【 #美大受験アドバイス 】美大入試で家を出る前に絶対確認したいことは3つ(持ち物と携行道具編)

2024年1月31日(水)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

美大受験生の疑問にお答えする恒例の「#美大受験アドバイス」シリーズをお送りしてます。

#美大受験アドバイスでは、ムサビまたは関東美大の一般選抜を具体例で使ってますが、基本的にはどの美大受験にも参考になるはずです。
これまでの話はこちらから▼
東京五美大2024入試日程から言えるたった1つのアドバイス
美大入試で家を出る前に絶対確認したいことは3つ(時間と場所編)
*間違った情報を書いている可能性もあるので、募集要項等大学公式情報で必ずご確認ください。 
 
明日は女子美・東京造形・日芸の試験日。
いよいよ東京4美大の入試が始まるので、ピッチをあげていきます。
 

家を出る前までに絶対確認したいこと3つめは「持ち物と携行道具」
ここでは6つアドバイスを書きます。
ムサビ入試で一番伝えたい「カルトンorパネルは忘れちゃダメ」は後日書くので、それ以外で。

(1)受験票を持ってるか、どこにいれたか、家を出る前にもう一度確認しよう
受験票をちゃんと持ったか、そして「どこに入れたか」の最終確認をしましょ。
焦ると鞄から探せず、試験が終わった後に「あ。クロッキー帳の間に入ってた」「ジャンバーのポケットに入ってた・・あの時は探しても見つからなかったのに・・・」と気が付くこともよくあるんで、「どこに入れたか」も大事だったりするんです。

最近はどの大学もWEB出願になり、多くの大学が自分で受験票をプリントアウトする形になってます。


普通のコピー用紙にプリントするからペラペラで、昔の受験票を知ってるとありがたみがちょっと減ったような気もします(昭和的?)。
だから雑にそのままカバンに入れるんで、みなさんグチャグチャになっちゃうんすよ。


最近は、A5orA6サイズの硬質カードケースに受験票を入れてる方をよく見かけます。
これだと他とゴッチャになることもなく管理がしやすいし、何より折れ曲がらないのでスマート。
最初見た時は簡単なことだけど頭いいなーと思いました。
ぜひ真似してみてください。

ちなみに受験票は「A4の白い紙にそのままプリント(拡大縮小したらダメ)し、指定サイズにカット」「スマホで見せるのはダメ。印刷したもの」でよろしくお願いします。
イーゼル試験の時はイーゼルに立てかける人が多いからか、受験票を試験後に忘れて帰る人が多いです。ほとんどの受験生は複数日使うものだし、受験が終わっても受験票は合格発表・成績開示などで必要なものだから、忘れずに持って帰って大事に保管しときましょ。
 
でも考えてみたら、手羽家にもプリンターはずいぶん前から無いんですよね。
昔だとPCとセットでプリンター(とスキャナー)を必ず購入したもんですが、プリンターを使う機会がほぼゼロだから廃棄しちゃったんです。年賀状を作らなくなったのも大きい。
家からCDドライブが無くなったように、「家でプリントアウトして持ってくる」が前提のこの仕組みもそろそろ転換点に入ってるのかも。
 

(2) 時計は必要!
普段はスマホで時間確認してるかもしれません。手羽もそうです。
でも、試験時はスマホ含め電子機器は電源切ってかばんの中に入れるよう指示があります。 どの大学もそうです。

試験会場には時計がないことが多く、ムサビやタマビはありません。
両方の募集要項を見てみましょ


これはムサビ。


こっちはタマビ。両大学「スマートウォッチ禁止」ともはっきり書かれてます。
お父さん・お母さんが時計を持ってなければ買うしかないんだけど、「コンビニにありそうでないものの代表」がこの時計なんですよね。

手羽も何件かコンビニ回って探したことがあるんですが、全然置いてないんです。
今日、そういう意識でコンビニチェックしてみてください。ビジネス街のコンビニとかじゃなければ多分ないはず。


  • 手羽が世界堂で買った時計

なので前日までにドンキとかダイソーとかで安いやつを買っておきましょ。腕時計でも小さな置時計でも可です。
ムサビだと学内の世界堂で置時計が買えるけど(実際に買った)、800円ちょいします。
結構高いんですよね・・。
 

(3)お弁当を忘れずに
午前・午後と終日学内で試験を受ける時、タマビムサビ東京造形は学外へ出ることはできません。


こちらは東京造形大。
手羽が受験した頃までは外へ出れたんで、近くの食堂でお昼を食べました。
(「フランソワが2月中旬に閉店する」という情報がムサビ卒業生界隈でにぎわってます)
なので、美大受験経験のあるお父さんが「学食が混んでたら外で食べればいいじゃん」とアドバイスしてたら「もう時代は違うのよ」と言ってやってください。
また、美術予備校によっては「受験の時に学食のカレーを食べると合格できる」みたいな伝説があるかもしれませんが、今はほとんどの大学で入試中は学食の営業をストップしています。
ムサビも学食は営業していないので、自席や昼食会場でお弁当を食べてもらうになります。
 
構内でお弁当やおにぎりなどを販売してるかもしれないけど売り切れてる可能性もあるので、お弁当は駅近くで購入しといた方がいいです。
ムサビ受験生のために、鷹の台駅近辺のコンビニマップを作ってみました。

木炭デッサンの人は食パンの購入も忘れずにね。
ちなみに昔売店が「食パン販売してます」という張り紙を出してるのを見て、一般大卒スタッフが「食パンじゃなくて焼きそばパンとか置いてあげればいいのに、ムサビって優しくないよね」と文句言ってる人がいたけど、食パンじゃないとダメなんです(笑)
「え?なんで食パン?!」という人はこちらをご覧ください。
木炭画用消し具(食パン・布) | 武蔵野美術大学 造形ファイル
うん。造形ファイル便利。
ちなみにムサビ内のパン屋エミュウは営業してません。
 

 
(4)ガラガラの紐はしっかりと結ぼう
普通の人には何のことかわからないけど、美大受験経験者には100%「うんうん、そうだよね。とっても大事」と通じる言葉。

美大の実技試験はたくさんの鉛筆と絵具に筆に水入れ、定規、コンパス、パネルと荷物が大量になるので、画材・道具類は工具箱に入れ、それらをハンドキャリーに縛って運ぶことが多く、転がすとガラガラ音がすることからハンドキャリーを「ガラガラ」と呼んでいます。
 
鷹の台に長くお住いの方は「ん。朝からガラガラ煩いなあ。。。あ。ムサビの入試なのか。そんな季節か」とわかるそうです。
 

でも、紐の結びが甘いと崩れちゃうんです。
一度だけならまだしも、何度やっても崩れちゃうことも多く、「時間のロス」「画材を大事にしろ」とかじゃなく、荷物が崩れて結びなおすたびにテンションが下がっちゃんですよね・・。
テンション下げないためにも「これでもか!」ってくらい、きつく縛りましょ。
 
ただ、長い間、美大受験生は「ガラガラ荷物崩れ」に悩まされてたんだけど、この10年ぐらいでキャリーケース派が一気に増えました。

これなら荷物崩れは100%起きない!!
今はガラガラよりもキャリーケースを使ってる人の方が多いんじゃないかな。最初見た時は「これに気が付いた人、天才か!」と思ったもんです。
受験時代の手羽に戻って一つだけアドバイスできるなら、真っ先に「キャリーケースが便利だぞ!」と教えるかもしれない。
 
実技試験の持ち物で一番大きいのがパネルだから、それがギリギリ入るサイズを使ってる人が多いです。
もしくはパネルやカルトンは別にしてカルトンバックに入れてるケース。
ああ。受験時代の手羽に教えたい・・。
 

 
(5)用具も持ち物も進化・変化してる
食パンをいまだに練りケシ代わりに使ったり、昔から何も変わらないように見える美大実技道具ですが、ひっそり進化・変化しています。上記のキャリーケースもそうですね。
 
例えば、この20年ぐらいで完全に普及したものだと、

この手の鉛筆削りをデザイン試験で皆さん使ってます。
昔は「美大受験生なら魂込めてカッターで削れ!」と言われたもんだけど(笑)、もうそれも昭和の話。こっちの方が削りカスが出ないし便利に決まってる。

また、「デッサンのぼかし道具はガーゼ」と画塾で教わりましたが、最近はティッシュを使う人も多いです。箱ティッシュの箱からティッシュだけ取り出してボーンと置き、「すごい風邪でもひいてるのかな?」と思ったら、道具だったと。 
鉛筆デッサンでマスキングテープを定規や補助線代わりに使う人もいるし、「へー。描き方って変わるんだなあ」と毎年思います。
あ、大学によって鉛筆デッサンでマステは使用不可にしてる大学があるかもしれないので、募集要項をご確認ください。 
 


道具ってことだと、こういうケースもあります。

大昔は受験でこの黄色い水入れを使ってると「こいつは高校で買ったのを持ってきてる。画塾に行ってない素人だな。プププ」と思われるのが嫌で使わなかったけど、使いやすさや安定感が見直され、美大受験で使ってる人が増えてきました。
去年の3月にこういうこともありましたが。
「黄色い筆洗バケツ」のメーカーが3月末に廃業。少子化問題などが原因|美術手帖

また、昔だと受験でデスケルを使うと「まだこいつはデスケルがないと描けないのか」と思われる空気もあったけど、今はそんなことないですね。

 
(6)結局使い慣れたものが一番
と、いろいろ道具について書いてきたし、美大受験経験者がYoutubeなどでいろんな便利な道具を紹介してるかもしれないけど、いきなり新しい道具を使いこなせるはずもなく。
普段使ってる道具を信じて描くのが一番だと思います。

また、「どんな便利な道具があってもその場に元気な自分がいないと意味がない」であり、日時・会場をちゃんと確認して、体調のいい状態で行く。
最初に書いた通り、これしかないんですよね。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。