【ムサビ学部3年以上・大学院生限定】ムサビ×東京工業大学 合同WS「コンセプト・デザイニング2022」参加者募集!【ファインアート系も大歓迎!】

2022年6月7日(火)

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2020、2021とコロナで中止になってしまったムサビ生限定の募集です。
今年はやりますっ!!

東京工業大学との合同WS「コンセプト・デザイニング2022」参加者募集


  • コンセプト・デザイニング2019の様子

●日程:2022年7月25日(月)~30日(土)の6日間
●時間:基本的に15:30-19:00開催、最終日の30日(土)のみ17:00-20:00
●会場:
 25日~27日 DNP市ヶ谷田町ビル
 28日~30日 東京工業大学 大岡山キャンパス
●対象:学部3年生以上、大学院生 ※ファインアート系の学生も大歓迎!
●募集人数:12名 ※ 希望者多数の場合、抽選
●担当教員:
・東京工業大学 野原佳代子教授(環境・社会理工学院)
・武蔵野美術大学 袴田京太朗教授(油絵学科油絵専攻)、古堅真彦教授(視覚伝達デザイン学科)
●参加条件:
・6日間すべてに参加可能な方
・時間外に制作等を行うことがあるため、終日予定が入っていない方
・記録撮影及び写真利用に問題がない方
●申込方法:Formsにて受付
●募集期間:6月12日(日)まで
●採用発表:採用者にのみ、6月17日(金)23:59までにメールにて通知します
●主催:東京工業大学サイエンス&アートLab Creative Flow、武蔵野美術大学社会連携チーム


東京工業大学(以下東工大)と武蔵野美術大学は、「論理展開力を持ったアーティスト育成」「デザイン感性を持ったエンジニア育成」を目指して、教育研究に関する協定を2013年に締結しました。
武蔵野美術大学と東京工業大学が協定締結式を行いました

その締結のきっかけとなったのがこの合同ワークショップ「コンセプト・デザイニング」で、今回でなんと11回目となります!


  • コンセプト・デザイニング2019の様子

「コンセプト・デザイニング」は、大学混合編成で進められるグループ型造形ワークショップで、ひとつのテーマ(お題)からコンセプトを構築し、簡単な造形デザインを作りプレゼン、というステップをふみます。


「コンセプト・デザイニング」という授業名から、そして「東工大と一緒に」ということもあり、「グループで電子工作やるの?」「ファインアート系は関係ないんでしょ?」「よくあるデザイン思考系のワークショップ?」と思われがちです。

確かに一般的な「理工系と美大の合同授業」だと、「中身やシステムを理系が考え、外側を美大生がオシャレに作る」なステレオタイプ的な手法でやってることが多いかもしれません。「コンセプトは頭のいい僕たちが作るから、美大さんはガワのデザインだけ考えて」ってパターン。


  • コンセプト・デザイニング2019の様子

このワークショップの趣旨はずばり「思考」「言語」です。

最終アウトプットの完成度はあまり求めていません。
もちろん「美大の表現力と理工系の技術力で」という部分も必要なんだけど、それよりも相互コミュニケーションによって、
・両者の得意とする視点を学び合い、相互の専門性を活かした力の補完を目指す。
・これまでになかった発想の転換・飛躍を体験する。
・「なんか好き」「面白い」の感覚を相手にちゃんと説明し理解させる。
・理工系と美術系の思考と言語は「何が違うのか」「違わないのか」を知る。

を感じてほしいと思っています。

例えば、この合同WSをずっと担当してきて、東工大生はゴールを設定してあげると圧倒的な力で最適解を見つける能力が優れているし、一方ムサビ生はゴールが存在しない中での自由な発想展開力が優れていることがわかってきました。逆にいうと、ゴールを設定してあげないと東工大生は能力を発揮しにくいし、ムサビ生は制限があると発想力が落ちる傾向も。
また、ムサビ生は「絵を描いて考える」、東工大生は「考えてから絵を描く」と、思考のステップ自体が違うんですよ。これって面白いと思いません?


  • コンセプト・デザイニング2019の様子

というわけでコンセプト・デザイニングをもっとかみ砕いて説明するなら、「お互いの『違い』を感じつつ、サイエンス思考とエンジニア思考とデザイン思考とアート思考をごちゃまぜにしたクリエイティブ思考を使ったコミュニケーション中心の課題発見・課題解決型授業」となります。
ここまでそれぞれの「思考」を中心においた合同授業は、日本では他にありません。断言できます。

また、「デザイニング」なのにムサビ側はファインアート、デザイン関係なく全学科参加OKだし、教員も視デ・古堅先生と油絵学科の袴田先生に担当してもらってます。「デザイン系とファインアート系の教員が同じワークショップを担当する」というのは他美大では意外と難しく、これをやれるのがムサビの強みだったりします。なのでファインアート生も大歓迎なのです!


  • コンセプト・デザイニング2019の様子。左から東工大の野原先生、ムサビ視デの古堅先生、油絵の袴田先生

現在、理工系大学を中心にいろんな大学が「どうやったらデザイン思考やアート思考を取り入れられるか?」を必死に研究しています。東工大さんもそうですが、東大然り、京大然り、九大然り、SFC然り、東海大然り、法政大然り、中央大然り、芝浦工大然り、千葉工業大然り、電通大然り。
でも、何度か理工系大学がやってるデザイン思考ワークショップ発表会を見学したことありますが、「ステップ」「型」の勉強してるだけで「型は大事だけど、それだけ学んで使い物になるの?」と感じることが少々・・。


この手のワークショップだと通常のテーマは「●●で社会問題を解決しなさい」「●の社会問題を」だったり具体的なものになると思いますが、先ほど書いたとおり相互コミュニケーションによる「展開」「発想の飛躍」「思考と言語の違いを感じてもらう」が目的なので、あえてコンセプト・デザイニングではフワフワしたお題を出すようにしています。

ここ数年のお題をピックアップすると、「想いが伝わるラブレター」「オトナとコドモ」「くりかえす」「ながいもの」「恋」「鏡」「右 左」など全然社会問題を解決できるようなテーマじゃありません。理工系な考えだと「なんでそんな役に立たないことを真剣に考えなくちゃいけないんだ?!」だと思います(笑)


  • コンセプト・デザイニング2019の様子。テーマ発表の瞬間

例えば、テーマが「右 左」と聞いて「右利き 左利き」にたどりつき「左利きに便利な道具を作る」「左利きの気持ちになれる道具」みたいなところで終わったら、一般大学の通常課題レベル。そこから更に粘って連想ゲームすることを求められるのがこのワークショップの醍醐味だったりします。

どんな感じでやってるかは、コンセプト・デザイニング2019の様子を参考にご覧くださいませ。
東工大×ムサビ合同ワークショップ「コンセプト・デザイニング2019byModuleX」スタート!
【アート思考とコミュニケーション】東工大×ムサビ合同ワークショップ「コンセプト・デザイニング2019byModuleX」2日目!!【傾く男】
【中間プレゼン】東工大×ムサビ合同ワークショップ「コンセプト・デザイニング2019byModuleX」3日目!!!
【東工大ステージスタート】東工大×ムサビ合同ワークショップ「コンセプト・デザイニング2019byModuleX」4日目!!!!
【その1準備編】東工大×ムサビ合同ワークショップ「コンセプト・デザイニング2019」最終プレゼン!
【右から左に受け流す】東工大×ムサビ合同ワークショップ「コンセプト・デザイニング2019」最終プレゼン!!【その2】
【最優秀賞はどのグループに!?】東工大×ムサビ合同ワークショップ「コンセプト・デザイニング2019」最終プレゼン!!!【その3】


今回の前半3日間は、大日本印刷(DNP)さんにご協力をいただき、

市ヶ谷キャンパスから徒歩2分ぐらいのところにあるDNP市ヶ谷田町ビルで開催することになりました。
 

そして後半3日間は東工大大岡山キャンパスに移動。

手羽もコンセプト・デザイニングの時しか東工大には行かないから、実に2年行ってないんすよ。
この景色もずいぶん変わってるはず。楽しみ。

そして最終プレゼン場所は、東工大の地球生命研究所 三島ホール!

での開催が予定されています。
 
てなわけで、やらない理由が全く思いつかないこのコンセプト・デザイニング。
ハードルがあるとすれば「かなりハードなワークショップであること」ぐらいかな。
ちなみにキャリアチームスタッフによると、就活時の略歴書に「東工大WSに参加」と書くと、必ずといっていいほど面接官に「え。東工大と何をやったの?!」と聞かれるそうです。「他分野との学び」に皆さん興味を持つようですね。
活動欄に書くことがない人もぜひ。


以上、2019の時に野原先生と三島ホールを外からのぞいて、

「いつかここで最終プレゼンできるといいね」と話してたら実現した手羽がお送りいたしました。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。