地域開催の国際芸術祭、2017年北川フラムディレクションで能登半島にニューカマー!

日本国内の地域開催国際芸術祭の先駆者といっても過言ではない北川フラム氏。2017年にあたらしく、能登半島の先端にある珠洲(スズ)で新しいイベント「奥能登国際芸術祭」を開催するとの発表があった。3方向が海に囲まれ生まれた豊かで特異な自然に恵まれ、日本各地の生活文化が集積しそのあらわれである祭り、キリコなどが今も残り、日本文化の源流が湧き出ずる場所、それが今回の舞台、珠洲だ。

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地域開催国際芸術祭の先駆者・北川フラム氏

今でこそ日本各地で数多くの「国際芸術祭」が開催されている(その形態や趣旨はそれぞれに異なる)が、その先駆者といっても過言ではないのが北川フラム氏だ。2000年から開催されている「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」で総合ディレクター、「にいがた水と土の芸術祭2009」でディレクター、「水都大阪2009」でプロデューサー、「瀬戸内国際芸術祭」で総合ディレクターと、ここ15年強で数々の地域開催の国際芸術祭のディレクションを担当してきた。

その北川氏が来年の開催に向けてあらたに総合ディレクターを担うのが、「奥能登国際芸術祭」だ。



日本の伝統的な文化と最先端の美術が響き合う芸術祭

能登半島の先端に位置する珠洲。三方を海に囲まれ、北からの寒流と南からの暖流が交わり、荒々しい岩礁海岸の外海と、波穏やかな砂浜の内海という2つの海をもつ。それに加え大陸からの季節風が海の水蒸気を含んで雨を降らし、外浦(北側)と内浦(南側)を有する独特の地勢も重なって、東西の植生が共存する豊かな植物・生物相につながる。そんな自然の特異性と、遣唐使、渤海使、北前船など、かつて日本海を舞台とした海上交易が盛んだったころ、さまざまな船が立ち寄り栄えるなど、さまざまな文化が通ったという特異性も重なる。北川フラム氏はそんな珠洲に今スポットがあたることについてこのように述べている。

「珠洲は今までの価値観では日本列島のさいはての土地です。しかし日本各地の生活文化が集積し、そのあらわれである祭りはキリコ、曳山やヨバレの風習として今も残る日本文化の源流が湧き出ずる場所でもあります。それは今の時代、逆に希望のありかとしての特異点になるものです。」

「地球環境の悪化と資本主義の倫理性が問われ、日本列島の成立と未来を考えなくてはならない現在こそ、珠洲の持っている日本文化の原型、忘れられた日本が意味深いものになるでしょう。伝統的な文化と最先端の美術が響きあう芸術祭をつくりあげましょう。」


アーティストには、塩田千春、石川直樹らの名前

まだ先に思われるが、2017年秋の開催に向けて準備がはじまった。まずは参加アーティスト約50名のうち9名が発表になった。石川直樹、塩田千春、ひびのこづえなど、さまざまなアートジャンルから著名人の名前が並んだ。

▼参加決定アーティスト 第一弾発表(2016年2月15日時点)
浅葉克己(日本)
EAT&ART TARO(日本)
石川直樹(日本)
エコ・ヌグロホ(インドネシア)
塩田千春(日本)
中瀬康志(日本)
ひびのこづえ(日本)
深澤孝史(日本)
リュウ・ジャンファ(中国)

また、奥能登国際芸術祭の開催にむけて、奥能登珠洲の魅力を再発見する参加型公式プロジェクト「おくノート」も始動。地元住民と奥能登珠洲を旅する人々による「わるないわ~奥能登珠洲 写真と言葉の投稿コンテスト」や、地域の魅力を深く掘り下げるフリーペーパー「おくノート」の発行、芸術祭会期前に様々なイベントの開催を通して奥能登珠洲の魅力を発信していく。



▼開催概要
奥能登国際芸術祭
名称:奥能登国際芸術祭
会場:石川県珠洲市全域
作品・プロジェクト数:約50点
会期:2017年9月3日(日)~10月22日(日) ※予定
公式ウェブサイト:http://oku-noto.jp
公式Facebook:https://www.facebook.com/okunotojp
公式Twitter:https://twitter.com/okunotojp

主催:奥能登国際芸術祭実行委員会
実行委員長:泉谷満寿裕(珠洲市長)
総合ディレクター:北川フラム(アートディレクター)
クリエーティブディレクター:浅葉克己(グラフィックデザイナー)
コミュニケーションディレクター:福田敏也(広告・WEBプランナー)
公式写真:石川直樹(写真家)

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