【大学職員インタビュー手羽編】君も大学職員になろう2

2021年5月3日(月)

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大学職員・美大職員についてシリーズで書いています。
これまでの話はこちら↓
【実は隠れた人気業種】君も大学職員になろう1
 

偶然の動きなんですが、埼玉大学さんが大学職員採用ページに若手職員に実施したアンケート内容を公開してて、それに勝手に答えるブームが大学職員ブロガーさんの中で起きてます。
大学職員インタビュー ~表~|玉山@大学職員人事|note
大学職員インタビュー ~裏~|玉山@大学職員人事|note
大学職員の秘密インタビュー|daigaku23|note
大学職員インタビュー|ミカミ|note
大学職員インタビュー@high190編

手羽もこのビッグウェーブに乗るしかないっしょ!!
というわけで、予定を変更して大学職員インタビュー手羽編をお送りいたします。
 

1.前職について
Q 前職はありますか?また、前職がある場合は前職の業種、職種を教えてください。
前職はなく新卒入職ですが、学生時代に大学でいろんなアルバイトをやってました。
(教室整備、展覧会準備、収蔵物撮影補助、進学相談会等)

Q 前職での経験で最も役立っていることは何ですか?
通常は1部署のアルバイトをやることが多いんだけど、手羽はあちこちでやってたから、入職する前から知ってる職員さんがあちこちにいたこと。当時アルバイト代は経理課窓口での現金受取だったんで、経理課職員さんからも顔を覚えられてました。

Q 学生時代の経験で最も役立っていることは何ですか?
美術に通じることですが「答えなんてないかもしれない」「努力である段階まではいけるが、才能の前ではどうしようもない。天才はいて、みんな平等なはずがないし、それでいい」とわかったこと。
 


2.現在の仕事について
Q 現在の担当業務はどれにあてはまりますか?
選択肢が「総務系」「財務系」「研究支援系」「教務・学生支援系」「国際系」「その他(図書館、出向中」なので、この中だと「総務系」「財務系」です。

Q 教員・学生との距離感はどの程度ですか?
これも選択肢の中だと「教員は仕事上のやり取りをする」。しかも仕事上、「教員」というか学長や学長補佐、主任教授、教学理事等役職者として会うことがほとんど。
学生さんとは通常業務で接点はありません。前いた社会連携系部署で一緒にやってた学生さんがまだ大学に残ってるので、数人とはたまに関わりを持つことはあるぐらい。
あ、受験生向けにブログ書いたり、年に1回授業ををやってるんで「手羽の名前(ペンネーム)を知ってる」学生さんは他の職員より多いはずです。

Q ①仕事の自由度、与えられている裁量はどの程度だと思いますか?
裁量は非常に広いと思います。ただ一人で全部決めることはないです。

②また、自らが主導的な役割を果たして物事を進めた経験はありますか?
あります。

Q 仕事上英語を使う機会はありますか?
ほぼないです。できれば使いたくない(英検3級)

Q 働くうえで、今後 伸ばしたい・身に付けたいと思う知識やスキル等があれば教えてください。
学校法人会計の財務諸表を裏も表もちゃんと読める人間になりたい・・と頑張ってるけど、ほんとこのセンスがない・・。

Q 大学職員を志望した理由、また大学のどのような点に魅力を感じ志望されたか教えてください。
「中高校の美術の先生になりたかった」→「教育実習で中学の美術教育が全然ダメなことに気が付き、美術教育自体を変えないとこのままじゃダメだ」→「美術教育を変えるには美術教員になる人達に何らかの影響を及ぼすしかない。何十年後かになるかもしれないけど」で志望しました。すいません、かなりの特殊ケースです(笑)
でもとんでもない構想ですが結構本気だったし、今もこの時の気持ちは忘れていません。

Q 現在、働いていて満足している具体的な内容を選択してください
「現在」ってことだと、心筋梗塞になって仕事復帰したら、仕事量を減らしてくれました。その分確実に負担がかかる人がいるのだけど、昔から妊娠や病気をした人をお互い様としてフォローしあう文化が職場にはあります。今回自分事として起き、満足というか感謝でしかない。
体調が戻ったらその人たちのためにより頑張ろうと思ってます。


3.先輩職員の声
Q 大学職員として実際に働いてみて、働く前に想像していたこととの違いやギャップを感じた経験はありますか。また、それはどのようなことですか。
先生は適当に出校して適当に指導だけして帰ってるんだと思ってたけど、実は雑務も含めいろんな大学業務をされてたこと。
職員はアルバイトをやってたからだいたいイメージ通りで、学生と接点のない仕事があることもわかってた。

Q 大学で働き始めてから、これまでで最も印象に残っている 又は 最もやりがいのあった仕事について教えてください。
六本木ミッドタウンに発信拠点(デザイン・ラウンジ)を作った仕事。新学科構想・新キャンパス構想なども事業として大きく印象的だが、完全に任されてやったのがデザイン・ラウンジなので。

Q 働く中で、目標としていることや、日頃から心がけていることがあれば教えてください。
心がけているのは「給料の原資の多くは学費だが、雇ってくれてるのは理事長」という考え方。
お給料を出してるのは理事長なので、まずは法人・大学にとっていい選択を選び、それが学生・ステークホルダにとってもいいことであるようにする。最終的な目指すゴールは同じなんだけど微妙な気持ちの持ち方です。「公共サービス」の考え方に近いかもしれません。
「学生最優先だ」であれば職員やめて独自にNPOでも立ち上げればよく、「誰に雇われているかを忘れてはいけない」と新人職員研修で毎年説明しています。
あ、結局は学生さんのため=大学のためでもあるので、くどいですが「気持ちの持ち方」です。

Q 大学で働くことを通じて、「自分のここが成長した」と思う点や、身に付いた知識・スキル等があれば教えてください。
綺麗ごとだと、美術、美術教育の深さを学生時代よりも学べたこと。
あとは「いろんな人がいるんだなあ」と知れたことと、企画書の立て方かな。
詳細は後日改めて書きますが、企画書を書けない人が多いことに気が付いて、意識的に企画書(テキスト)を書くようにしています。

Q 大学の事務職員の仕事のうち、「この部署の仕事は面白い」「あの部署の仕事が面白そうだ」という仕事があれば、理由も含めて教えてください。
社会連携系部署は教員、学生と交流があるし、企業の方と外で会ったり、通常の大学業務にはない面白さがある。ただ、自大学を理解してないととんでもないマッチングをしてしまうことがある。
法人系部署は地味な調整仕事も多いが、法人の戦略(戦術)を企画できる面白さはある。
でも個人的に人生勉強になったのは総務かもしれません。

Q 自身はどのようなタイプの人だと思いますか?
ポジティブシンキングマン(と思ってたけど心筋梗塞になった笑)。
それと意外に思われるんですが、派手なことしかやれないように見えて地味な作業を延々とやるのが好きなタイプです。元彫刻家なもんで無心にコツコツやる作業は嫌いじゃなく。じゃなければ15年もブログ書けません。


4.大学職員希望者へのメッセージ
Q どのような後輩と一緒に働きたいと思いますか?
改革提案をしてくれる人。でも改革提案なんてすぐには成立しないこともあり、場の空気を少しづつ変えていくことも必要だと理解してる人。
それと精神論ではなく「ちゃんと挨拶ができる人」。
「おはよう」と声をかけてもパソコンに向かったまま「おはようございます」と返してくる人がいるし、「え?挨拶って小学校じゃないんだから(笑)」とバカにする人ほど挨拶ができてない。
挨拶を重要に思っていない人は、コミュニケーションをちゃんと取らずに仕事を進め、後で揉めるケースが多い気がする。

Q 最後に大学職員希望者へのアドバイスやメッセージがありましたらお願いします。
目標設定がしにくいので、楽にやろうと思えばいくらでも楽にやれる業種です。
つまり自分のモチベーション・考え方次第であり、いい職場にするかどうか、いい職場と思うかどうかは、よく働けるかどうかは他人ではなく自分次第だったりします。



・・これから書こうと思ってたことをだいたい書いちゃったような気がする・・・ま、いいや。

次回は、この流れで手羽がいつも参考にさせてもらってるサイトや大学職員SNS等を紹介します。
それって採用試験の参考になるサイトでもあるわけで。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。