【 #美大受験アドバイス 】入試では受験生も大学側もいろんなことが起きるんです #美大受験

2024年2月7日(水)

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美大受験生の疑問にお答えする恒例の「#美大受験アドバイス」シリーズをお送りしてます。
#美大受験アドバイスでは、ムサビまたは関東美大の一般選抜を具体例で使ってますが、基本的にはどの美大受験にも参考になるはずです。
これまでの話はこちらから▼
東京五美大2024入試日程から言えるたった1つのアドバイス
美大入試で家を出る前に絶対確認したいことは3つ(時間と場所編)
美大入試で家を出る前に絶対確認したいことは3つ(持ち物と携行道具編)
ムサビの実技試験で絶対に忘れちゃいけないものを1つ断言します
美大実技試験直前でも確実に点数を上げられるたった1つのアドバイス
学科試験直前に聞いても役に立つアドバイスを1つだけ
雪や電車遅延で遅刻しそうな場合はどうすればいいのか?
雪の日のタマビ入試でやれること
*間違った情報を書いている可能性もあるので、募集要項等大学公式情報で必ずご確認ください。 

 
タマビさんは昨日積雪などの影響で試験開始時間を1時間遅らせましたが、さらに追試験を発表しました。
多摩美術大学|2024年度一般選抜における追試験実施について

16時50分にはこの大きな決断を発表されていて、さすがというか強力なリーダーシップがないとできないです。
午後の実技試験も追試験対象なのかちょっとわからないのですが、欠席された受験生にはメールが届いてるそうなのでチェックしてくださいね。
 
タマビといえば、
「お父さんが長靴を買ってくれて」関東の大雪で大学受験生にも影響 入試開始1時間後ろ倒しも #FNNプライムオンライン

橋本駅前でタマビ受験生がインタビュー受けてたけど、受験直前で、なおかつ雪で不安だらけの受験生にインタビューするのってどうなんだろと思ったり。受験生とわかったら「がんばってね」で終わることはできないのかな。昭和じゃないし。
 
あ、やはり「ムサビ入試が雪で延期ってほんと?」とSNSに出てましたね。
見る限り悪意あるものでないですが、ムサビではないし、延期でもありません。ほんとにくどいけど、必ず受験生はSNSの噂は信じないで、大学公式情報をマメにチェックしてください。
 
 
さて、武術大学・・じゃなくて武蔵野美術大学の2004年度入試も後半戦に入ってきました。
明日は彫刻学科試験。ここだけの秘密、モデルか石膏像が出ます!

え。言っていいのかって?
大丈夫。ちゃんと募集要項に書いてあるんで(笑)

モチーフをはっきり書いてるのはムサビだと彫刻学科だけなんですね。
 
ムサビ彫刻学科といえば、今年の志願者数で東京の美大界隈がザワザワしています。
なんと倍増したんです。


  • 過去データから手羽が作成

入試では前年が減ると翌年は増える(またはその逆の)「より戻し」はよく発生するんだけど、入試改革や名称・カリキュラム変更など大きな話題が特にないのに倍増っていうのは、あまりないことで。現在分析中。
あ、東京4美大の志願者数分析は後日やります(タマビさん、早く発表してくれないかしら・・)


この流れで、手羽のムサビ彫刻学科受験の出来事を書きますか。
というのも、今でも語り継がれる伝説の年だったんですよ。
長いので暇な方だけ読んでください。最後に2つアドバイス書いてるんで、そこまで飛んでもらっても結構です。

=====

手羽が受験の頃、ムサビ彫刻の出題はずっと自画像でした。なのでムサビ対策用に自画像を必死に・・・すいません、4枚ぐらいしか描いてなかったです・・。
手羽が通ってた画塾は直前まで石膏像を木炭で描かせるところで、10月ぐらいから東京造形大対策用にモデルデッサン(当時東京造形大は女性ヌードだった)、12月ぐらいからムサビ対策用に自画像をやりだすペースなんですね。
もともと第1志望がムサビ油絵学科だったもんでデッサンで自画像はほとんど描いてなくて(油絵は2次で落ちた)。「自分は一浪して来年東京藝大受けるんだろうなあ」とぼんやりと思ってました。
まだムサビ彫刻が倍率9倍ぐらいあった年です。


そしてムサビ入試突入。
試験場は忘れもしない4号館。螺旋階段の上で寒い中、ドアが開くのをずっと待つ。(試験開始15分前ぐらいにしか開きません)
 
ようやくドアが開いて、アトリエに入ると・・。

モデル台とイスが鎮座してました。
そう、ムサビ彫刻入試で初めてモデルさんを使った年だったんです。
  
モデルデッサンは東京造形大対策で随分練習してたから、自画像よりは全然得意でした。むしろモデル台を見た瞬間にホっとしたくらいです。
ただ、造形大彫刻は木炭デッサンだったから人体デッサンは木炭でしか描いたことがなくて。当時ムサビ彫刻は鉛筆デッサンだけだったんですよ。
鉛筆デッサン+モデルを描いた最初の絵がムサビ入試本番っていうね。なめてるでしょ?
もう完全に手探り状態。鉛筆でどう描き込んでいけばいいのかがわからない。入試中に「あ、こうやるといいんだ」と試しながら描いてました(笑) 

鉛筆の描き込みじゃどうあがいても負けなので、とにかく形と運動感を取ることに半日3時間かけました。イーゼルの場所も最前列右斜め前で運動感を出しやすく、描いてて楽しかったのを今でも覚えてます。


そして試験が午後に入ったところで事件が発生します。
 
その日は朝からどんよりとした曇り空。

当時のムサビ入試アトリエ会場は、自然光を使うために室内の照明を消灯した状態でやってました。
で、午後ポーズから外がさらに暗くなりはじめ、3時を過ぎると室内が真っ暗になってしまったのです。
あ、モデルさんはずーーーーと座ってる状態ではなく、20分やったら5分休憩、そしてまた20分を繰り返す形で進行し、その20分のターンを「1ポーズ」といいます。
 
手羽が通ってた画塾は自然光で描かせる画塾だったんで、暗くなっていく自然光には全然慣れてたしし(気が付かずに描いてると真っ黒になっちゃうことも)、ま、ぶっちゃけ半日観察してれば、午後はモデルさん見なくても描けるもんで(ぼそっ)
でも後から聞いた話だと、あちこちから「真っ暗で見えないし描けない」と苦情が大量に出たそう。
 
試験監督が慌ただしくなってるのを横目で見てたら、残り3ポーズ目というところで試験監督がこう宣告しました。
「照明を消した状態は次のポーズで終わります。最後の2ポーズは『紙を変えて』、室内の照明を点灯した状態でもう一度描いてもらいます。採点は2枚を見て決めます。」

えっ。

バタバタと新しい紙が配られて、室内の照明がつき、最後の2ポーズがスタート。
2ポーズしかないってことは、クロッキーとデッサンの中間ぐらいで描かないと中途半端で終わる可能性が高い。1ポーズ目でがっつりポージングを押さえて、2ポーズ目で仕上げました。「おっ、意外と2ポーズでも描けるもんだな」と自分に関心したっけ。
しかし、突然のことなのに受験生分の予備デッサン用紙があるってすごくないですか。
「もしかして最初から2枚描かせるつもりだったんじゃないか?」と受験時は疑ったけど、職員になって確認したところ、やはりドタバタの緊急対応で、紙を急いでかき集めたんですって。
教授に聞いた話だと、2枚一緒に見ると形を捉える形跡がわかるから採点しててすごく面白かったそうで、確か翌年の入試ではあえて2枚描かせてます。
 
それ以来ムサビのデッサン試験は「全室点灯状態」で行われるようになったとさ(手羽イチロウ著「ムサビのことはオレに聞け-人徳なくてもなんとかなる-」より)

 
この手羽の受験の想い出から2つアドバイスを。
1つ目は「想定外のことは起きる」。
それは受験生も学校側もです。
今回のタマビ追試験がいい例で、前日まで大学側も追試験をやることは考えてなかったはず。
 
2つ目は「美大入試はやっぱり最後は運」。
アドバイスでこれを言っちゃおしまいのような気もしますが(笑)、美大受験経験者なら「うんうん。そうよね」とうなづいてくれるはず。
もしモデルデッサンじゃなくて自画像だったら、もし自然光に慣れてなければ、くじ引きの場所が悪ければ、手羽は確実に現役で受かってなかったと思ってます。
「え。突然傾向変わるの?!」「場所が最悪なんだけど」とパニクるよりは、ポジティブにその状況を楽しんだ方がいいです。



以上、昨日、気の迷いで地下1階から8階まで階段で登ったら膝が死んだ手羽がお送りいたしました。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。