【ロボットと人間が恋に堕ちたら?】東京大学制作展 Extra2018 Dest-logyに行ってきた #iiiEx

2018年7月7日(土)

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7月6日、こちらへ行ってきました。

はい。どこかわかりますね。

東京大学本郷キャンパスです!

東大には意外とちょこちょこ来てて、本郷キャンパスは去年11月、
【美大と東大のアートの違い】第19回東京大学制作展 “WYSIWYG?”に行ってきた
こちらで来てます。以前よりもアジア系観光客が増えましたね。
ちなみに駒場キャンパスは
コワーキングスペースサミット2018に行ってきた(東大も)
6月に行ったばっかりだったりします。


何度目かの本郷キャンパスだから今更キャンパス紹介もないんだけど、昨日驚いたのは


  • これですね。大通路の上に2階建てプレハブが建ってた!


  • 下はこんな感じ。

上に載ってるのが「ただの2階建てプレハブ」ってところが潔いというか、意匠もへったくれもなく、むしろかっこいい。


次に恒例の張り紙チェック。


  • 開発資金とクラウド環境が用意される!


  • 先生から頼まれた論文をどうやって探したらいいのかわからない人に

てな感じでキャンパスをうろうろしてたら、あちこちに

こういうサインが立ってて、その通りに向かう。

場所は学際情報学府。


で、東大に何しに来たかというと、、、

東京大学制作展Extra 2018 Dest-logy
●会期:2018年7月6日(金) – 7月9日(月)
●時間:11:00–19:00
●入場無料
●会場:東京大学情報学環オープンスタジオ
●主催:東京大学大学院 情報学環・学際情報学府
https://twitter.com/iiiexhibition 
https://www.instagram.com/iiiexhibition/ 
https://www.facebook.com/iiiexhibition/


こちらを見に来たのです。
詳しくは昨日書いた記事をご覧ください。
【東大のメディアアート展】東京大学制作展 Extra2018 Dest-logyは「あたりまえ」じゃない
どう調整しても週末に行くことができないことがわかり、悩んだ末、朝のミーティングが終わったところでスタッフに「午後半休していい?」「えっ?」てな激白をし、急きょ行くことにしたのです。

それにしてもこんなに天気が悪いのに、人が多いなあ・・。
そして意外と女性の観客と作者が多いことにびっくり。


少し作品を紹介しましょう。


  • ため息を吐くと、その時に逃げた幸せが、花々に優しい光をもたらしながら水槽を漂っていく「Sigh-arium」。


  • 四葉のクローバーを探すドローン「A drone in search for the four-leaf clover Work in Progress」


  • 脳の部位を電極で操作して、特定の感情を獲得したり失わせる行為を体験する「こころ(edited)」。と書くとなんか怖い感じだけど、夏目漱石「こころ」をうまく使ってて文理融合を感じる


  • バーチャルに過剰に肯定されることを体感する「うれしい?」。


  • 「植物は見てないところで動いてるかもしれない」と人間が覗き込んでみると植物たちが動きを止める「かんじんなことは、」。


  • 電子ピアノで弾いた「音」がバーチャルな海中を魚の姿で泳ぎ回るVR作品「VR Piano Visualizer」。アイデアとしては昔からないことはないけど、VRで見ると感動します


  • 音楽に合わせて踊るのではなく、踊りに合わせて音楽が流れる「踊らせてみた」。


  • 「非武装で警察に銃殺された黒人」の過去数年のデータから殺されやすい人を学習、判別する「Anti-Bias Gun - Black Lives Matter Version -」。考えさせられます

個人的にこれはうまいなーと思ったのは、


  • 来場者のスマホ内の映像をアップロードして8mmフィルム状にする「8mmのおもひで」。

「透明シートにカラープリンタで8mmフィルム状態にプリントして1本につなげて投影する」という発想をよく思いついたな、と。
8mmフィルムの生産が終わってるから「カラープリンターでフィルムを作る」というのは思いつきそうで思いつかないアイデア。そしてプリンターだから拡大するとインクのドットが表示されてアートな作品になるのね・・ってこれは現物みないとわからないかも。


そして、「もしも、ロボットと人間が恋に堕ちたら、その先にはどんな未来が待ち受けているのだろうか?」をテーマとした「Robot Love」という作品に。
作者の方から「まず、VRゴーグルとセイシヘッドホンをつけてください」と言われる。
ん?セイシヘッドホン?制止?
ああ。VRで気分が悪くなった時にそれを感知して制止アナウンスをしてくれるヘッドホンってことか。VR酔いしちゃう人もいるっていうし、へー、今どきはそういうところまで気を使

精子ヘッドホンだった・・。

ストーリーは、精子となってロボットの卵子に出会う旅に出る。


  • そして「卵子バルーン」に入ったロボットと出会う。抱き合って受精!すると!!


  • 人間とロボットのハイブリッドな子供が生まれた。は、はじめまして、君のパパだよ。クネクネしてるけどロボットダンスしてるわけじゃないんだよ


  • 手をつなぐとこちらをじっと見て、動くと


  • ついてくる!決して引っ張ってるわけじゃなくこちらの動きに反応して一緒に動くんです。

この作品のコンセプトを作った学生さんは、前回の制作展で「Into The Womb」という子宮VR体験を作った方。はい、手羽もはっきり覚えてます。
前回が出産、妊娠で、今回は受精・・・次はどうなっちゃうんだろう・・・。

ハイブリット家族で記念撮影。
あ、一連の写真は東工大ワークショップに参加してた東工大生もメンバーにいたので撮影してもらいました(笑)



やっぱり「今はこうだけど、将来的にこういうふうに役立つ」的な発想(作品作りの言い訳)が裏に見え隠れしてて、そこが美大との違いなのかもしれない。美大のメディアアートだと「役になんか立たない。作りたいから作って何が悪い」な作品が多く、よく言えば制作・アウトプットへのアプローチがもっとシンプル。
生粋な美大人間なもんで個人的には美大的な・・あ、自己満足ではなくエンターテインメントに徹した「こいつ、バカだなー。テクノロジーの無駄使いじゃん(笑)」な作品が好きだったりしますが、でも十分面白い展示でした。
くどいけど、東大がこの分野に手を出すのはほんと勘弁してほしいんだけど(ぼそっ)

会場は、赤門からすぐだし、あちこちに看板が立ってるので迷うことはないと思いますが、ちょっとだけ「え。こっちにギャラリーがあるの?」と思う位置にあるので、不安な方はこちらのマップを参照ください。
子供も十分楽しめる展示になってるのでご家族でぜひ!
・・あ、「Robot Love」以外ですが・・。

 
以上、これからあかりちゃんのピアノ発表会に行ってくる手羽がお送りいたしました。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。