【聖地巡礼】第20回東京大学制作展 "Dest−logy REBUILD"に行ってきた #iiiEx

2018年11月19日(月)

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11月18日(日)、

東京大学本郷キャンパスへ行ってきました。
この2年ぐらいは定期的に東大に来てる気がする。

何しに来たかというと、

第20回東京大学制作展 "Dest−logy REBUILD"
●日程:2018年11月15日(木)-19日(月)
●時間:11:00-19:00
●会場: 東京大学本郷キャンパス工学部2号館 2階展示室・2階フォラム・9階92B
●入場料:無料
●主催:東京大学大学院 情報学環・学際情報学府

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これのためです。「東大が制作展」と気になるキーワードなもんで、ここ最近はチェックするようにしてます。
詳細については以前書いた記事をご覧ください。
【手羽オススメの美大以外の展示】第20回東京大学制作展 "Dest−logy REBUILD"とSFC Open Research Forum 2018


会場は去年と同じで3会場に分かれています。

まずは工学部2号館展示室へ。


  • Is that me?


  • 「生の装い」。砂鉄の気配を感じる


  • 「モーツァルトのゆりかご」。ニュートンのゆりかごが音楽を奏でるから「モーツァルト」ってことですね。光がキレイだし2個動かすと2声コーラスになります


  • 「二重人殻」。自分のドッペルゲンガーがVRで目の前に現れます


  • 「The world line 」。画像から生年月日を推測表示する作品


  • 最初「1990年」と出て「またまたー」と言ってたらどんどん実際年齢に近づいてきて途中で怖くて逃げた


  • 「Feelable Microscope」。一言で説明すれば「指に顕微鏡をつけただけ」だけど細胞のプチプチ感を感じられるのがすごい


  • 「VR Piano Visualizer+」。VR空間に音が広がる作品で前回も出展されてたバージョンアップ版

エレベータに乗って9階の会場へ移動。

やはり工学部の注意張り紙は独特。

92B教室に到着。
1階よりメディアアート寄りの作品が多かったです。


  • 「自律する影」。投影されてた影が


  • 言うことを聞かなくなる。この気持ち悪さは体験しないとわからないかも


  • World 9-1。映像がホログラムのようにそこにあるように見える


  • 8mm.make


  • Absent from Present


  • 「韻を踏む」。表示された文字をラップの様に韻を踏む作品。こういうの好き

フラッと同じフロアを教室を見ると

情報学環大学院の演習室はこんな感じだった。

で2階の吹き抜けへ。こちらにも作品が展示されてます。


  • EM☺︎-i


  • 「渦、それはパーティー」。リープモーションでキャプチャリングした手の動きが渦に反映される


  • 「guide-noid」。行き先を伝えると案内してくれるし人がいるとよけます


  • Electric World

JH科学「Electric Lolita City」の世界観をオマージュしメディアアート化した作品。



世界観である「真空管」「ロボット」「反重力」「物理定数」「薔薇」「ロリータ」「鳥カゴ」を具現化するとこうなる、と。映ってるのはロリータではなくおっさんだけど。
東大、東工大、明大などの混合チームで、音楽はネット経由でウイーンの学生さんに作ってもらったんだって。

ちなみにこの鳥かご、展示がおわった後は種子島に行くそうです。

で、ロボットの胸をトントンすると、

それがトリガーとなり、ハグされます。
手羽が襲ってるように見えるけど抱かれてるのです。
これを作ったのは前回「Robot Love」を作った作者で、前々回が出産・妊娠で前回は受精だったから、今回は「行為」を表現するんじゃないかとドキドキしてたけど、禁断の愛を追求した形だった。


どうしても美大との違いを考えてしまうのだけど、今回感じたのは「言葉が残されている」ってことかな。
というのも、今回説明を聞いて「なるほど。そういうことなんですね。面白いですね」と毎回言ってる自分に気が付きまして。言い方変えると「言葉で補完されることが前提に作られてる作品」が多いってことでもあり。
「研究発表」だとある程度仕方ないんですが、美大の制作展では「いかに言葉を使わずに造形と表現で伝えることができるか」、つまり「造形言語の追求」が中心にあるんで「なんとなく感じる違い」はそこかもしれません。
ただ前回よりもよりメディアアート寄りな作品が増えてて、ほんと東大がこっちに力入れてほしくないんですけど・・。
今日19日までやってるのでぜひ。

あ、ちなみに東大といえば、こういう展覧会もあります。
東京大学生産技術研究所70周年記念展示「もしかする未来 工学×デザイン」
●会期:2018年12月1日(土)-12月9日(日)
●時間:10:00-18:00 (12月7日(金)のみ20時まで開館。入場は閉館の30分前まで)
●閉館日:12月4日(火) ※美術館開館時間に準ずる
●会場:国立新美術館3階 展示室3B
●入場料:無料
●プロトタイプ出展:池内与志穂研究室、今井公太郎研究室、岡部 徹研究室、北澤大輔研究室、佐藤洋一研究室、瀬崎 薫研究室(小林博樹准教授)、竹内昌治研究室、新野俊樹研究室、藤井輝夫研究室、ペニントンマイルス研究室、山中俊治研究室、RCA-IIS Tokyo Design Lab、荒牧 悠、尾崎マリサ

「東大が国立新美で展示する」ってのが怖くて、ほんとアメちゃんあげるから勘弁してくれないかな・・。



目的の展示も見たし、構内を散歩することに。

東大はやはり秋に行くのがベストですね。

国立大学は銅像があちこちに置かれてて、これがまたいい作品が多い。
行くたびにチェックしてるんだけど、

日本の建築教育に多大な影響を残し、建築界の基礎を築いたジョサイア・コンドル氏の銅像。
鹿鳴館や湯島の旧岩崎邸を設計された方で、彫刻は新海竹太郎作です。

何がいいって、構内でスケッチを描いてる方がいっぱいいることですね。ここに写ってるのは全員スケッチしてる人なんですよ。


  • ものづくりフライデー

この日は日本現象学会の第40回研究大会をやってました。
「現象の学会って面白そうだなあ」とプログラム見たら「フッサールにおける論理学の主観的基礎づけ」とか「エマニュエル・レヴィナス現象学におけるセクシュアルな自己形成記述の解明」と全然自分のイメージしてるものと違ってて退散。

もひとつこの日は研究発表をされてて、


  • コンテンツ文化史学会が2018年度全国大会をやってたんです。

コンテンツ文化史研究の十年」というタイトルで、こっちはかなり手羽が好きな分野。
「聖地巡礼」って考えてみたら、アニメ・観光・交通・地域といろんな要素を含んだ今どきのコンテンツなんですよ。最近「2018年版 日本のアニメ聖地88」なんてのも発表されましたね。
つい「聖地会議 総集編」を買ってしまった(笑)
ちなみに東大はアニメ「ちはやふる2」「DEATH NOTE」の聖地みたい。


以上、10月、11月は週末を中心にあちこちでイベントがかぶってて、人の取り合いになってる気がする手羽がお送りいたしました。芸術の秋嫌い。
といいつつ手羽は

来週火曜にこちらの「これからの『クリエイティブ』な仕事を考える」 に登壇するんでよろしくお願いいたします。
10分プレゼンすることになってるんだけど、そろそろデータ作らないと・・。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。