【ムサビ生限定】ムサビ×東京工業大学 合同WS「コンセプト・デザイニング2023-異分野造形ワークショップ-」参加者募集!【ファインアート系も大歓迎!】

2023年5月17日(水)

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前からお知らせしてきたこちらの募集が今週から始まりました。

■東京工業大学との合同ワークショップ「コンセプト・デザイニング2023-異分野造形ワークショップ-」
●日時 :2023年7月24日(月)~29日(土)基本的に15:30-19:00開催
●会場 :7月24日、25日東京工業大学 大岡山キャンパス|7月26日~29日武蔵野美術大学 市ヶ谷キャンパス
●対象者 :学部3・4年生、大学院生 ※ ファインアート系の学生大歓迎!
●募集人数 :15名 ※ 希望者多数の場合、抽選
●担当教員 :東京工業大学 野原佳代子教授(環境・社会理工学院)|武蔵野美術大学 小林耕平教授(油絵学科)、古堅真彦教授(視覚伝達デザイン学科)
●申込方法:ライブキャンパスや貼紙をご確認ください


東京工業大学(以下東工大)と武蔵野美術大学は、「論理展開力を持ったアーティスト育成」「アート・デザイン感性を持ったエンジニア育成」を目指して、教育研究に関する協定を2013年に締結しました。
武蔵野美術大学と東京工業大学が協定締結式を行いました
その締結のきっかけとなったのがこの合同ワークショップ「コンセプト・デザイニング」で、今回で12回目。なんと10年以上続くワークショップなんです。
2024年に東工大さんは東京科学大学に名称変更するから「東工大との合同WS」と言えるのは今年が最後だと思ってたけど、統合は秋と発表されたので来年まではそのままですね。


  • コンセプト・デザイニング2022の様子。集合写真

「コンセプト・デザイニング」は、大学混合編成で進められるグループ型造形ワークショップで、ひとつのテーマ(お題)からコンセプトを構築し、簡単な造形物を作りプレゼン、というステップをふみます。

「コンセプト・デザイニング」という授業名から、そして「東工大と一緒に」ということもあり、「グループで電子工作やるの?」「ファインアート系は関係ないんでしょ?」「よくあるデザイン思考系のワークショップ?」と思われがちです。
確かに一般的な「理工系と美大の合同授業」だと、「中身やシステムを理系が考え、外側を美大生がオシャレに作る」なステレオタイプ的な手法でやってることが多いかもしれません。「コンセプトは頭のいい僕たちが作るから、美大さんはガワのデザインだけ考えて」ってパターン。


  • コンセプト・デザイニング2022の様子。何をやってるんだろ・・

このワークショップの趣旨はずばり「思考」「言語」です。

最終アウトプットの完成度はあまり求めていません。
もちろん「美大の表現力と理工系の技術力で」という部分も必要なんだけど、それよりも相互コミュニケーションによって、
・両者の得意とする視点を学び合い、相互の専門性を活かした力の補完を目指す。
・これまでになかった発想の転換・飛躍を体験する。
・「なんか好き」「面白い」の感覚を相手にちゃんと説明し理解させる。
・理工系と美術系の思考と言語は「何が違うのか」「違わないのか」を知る。

を感じてほしいと思っています。

例えば、この合同WSをずっと担当してきて、東工大生はゴールを設定してあげると圧倒的な力で最短の最適解を見つける能力が優れているし、一方ムサビ生はゴールが存在しない中での自由な発想展開力が優れていることがわかってきました。
そしてムサビ生は「絵を描いて考える」、東工大生は「考えてから絵を描く」と、思考のステップ自体が違うことも。「言語が違う」とも言えますね。
グループでアイデアが煮詰まった時にムサビ生がいきなり大きな発泡スチロールを切り出し、東工大生が「考えが決まってないのになんで?!」と驚き、ムサビ生が「とりあえず作ってみないとわかんないじゃん。形からアイデアが見える時があるよ」と答える象徴的なシーンがありました。


  • コンセプト・デザイニング2022の様子。アイデアチェックする野原先生

というわけでコンセプト・デザイニングをもっとかみ砕いて説明するなら、「お互いの思考や言語の『違い』を感じつつ、サイエンス思考とエンジニア思考とデザイン思考とアート思考をごちゃまぜにしたクリエイティブ思考を使ったコミュニケーション中心のワークショップ」となります。
ここまでそれぞれの「思考」を中心においた合同授業は、日本では他にありません。断言できます。

また、「デザイニング」なのにムサビ側はファインアート、デザイン関係なく全学科参加OKだし、教員も視デ・古堅先生と油絵学科の小林先生に担当してもらってます。


  • コンセプト・デザイニング2022の様子。講評中の古堅先生

「デザイン系とファインアート系の教員が同じワークショップを担当する」というのは他美大では意外と難しく、これをやれるのがムサビの強みだったりします。なのでファインアート生も大歓迎なのです!

現在、理工系大学を中心にいろんな大学が「どうやったらデザイン思考やアート思考を取り入れられるか?」を必死に研究しています。東工大さんもそうですが、東大然り、京大然り、九大然り、SFC然り、東海大然り、法政大然り、中央大然り、芝浦工大然り、千葉工業大然り、電通大然り。
でも、何度か理工系大学がやってるデザイン思考ワークショップ発表会を見学したことありますが、「ステップ」「型」の勉強をしてるだけで、美大の人間からすると「型は大事だけど、それだけ学んで使い物になるの?」と感じることが少々・・。


  • コンセプト・デザイニング2022の様子。最終プレゼンテーション

また、この手のワークショップだと通常のテーマは「●●で社会問題を解決しなさい」「企業にヒアリングして提案しなさい」だったり具体的なものになると思いますが、先ほど書いたとおり相互コミュニケーションによる「展開」「発想の飛躍」「思考と言語の違いを感じてもらう」が目的なので、あえてコンセプト・デザイニングではフワフワしたお題を出すようにしています。
「テーマ」ではなく、美大で言うところの「モチーフ(きっかけ)」に近いかもしれません。

ここ数年のお題をピックアップすると、「想いが伝わるラブレター」「オトナとコドモ」「くりかえす」「ながいもの」「恋」「鏡」「右 左」など全然社会問題を解決できるようなテーマじゃありません。理工系な考えだと「なんでそんな役に立たないことを真剣に考えなくちゃいけないんだ?!」だと思います(笑)


  • コンセプト・デザイニング2022の様子。お題発表。

ちなみに去年のお題は「ふる ふれる」でした。
例えば、これを「振る」とだけ解釈して「振動する装置を作る」みたいなところで終わったら、一般大学の通常課題レベル。そこから更に粘って連想ゲームすることを求められるのがこのワークショップの醍醐味だったりします。

どんな感じでやってるかは、昨年のコンセプト・デザイニング2022の様子を参考にご覧くださいませ。
【3年ぶり】東工大×ムサビ合同ワークショップ「コンセプト・デザイニング2022」スタート!
【DNPさんありがとう】東工大×ムサビ合同WS「コンセプト・デザイニング2022」3日目!!
【中間プレゼン】東工大×ムサビ合同WS「コンセプト・デザイニング2022」4日目!【河野さんが代打で書いてくれた】
【3年ぶりに東工大レポート】ムサビ×東工大合同WS「コンセプト・デザイニング2022」最終日!!
【最終プレゼンスタート】ムサビ×東工大合同WS「コンセプト・デザイニング2022」最終日その1!
【最優秀賞はこのチーム】ムサビ×東工大合同WS「コンセプト・デザイニング2022」最終日その2!


  • コンセプト・デザイニング2022の様子。ブレスト

 
さて今年は、前半2日間を東工大大岡山キャンパスの地球生命研究所 三島ホール


  • コンセプト・デザイニング2022の様子。

後半4日間をムサビ市ヶ谷キャンパスで行うことになってます。


  • コンセプト・デザイニング2019の様子。市ヶ谷キャンパスを使うのは4年ぶり

工事も終わり、市ヶ谷キャンパスをメインで使う記念すべき回ですね。
最終日はあるイベントとかぶってるんだけど、それはおいおいと。
 
やらない理由が全く思いつかないこのコンセプト・デザイニング。
ハードルがあるとすれば「かなりハードなワークショップであること」ぐらいかな。
単位も出なければ交通費も出ないのに、1週間ずーーーと考えてなくちゃいけない。
でも参加者派の満足度が毎年かなり高いです。


  • コンセプト・デザイニング2022の様子。みんなでアイス食べながら

ずっとみんなで思考を続けるワークショップなので、中盤になってくるとお互い仲良くなり、どの学生さんがムサビ生なのか東工大生なのかわからなくなってきます(笑)
あ、ちなみにキャリアチームによると、就活時の略歴書に「東工大WSに参加」と書くと、必ずといっていいほど面接官に「え。東工大と何をやったの?!」と聞かれるそうです。「美大での学びだけじゃなく他分野との学び」に皆さん興味を持つようで、活動欄に書くことがない人もぜひ。
東工大生の時にコンセプト・デザイニングに参加し、ムサビを好きになってムサビ大学院に入学しちゃった学生さんもぜひ。



以上、ベースにある「わからないものを最初から否定するのではなく興味を持つ」は、話題になってる
生成系人工知能(生成AI)についての学長からのメッセージ
にも通じるものがあるなあ、と感じる手羽がお送りいたしました。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。