【3年ぶり】東工大×ムサビ合同ワークショップ「コンセプト・デザイニング2022」スタート!

2022年7月27日(水)

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7月25日(月)、手羽は

市ヶ谷のDNPプラザにきてました。
DNPプラザと市ヶ谷キャンパスの距離感は

左端の黒いビルが市ヶ谷キャンパス。
建物と道路を一本挟んだ、スープが冷めない距離にあります。

そこへ何をしに来たかというと、

6日間のムサビ×東京工業大学合同のワークショップ「コンセプト・デザイニング2022」が始まったのです!!

2011年にデザイン情報学科と東工大合同のワークショップとしてスタートし、それを全学的に位置付けて今に至ります。
どういうワークショップかはこちらをご覧ください。
【ムサビ学部3年以上・大学院生限定】ムサビ×東京工業大学 合同WS「コンセプト・デザイニング2022」参加者募集!【ファインアート系も大歓迎!】
東工大生は大学院、ムサビ生は3年生以上・専攻学科不問のワークショップで、コロナで2年中止になったけど、年に2回やった年もあるから、今年で11回目のコンセプト・デザイニング!!

教員とTA紹介。
最初の3日間は市ヶ谷、残り3日間は東工大大岡山キャンパスへ場所を移動し、最終日の土曜日に成果物(造形物)を使いながらプレゼン・・という流れになっています。


このワークショップの趣旨を説明しておきましょう。

理工系大学をはじめとしていろんな大学が「デザイン思考」を取り入れてますが、「フォーマット(型)を教えておしまい」になりがちです。
また、「東工大とムサビが合同で」と聞くと「理工系と美術系の融合により東工大が中を作って、ムサビ生がオサレなガワを作る!」みたいな安っぽいものをイメージされがちですよね。


  • コンセプト・デザイニング説明スライドより

でもこのワークショップは、「お互いの文化・言語・思考の違いを感じながら理工系思考とアート思考とデザイン思考をコミュニケーションでつなぎ、補完・理解しあう経験をする」がポイントになっています。


  • コンセプト・デザイニング説明スライドより

モノヅクリの大学同士のワークショップなのに最終成果物の精度を(それほど)求めてないのがその証拠。それよりも言葉やイラスト、ジェスチャーなどあらゆるコミュニケーション手段を使って、思考や発想の飛躍などを体験・理解しあうことを優先しよう、と。
ちなみに手羽が嫌いなのが「グループ発表で1人だけしゃべって、あとは後ろでチョコンとみてる」でして、最終プレゼンでは「必ず全員役割をつけること」を条件にしています(笑)

 
まずは先生によるレクチャー。

ムサビ視覚伝達デザイン学科の古堅先生から「デザイン思考」について。

続いて、

翻訳学を専門とされる東工大の野原先生から「コミュニケーションってなんだろう?」という問い。

翻訳学って聞けば聞くほど面白い学問分野でして、例えば「猫」のことを日本語だと「にゃんこ」「ネコちゃん」等と関係性によって表現が変わるけど、英語だと「cat」しかありません。「いただきます」「ごちそうさま」「忖度」も対応した英語がなく、そこには日本語と英語の微妙なコミュニケーションや文化の差異があります。
その「差異」「読み替え」を研究するのが翻訳学で、言語だけじゃなく、エンジニアとデザイナーの思考の差異だったり、科学技術を社会とシェアするために必要な読み替えも翻訳学のテリトリーに入り、そこで必要になってくるのがコミュニケーション。

野原先生の話が面白くて、前に出て行って写真を撮るムサビスタッフの河野さん。


さて、今年のお題を発表しましょう。

この手のワークショップだと通常は「●●で社会問題を解決しなさい」「企業にヒアリングして提案しなさい」なお題になると思いますが、先ほど書いたように「コミュニケーション」「発想の展開・飛躍」が起きやすいように、現実的なものではなくあえてフワフワしたお題を出すようにしています。
ここ数年のお題をピックアップすると「想いが伝わるラブレター」「オトナとコドモ」「くりかえす」「ながいもの」「恋」「鏡」「右 左」等々。
お題は「テーマ」というより「きっかけ」「動機」「モチーフ」にニュアンスが近く、美大生は慣れてることだけど、東工大生にとっては「これを追求してなにが解決すんの?」な初めての経験かもしれません。

で今年は・・

「ふる ふれる」です!(ドーン)
実は去年の段階で決めていたお題でして、これにはそれ以上も以下の意味もありません。


時間がないのですぐさまディスカッションに入りたいところだけど、みんな初対面なのでアイスブレイクから。

アイスブレイクの担当も手羽で、本当なら会話が生まれるやつをやりたいけど、コロナもあるからしゃべらずに無言でコミュニケーションをとれるものを。

無言で「まさしのMです」をアピールするムサビスタッフ。
ムサビのMでもあるけど。


てなことをやりつつ、いよいよブレストに突入!


  • ついコミュニケーションには「言葉」を選びがちだけど、イラストの方が伝わりやすかったりするわけで

と、ここまでが初日。午後7時半まで議論してました。


日があけて二日目。
最初のレクチャーは

東工大・須佐先生から「カーボンニュートラルと鉄鋼」のレクチャー。
須佐先生は金属工学・材料物理化学・融体物性を専門とされてます。

その直後にムサビ油絵学科の袴田先生から「美術思考」について(厳密には袴田先生の話は「美術思考ってなんやねん(笑)」だけど)。
金属工学の後にアート思考に「触れる」ワークショップなんて、多分このコンセプト・デザイニングだけでしょうね。

ここからは昨日のディスカッションの続き。

ディスカッションが始まってしまうと教員やスタッフは机間巡視する以外はやることがなく、情報共有という名の談笑タイム。近況報告や来年の話などをやってました。
いけね。この写真だと短パン・サンダルなのがばれてしまう。。

って、完全にほったらかしにしてるわけじゃなく、学生さんにはディスカッションで気を付けてほしいことはちゃんと先に伝えてあります。


  • コンセプト・デザイニング説明スライドより

最近の学生さんに一番伝えたいのは「5」だったりします。
ポストイット作業ってっぽい作業なんで、それをやってる自分に陶酔し、へたするとずーーーとやってるんですよね。「3分で各自アイデアをポストイットにどんどん書いていこう」とかいつまでもやってることがあって。

少しだけ補足するならば。
例えば「ふる ふれる」から「振る」にたどりつき、「振り子を作りました!」じゃ、通常課題レベル。そこから更にコミュニケーションを深め、連想・破壊・再構築をたくさんしてほしいのがこのワークショップだったりします。

二日目も遅くまでディスカッションやってました。
ちなみにここは完全なオープンスペースなので、換気はバッチリです。

コロナの影響で大学でのリアルなコミュニケーション体験が例年より少ない世代なので、始まるまでちょっと不安だったんですが、例年よりもよく会話をしてる印象。
手羽は超人見知りなもんで、初対面の共通言語があまりない他領域の大学の人達といきなりこういう深い議論ができる学生達さんってほんとすごい。

でも、最終プレゼンには

両学長がそろってしまうくらい両大学からの期待値が高いワークショップなので、頑張ってもらわないと。


続くっ!!


以上、「手羽さんは説明プレゼンでスベりまくっても全然平気なのが手羽さんのすごいところですよね」と褒められた手羽がお送りいたしました。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。