵画」「彫刻」「デザイン」「工芸」「建築」「先端芸術」「芸術学」と他美大と比較しやすいカテゴリーになっているので、手っ取り早くカテゴリごとの希望者数変化を把握できるデータなんですね。
おまたせしました。2025年度の数字はこうなりました。
東京藝大といえども2021年に2500人台までガクっと落ちたんですが、久しぶりに3000人を超えました。
東京4美大と同じなのは彫刻や絵画が好調で、デザイン系や建築が苦戦してるってところで、違うのは芸術学科が増えたことかな。過去10年見ても一番多いです。
では他の公立芸術大学の状況を見てみましょ。
まずは国公立5芸大の東京藝大以外。
やはり気になるのはキャンパスを移転したばかりの2大学で、まず京都市立芸大さん。
あれ。2年連続で減ってる・・・。
カナビさんは減少といっても6人減なので誤差の範囲だと思いますが、思ったほど移転効果って出ないもんなんすね。
沖縄県芸は去年比だと約20%減だけど去年は30%増だったので「より戻し」と考えた方がいいし、彫刻と工芸は昨年までやってた後期日程をやめてるんで、今年は参考値ぐらいかな。
募集要項見るといろいろ入試改革されてるようですね。
国公立5芸大は入試部署でも調べてると思うので、ここからは手羽が個人的に気になってる大学を見ていきます。
筑波大は10%減だけど、去年めっちゃ増えてるんです。
手羽の調査対象で一番割合的に増えたのが佐賀大さんでした。
といっても、「去年初めて300人を切ったからより戻し」という考え方もできるのですが、2019年の数字に戻ったのは嬉しい傾向。
大学によって2015年からデータがあるってことは2015年からこのシリーズ始めたんだな。10年。
東京都立大(旧首都大学東京)はジワジワっと増やしてます。
今、あちこちで「地方私大の志願者数が厳しいから公立化へ」という声が聞こえてきますが、公立化の成功大学としていつも名前が挙がるのが長岡造形大学さん。
公立化2年前の全志願者数(総合型選抜や学校推薦型選抜等を足した数)は定員(230名)ギリギリの239名しかいなかったのに、公立化年は1310人と劇的に増えて一躍有名になりました。
2023年に大幅な学科再編をしたせいか2024年は50人増えて「おっ!」と感じたんですが、今年は過去10年で見ると一番少ない数字に。
もう少し注視します。
以上、タマビの一般選抜が昨日終わって、今年の東京4美大学部入試もとりあえずひと段落ですが、来年度の入試広報が今週土曜日から始まる手羽がお送りいたしました。
■アート×デザイン×クリエイティブ進学フェア【六本木会場】
●日程:2025年2月22日(土) 13:00~16:30
●会場:六本木ヒルズ ハリウッドホール
*入場登録制
●大学・短期大学:東北芸術工科大学、桜美林大学 芸術文化学群、女子美術大学・女子美術大学短期大学部、宝塚大学 東京メディア芸術学部、多摩美術大学、東京工芸大学、東京造形大学、日本大学藝術学部、武蔵野美術大学、横浜美術大学、和光大学 表現学部 芸術学科、大阪芸術大学
手羽も会場にいますんで、五美大展のついでにぜひどうぞ。
この日の五美大展は14時から学生・生徒なら誰でも参加できるラウンドテーブルミーティングもやってますよ。
【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。