【手羽オススメの美大以外の展示】第20回東京大学制作展 "Dest−logy REBUILD"とSFC Open Research Forum 2018

2018年11月7日(水)

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今日は手羽オススメの展示情報を2つ。
といっても美大関係ではなく、行くたびに「これ、美大の人はチェックしてほしいなああ・・」と感じるものを。


まず最初はこちら。
第20回東京大学制作展 "Dest−logy REBUILD"

●日程:2018年11月15日(木)-19日(月)
●時間:11:00-19:00
●会場: 東京大学本郷キャンパス工学部2号館 2階展示室・2階フォラム・9階92B
●入場料:無料
●主催:東京大学大学院 情報学環・学際情報学府

https://www.facebook.com/iiiexhibition/
https://twitter.com/iiiexhibition
https://www.instagram.com/iiiexhibition/

一言で説明するなら「東大のテクノロジーメディアアート展」
東京大学制作展は、7月に前哨戦(Extra)、11月に本展示という流れで開催されています。
7月Extraのテーマが"Dest-logy"。今回の本展示では前回提示した「壊したあたりまえ」のさらに先に見える世界線はどうなっているのかが気になり、テーマをあえて「Dest−logy REBUILD」にしたそう。

手羽は去年の本展示、今年のExtraを見てます。
【美大と東大のアートの違い】第19回東京大学制作展 “WYSIWYG?”に行ってきた
【ロボットと人間が恋に堕ちたら?】東京大学制作展 Extra2018 Dest-logyに行ってきた

いくつか今回の作品を紹介すると、


自身のドッペルゲンガーとの対峙であり、来場者の姿を会場でスキャンし、バーチャル空間で「自分」とのインタラクションを通じて自分を見つめ直す体験をする作品。


JH科学「Electric Lolita City」の世界観をオマージュしメディアアート化した作品。
なんとなく今回は「自分」をモチーフにした作品が多いような。


2回しか見てないけど、微妙に美大のメディアアート系展示と何かが違うんですよね(どっちがいい悪いではなく)
おそらく気になるモチーフが違ってて、多分美大生はもっと自分に近いものを表現してる感じだし、同じ主題でもアプローチがやはり微妙に違う感覚。
でもくどいけど、東大がこの分野に手を出すのは美大にとって脅威で、ほんと勘弁してほしくて。
これを共有できる人がまだ周りにいないもんで、美大関係者の方、見に行ってくれないかしら。


二つ目はこちら。
慶應義塾大学 SFC Open Research Forum2018

●会期 :2018年11月22日(木)・23日(金・祝)
●会場:東京ミッドタウン
・展示:東京ミッドタウン ホールA(ミッドタウン・イーストB1F)
・セッション:東京ミッドタウン カンファレンス(ミッドタウン・タワー4F)
・Pitch:東京ミッドタウン ホールB(ミッドタウン・イーストB1F)
●料金:入場無料・事前登録不要
●時間:
【2018/11/22 (木) 】展示・セッション:10:00-20:00(開場 9:30)|Pitch:10:00-19:00(開場 9:30)
【2018/11/23 (金・祝)】展示・Pitch:10:00-18:00(開場 9:30)|セッション:10:00-20:00(開場 9:30)

https://www.facebook.com/SFCORF
https://twitter.com/sfc_orf

SFC Open Research Forum 、略してORF。
慶応義塾大学SFC研究所で実施している種々の研究プロジェクトの現状と将来計画を、産業界・官公庁・自治体・学会等に広く紹介し、研究実施に必要な産官学協力関係の円滑化とその強化を図ると同時に、外部の評価を得て今後の研究計画に反映させる目的で開催されています。
一言で説明するなら「SFCの研究会が一堂に会した研究成果発表会」ですね。
今年のテーマは「After the Next Societies 次の(次の)社会」。

毎年ムサビ企画デザインハブ展の準備期間にミッドタウンホールでやってる・・そうだ今年のムサビ企画展はこちらです
東京ミッドタウン・デザインハブ第76回企画展 「企(たくらみ)」展 -ちょっと先の社会をつくるデザイン-

●会期:2018年11月25日(日)~12月24日(月・振休) 会期中無休
●時間:11:00-19:00※初日のみ11:00-18:00
●会場:東京ミッドタウン・デザインハブ
●入場料:無 料
●主催:東京ミッドタウン・デザインハブ(構成機関/公益財団法人日本デザイン振興会、公益社団法人日本グラフィックデザイナー協会、武蔵野美術大学 デザイン・ラウンジ)
●企画・運営:武蔵野美術大学 デザイン・ラウンジ、NPOグリーンズ


詳細は近日中に出します。
・・あ、脱線しちゃった・・・準備期間中にミッドタウンでやってるもので、最初はたまたま入場してみたんだけど、見事に圧倒されてしまって。
普段「天下のムサビ」「日本では二番かもしれないけど世界では一番のムサビ」とか言ってますけど、「ああ。これがSFCのパワーか(涙)」と。
ちょっとこれを見てください。

これ去年手羽が撮影した写真ですが、ド平日の初日の開場間もない午前10時過ぎでこの来場者なんですよ。ま、写真に映ってる半分ぐらいはSFC生だけど、それでもこのミッドタウンホールを埋める来場者を平日のこの時間帯に動員するって、ちょっとムサビ・・というか美大では無理。
なおかつこのブースの多さね。ブース数=研究してる数であり、ホールを埋めるほどの多様性のある研究展示は美大ではできない・・。


そして、

「SFCが研究発表会をミッドタウンでやる」ってだけで、これだけの大企業スポンサーがついちゃうんですから。美大だと周年事業だとしてもこのレベルの企業がスポンサーにつくことは厳しいのに、毎年やってるイベントでこのスポンサー数はちょっと無理。やっぱりSFCさんの卒業生ネットワークの力ってすごい。

そして会場もB1のミッドタウンホールのAとB、4階カンファレンス、5階リエゾンセンターを使ってて、グッドデザイン展以外のイベントでここまでミッドタウンを独占した企画はほとんどなく、なおかつ1大学のイベントとなると他にありません。
これもミッドタウンさんが「SFCさんなら人を集められるよね」と判断してるからで、もしムサビが「ミッドタウンホール使わせてください」とお願いしても「なに田舎もんが言ってるんだ」と鼻で笑われそうな気がする・・。


何が怖いって、最初見た4年前はパネルデザインや見せ方が素人同然で「そりゃデザイン教育を受けてないから当然か。ここは美大の勝ちだし、まだまだ美大も安泰だな(笑)」なんて安心できたのに(無理やり安心させた)、去年ぐらいから「あれ。見せ方が良くなってる・・・」と感じ始めてて・・・ほんと勘弁してほしいんです。大人しく、いらすとやのイラストを使って、ワードでレイアウトして、タイトルは3D文字で、いっぱい色を使ったパネルを作っててほしいのに。

でも毎年「絶対ORFは見に行った方がいいですよ」と言ってるんだけど、これも共有できる人が周りに全然おらず。気にせずのんびり八王子や小平で制作するのももちろんいいけど、気が付いたら総合大学にメディアアートやデザインで置いてかれちゃう気がして不安で不安で。
この2つの展示をチェックしてから、「そんなはずはない」と手羽を安心させてもらえませんかね>美大関係者


以上、今日紹介した3つの展示テーマが
「あたりまえを壊したさらに向こうにあるもの」
「 次の(次の)社会」
「ちょっと先の社会をつくるデザイン」

で、たまたまなんとなく似てるのはそういう機運なのかなあ、と感じる手羽がお送りいたしました。
特にORF「次の(次の)社会」とハブ展「ちょっと先の社会」がそっくりだけど、ムサビの「ちょっと先」という奥ゆかしさが好きです。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。