南北1000kmに渡る巨大な砂漠、雨は15年に一度という世界一の乾燥地帯。
その北にある観光地、サン・ペドロ・デ・アタカマへ行ってみた。
さて、【前編】に続いて今回も、南米チリの北、アタカマ砂漠を紹介します。今回訪れたアタカマ砂漠北、ボリビアにほど近いサン・ペドロ・デ・アタカマという街、念のため自作の地図で復習を!
トラブル発生!で感じた、ガイドさんの仕事への熱情。
さて、前回の記事で紹介した砂漠アタカマ塩湖のフラミンゴ。フラミンゴといい、塩湖の美しさといい、それに勝る感動はありませんが、さらに山を車で上がっていくと、標高4300mには他にもたくさん美しい風景がありました。
帰り道、急にツアーの車が止まりました‥‥。
砂漠のど真ん中で、降りろと言うことらしいのですが。
うん‥‥?
タイヤが、パンク!
これもまた、砂漠ならでは、いい思い出です。
砂漠のど真ん中、標高4000m、街まで車で2時間。
私の感覚ではもはや「こんなところでパンクだなんて!」と緊急事態。
一人タイヤと奮闘するカルロスに、「なにか手伝えることは?」と聞いてみました。
「これは僕の仕事だからね。ちょろいちょろい」
なんとクールな‥‥。そう言いながらも、車の下で吠えていましたが‥‥!
つい「プロフェッショナルだなぁ、このおじさん。」と思ったのでした。
小さな街の歴史と暮らし。砂漠の知恵。
砂漠の街というと、水も食べ物も乏しいイメージがありますが、実はこのエリアは雨は振らなくとも山の雪解け水で川が流れています。昔々、インカ帝国が砂漠の街ソカイエに攻め入ったとき、彼らは武力占領するのではなく、自分たちの農墾技術や生きる知恵を植え付けたのだそう。今も、インカ帝国が伝えた段々畑と農業用の水路が残っていました。
南米版地獄谷!? 砂漠の温泉地帯へ!
さて、最終日も朝5時に出発し、標高4000mの山をのぼっていきます。
向かうは南米版地獄谷。高山地帯の谷に、温泉が湧くのです。
一定周期で水蒸気や熱湯を噴出する間欠泉が、こんなところにあるなんて‥‥。
砂漠にもたくさんの動物がいる。
標高4000m以上で出会った野生動物!
以前チリの南の森を紹介した時にも、遭遇した野生動物を紹介しましたが、
今回も各スポットへ向かう途中、いろいろな動物たちに出会いました。
参考:憧れのジブリの世界が現実に!? ジブリ好きなら一度訪れたい南米の森
砂漠にいたのは、アルパカやリャマのような動物、ビクーニャ。
そしてキツネやオオカミ、リャマでした。
少し余談ですが、こうしたところには動物狩猟の問題と背中合わせ。
アルパカよりも品質の良いビクーニャの毛はあちこちで人気が高い。しかし1キロとるのに3匹のビクーニャが必要ということもあり、チリではビクーニャ保護のため狩猟が禁じられています。実際には、周囲のボリビアなどで合法のため、チリのビクーニャたちが闇市場で取引されているなどの問題もあるのだそうです。
サン・ペドロ・デ・アタカマは世界一星が綺麗な地。
天の川だって、流れ星だって見える。
さて、こうして3日間の高山を巡る旅を終えました。
今回、実は2晩ともチャレンジして見れなかったのが、世界一綺麗に見える星。
天文学者も観測に訪れることで有名なサン・ペドロ・デ・アタカマなのです。
なかでも有名なのがALMAプロジェクト。ここで、ビッグバンやブラックホール、宇宙に生息する生命の調査が行われているというから、なんだかロマンチックですね!
▼アルマプロジェクトとは?
アルマ望遠鏡は、南米のチリ共和国北部にある、アタカマ砂漠の標高約5000メートルの高原に建設されます。アタカマ砂漠は年間降水量が100ミリ以下でほぼ年中晴天なこと、さらに標高が高いため水蒸気による電波吸収の影響を受けにくいことなどから、比較的短い波長(高い周波数)の電波でも観測可能で、アルマ望遠鏡の観測波長域となるサブミリ波もとらえることができます。
(アルマ望遠鏡ウェブサイトより)
自分の目で見れなかったことが悔やまれます‥‥。
いつかリベンジしたい‥‥。そんな想いを掻き立てるべく、今回はアルマ望遠鏡のサイトから、観測された星をご紹介して終わろうと思います。
さて、サン・ペドロ・デ・アタカマの旅いかがだったでしょうか。
思っていた以上にボリューミーな旅行記となりました。
そして、写真では伝えられませんが、標高が高く何度も登ったり降りたりしたこともあり、体のダルさと頭痛(=高山病)と共にあった3日間でした。
サン・ペドロ・デ・アタカマの街を去る時、ちょうど「聖ペドロの日」を祝うお祭りが繰り広げられていました。あのメインストリートで、老若男女みんなが衣装をきて踊ります。もっとゆっくりお祭りを楽しんでいけたら‥‥と後ろ髪を引かれつつ、帰路につくのでした。
▼勝手に連載!「美大生は旅に出よう」
#01 「美大生は旅へ出よう!海外への旅をオススメする理由」
#02「美大生は旅へ出よう! お金はちょっとでも、ずっと豊かに旅はできる!」
#03「美大生は旅へ出よう! 見て感じて楽しむ 旅で出会う「美」~欧州編」
#04「美大生は旅へ出よう! 見て感じて楽しむ 旅で出会う「美」~モロッコ編」
#05「美大生は旅へ出よう! 見て感じて楽しむ 旅で出会う「美」~南米西側編」
#06「憧れのジブリの世界が現実に!? ジブリ好きなら一度訪れたい南米の森」
#07「絶景!フラミンゴの住む南米の砂漠街。サン・ペドロ・デ・アタカマ【前編】」
#08「絶景!世界一星の綺麗な南米の砂漠街。サン・ペドロ・デ・アタカマ【後編】」
編集者/メディエイター。美大での4年間は「アートと世の中を繋ぐ人になる」ことを目標に、フリーペーパーPARTNERを編集してみたり、展覧会THE SIXの運営をしてみたり、就活アート展『美ナビ展』の企画書をつくったりしてすごしました。現在チリ・サンチャゴ在住。ウェブメディアPARTNERの編集、記事執筆など。