標高4000mの自然が生んだ美しい景色。
地球の反対側、日本から遠く離れた南米。長年欧州の植民地化にあったこともあって、比較的貧しい国も多いと聞きますが、南米のすごいのは、自然がたっぷりそのままで残っていること。ブラジルのイグアスの滝、アマゾン、パタゴニアなんかも、自然に溢れ、動物が多く、とても美しいと聞きます。ペルーのマチュピチュも南米旅行の人気スポットですね。
南米に行くのには、たいていアメリカの都市(ロサンゼルス・ニューヨーク・アトランタ・マイアミなど)か、ヨーロッパの都市(フランクフルト・パリなど)、オーストラリアのシドニーなどで乗り換えが必要、移動時間が30時間を超えることもあり、移動が便利になった今も地球の裏側は遠いです。
①自然の神秘を感じるウユニ塩湖
最近、日本人の人気が高まっているのは、ボリビアに位置する標高4,000mの塩の湖、ウユニ塩湖。何億年という長い時間をかけて、雨季と乾季を繰り返すことで、山の谷に水がたまり、溶けたミネラルが乾季にたまり、その上にまた水がたまり、溶けたミネラルが乾季にたまる。これを繰り返していくうち、なんと直径100キロの塩の湖ができたそう。今も、雨季(10月頃〜3月頃)になればうっすら水が張り鏡面になり、乾季(4月頃〜9月頃)がやってくると塩の真っ白な大地が広がります。鏡面で反射し、360度広がる空を歩いているかのような塩湖散歩は、地球の大きさと美しさをいっぱいに感じられます。夜になると、地平線(視界を遮るものはなにもありません)から続く星空が、水に反射して本当に美しい。実はヨーロッパの旅行客に人気なのは乾季の白い大地。遠近法を使って写真撮影を楽しんでいます。
周囲には赤い湖、野生のフラミンゴがたくさん生息する湖などもあり、いずれも自然の神秘的な「美」に触れられるスポットです。
②生活を垣間見る
たとえばウユニ塩湖では、その一帯乾燥地帯ですし、標高がとても高いこともあって産業がない。唯一はこの塩湖の塩なのです。だから、私たち観光客がいる傍ら、彼らは塩を切り出し、出荷準備をする。塩は私たちの生活でもそう高いものではないですよね。たくさん出荷しても、さほどのお金にはならない。だから、暮らしは見るからに、そう豊かではありません。塩湖から街に戻る途中、トラックの荷台に多くの人が乗っている様子も、よく目にしました。
日本の生活が当たり前でないことを、肌で感じます。
③南米の文化に触れる
ブラジル、アルゼンチン、チリ、ペルーなど、それぞれの国によって文化も異なります。これも、歴史的にどこの国に支配されていたのか、どうやって独立した経緯があるのかなども大きく影響しているようです。
チリのバルパライソは、海岸沿いの丘が「青空美術館」と題して、ストリートアートで埋め尽くされている広大なエリアがあります。日本で目にするストリートペインティングとは、色彩感覚も描かれるテーマも少しずつ異なります。角を曲がれば、そんな新しい表情に出会えるこの町は、写真を撮りながらお散歩をするだけでもとても楽しめます。
他にも低予算で行きやすい国には、パッケージが整っているアジア(中国・タイ・ベトナム・台湾など)や、貧富の差が大きく、宗教を大切にするという意味で文化が異なるインド、未だ現代アートは先端を走り続けるニューヨーク、生活の中にたくさんの美学が詰まった北欧(ここ数年で直行便ができて日本から行きやすくなりました)など、オススメしたい国はたくさーんありますが、PARTNERにはそんな国々に住んで活動して、もっと詳しいライターが多くいるので、今回は、あまりライターが住んでいなさそう地域を、私なりに3回に分けてご紹介しました!いかがだったでしょうか。
▼勝手に連載!「美大生は旅に出よう」
#01 「美大生は旅へ出よう!海外への旅をオススメする理由」
#02「美大生は旅へ出よう! お金はちょっとでも、ずっと豊かに旅はできる!」
#03「美大生は旅へ出よう! 見て感じて楽しむ 旅で出会う「美」~欧州編」
#04「美大生は旅へ出よう! 見て感じて楽しむ 旅で出会う「美」~モロッコ編」
#05「美大生は旅へ出よう! 見て感じて楽しむ 旅で出会う「美」~南米西側編」
#06「憧れのジブリの世界が現実に!? ジブリ好きなら一度訪れたい南米の森」
#07「絶景!フラミンゴの住む南米の砂漠街。サン・ペドロ・デ・アタカマ【前編】」
#08「絶景!世界一星の綺麗な南米の砂漠街。サン・ペドロ・デ・アタカマ【後編】」
編集者/メディエイター。美大での4年間は「アートと世の中を繋ぐ人になる」ことを目標に、フリーペーパーPARTNERを編集してみたり、展覧会THE SIXの運営をしてみたり、就活アート展『美ナビ展』の企画書をつくったりしてすごしました。現在チリ・サンチャゴ在住。ウェブメディアPARTNERの編集、記事執筆など。