11月7日(木)、手羽は朝1で
慶応義塾大学三田キャンパス・・・
の目の前にある南別館慶應義塾大学アート・センターに来てました。
こちらの展示を見るためです。
■SHOW-CASE PROJECT Extra-1 冨井大裕 モノコトの姿
会期:2024年10月21日(月)- 2025年1月24日(金)
11:00-18:00
休館:土日祝・12月28日(土)- 1月5日(日)休館
会場:慶應義塾大学アート・センター(三田キャンパス南別館1階アート・スペース)
今年から3年にわたって行われる「SHOW-CASE PROJECT Extra」は、一人の作家が同じ展示室に連続してアプローチする取り組みで、作家にムサビ彫刻学科主任教授の冨井先生が選ばれた、ってことですね。
昨日も書きましたが、現在ムサビ図書館では学生・教職員限定公開で共通彫塑・戸田先生と彫刻学科・冨井先生の2人展が開催されてるんですが、
戸田先生の作品も空間に合ってて素晴らしいのですが、冨井先生の展示がすごくよくて。
「これ、ビバホームで買ってきたものをちょちょっとくっつけて置いただけでしょ?」とも思っちゃうけど、にしてもキレキレで。戸田先生の作風は自分の延長線上、もしくは近い領域にあるから、「すごいなあ」と思いつつも必死に30年ぐらい頑張って制作してたら近い世界にはいけるような気はするんです。でも冨井先生のこのセンスは全く持ち合わせてないんで、多分何年頑張っても絶対に作れない。でも自分が作りたいのはこっちの方で(笑)
「もっと冨井成分を吸収したいなあ」と思ってたら慶応アートセンターで個展をやってることがわかり代休使ってやってきた、と。
慶応生はこれを見て、どういう感想持つんだろう。
トークイベントが11月30日(土)、ワークショップが12月7日(土)に行われるので、そのタイミングで行ってみるといいかも。
で、そのまま
東京大学本郷キャンパスへ。東大は2年ぶりかな。
赤門は前回来た時も耐震診断中で通れなかったけど、工事が終わった今も閉鎖されてました。2025年度以降に耐震工事をされるそうなので、それまでずっと通れないみたいですね。
なので今は赤門から70m先にある
伊藤国際学術研究センター門から入る形になってます。
東大のこの時期といえば銀杏並木。
写真映えはするけど、画像じゃ全く伝わらないのが銀杏の匂いでして・・・。
大量に道路に落ちた銀杏を避けながら
こちらは安田講堂。
大型工事やコロナが終わったからなのか、2年前よりも空間の広がりを感じました。
そのまま工学部2号館へ。
何しに来たかというと、こちらの展示を見るためです。
■東京大学制作展 2024 『付いて離れて』
●日時:2024年11月7日 (木) - 11日 (月) 11:00 - 19:00(最終日17:00閉場)
●会場:東京大学 本郷キャンパス工学部2号館2Fフォーラム、2F展示室、9F Sky Presentation Room|情報学環本館B1情報学環オープンスタジオ
「表現活動と研究活動の両立」を2000年設立当初からテーマに掲げる東京大学大学院 情報学環・学際情報学府が中心となって、情報・メディアアート分野の教員達の監修の下、多様なバックグラウンドを持つ学生たちが7月の前哨戦・11月の本展示という構成を企画・制作・運営を経験する展覧会です。
展示場所は点在してて、こちらは2Fフォーラム。
一言で説明するなら「東大のテクノロジーメディアアート展」。
手羽は2017年からタイミングがあえばできるだけ足を運ぶようにしています。
過去記事はこちら↓
■【美大と東大のアートの違い】第19回東京大学制作展 “WYSIWYG?”に行ってきた
■【ロボットと人間が恋に堕ちたら?】東京大学制作展 Extra2018 Dest-logyに行ってきた
■【聖地巡礼】第20回東京大学制作展 "Dest−logy REBUILD"に行ってきた
■【そこに宇宙を見た】東京大学制作展Extra 2019 enact one's selfに行ってきた
■第24回東京大学制作展「Emulsion ー 混ぜる、混ざる、混ざらない? ー」に行ってきた
9階のSky Presentation Roomへ。
「Living Lens」。
格子模様が水滴で歪んで見える・・というアイデアは昔からありますが、電極をあてることでそれが動くんです。これが今までにない新しい感覚で。
「chaosync」は観客が注視することでメトロノームは次第に同期され、目線を外すとカオスが始まります。
複数の動くメトロノームを揺れる台の上に乗せるとやがて同期するのは知られてる話ですが、「観客が注視すると」という要素が入るとアート作品になる。
「心の味わい」は、感情に合った料理を注文できる作品。
いくつかの質問に答えると、それに今の心情にあった料理の香りが提案され、レシートで出してくれます。
って動画で見た方が早いですね。
この日の手羽の心情は「ミックスナッツ」。
しかし、東大がこの分野に手を出すのは美大にとってほんと脅威で、ここで見た作品がアート系コンペで受賞してるところを何度か見てるんですよ。東大制作展で「この作品面白いなー」とブログにのんきに書いてたら、SICFに出展されてて、見事に受賞してたことがあって・・ほんと勘弁してほしいっす・・。
でも美大にいるとどうしても「美大っぽい作品」ばかり見てしまう(基準にしてしまう)ことになるので、「こういうアプローチがあるんだな」「お互いが補ったらもっと面白いものができるかも」と自分の美意識をリセット・再確認する意味でも美大生は東大制作展に行く価値があると思います。
次の会場へ。
情報学環本館のB1情報学環オープンスタジオはちょっとわかりにくい場所にあるけど、手羽は何度も来てるので地図も見ずに行けるようになりました。
「触れる不可能立体」は、VRを通してペンローズの階段に触ることができます。
「無限階段に触れる」というアプローチも今までなかったんじゃないかしら。発明だなあ。
帰り際に「こちらもどうぞよろしくお願いいたします」と渡されたのが、
東京大学制作展の企画や運営、制作活動を担う学生さんたちを支援するための東京大学制作展クリエイターズ基金のチラシ。
他大学へ行くと張り紙をチェックするようにしてて、
「計算物理」って漢字を見るだけで数学も物理も苦手な手羽は恐怖モノ。
ちょっと遅めのランチを食べるために安田講堂の地下にある学食へ。
この秘密基地的な空間が大好きでして。
唐揚げ丼は630円だったかな。
以上、ひとつ今年の東大制作展にリクエストをするならば、
キャプションにライトを当ててほしかったなあ、の手羽がお送りいたしました。
真っ暗で全然読めなくて・・・。
【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。