美大受験生の疑問にお答えする恒例の「#美大受験アドバイス」シリーズをお送りしてます。
#美大受験アドバイスでは、ムサビまたは関東美大の一般選抜を具体例で使ってますが、基本的にはどの美大受験にも参考になるはずです。
これまでの話はこちらから▼
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■美大入試で家を出る前に絶対確認したいことは3つ(持ち物と携行道具編)
■ムサビの実技試験で絶対に忘れちゃいけないものを1つ断言します
■美大実技試験直前でも確実に点数を上げられるたった1つのアドバイス
*間違った情報を書いている可能性もあるので、募集要項等大学公式情報で必ずご確認ください。
明日がムサビ造形学部、明後日がタマビの学科試験日なので、学科試験のアドバイスをお送りします。
ちなみに「学科試験」は実技試験を伴う学校の専門用語です。
美大や音大、体育大学等は「実技試験」と区別するために、国語・英語などの試験を「学科試験」と呼ぶんですが、通常の大学の入試は学科試験しかないのでそんな単語を使う必要はないんですよ。その証拠に「学科試験」で検索したら自動車学校しかヒットしない(笑)
なお、ムサビ造形学部やタマビ入試では「国語」「外国語」が学科試験で、厳密には「数学」「小論文」は専門試験科目に分類されますが、この場では数学も学科試験に括って説明していきます。
ちなみにムサビと女子美は「学力試験」と呼ぶようになりましたが、皆さんが慣れてる「学科試験」という言葉を以降も使わせてもらいます。
本題へ入る前に、受験生や美術予備校さんからよく言われる「ムサビは学科試験を重視してる」「学科試験が難しい」の誤解について最初に書いておきます。
ムサビの一般選抜は基本的に学科試験200点+実技試験300点の総合点500点満点というバランスになっています。400点満点の形式もあったりするのでちゃんと調べていただきたいのですが、この実技と学科試験の配点バランスはタマビもムサビも別に変わらないし、「実技と学科を合わせた総合点の高得点順で合否判断」なので、学科の点数だけで判断することはないし、学科の点数が良くても実技が悪ければ落ちます。はい。
他に「ムサビは学科試験を重視してる」と言われる理由として2つ考えられ、1つ目は「大昔は1次学科試験足切りをやってたから」。
かれこれ30年近く前のことで(まさに手羽がそう)、「学科が悪いと実技試験を受けられない」→「学科を大事にしてる」というイメージが当時受験された方に残り、当時を経験した高校や予備校教員がその記憶から指導してる可能性。いまだに地方に行くと高校の先生から「ムサビは1次足切りがありますよね」と言われることがあります・・・。
2つめは、合否判定に書かれてる「ある部分」を勘違いしている点。
「一科目でも20%未満の点数があったら、どんな場合でも不合格になります」とあるんですが、これを噂で聞いた募集要項を読まない方たちが「学科試験足切り」と飛躍展開し「学科試験重視」と広がったパターンですね。
ここを読んでいただければ学科試験に限らず実技試験にも当てはまることは一目瞭然だし、20%ということは学科試験であれば100点中20点。
大手進学予備校さんから「ムサビ学科試験は少しクセがあるが、基礎学力を問う問題を安定してずっと出している」と評価していただいてるくらいで、基礎学力があり、ちゃんと答えた人であれば20点未満を取ることの方が難しいと思います。
ただ「ちゃんと勉強した人とそうじゃない人の差が出やすい」とも評価されてるので、それが「学科試験が難しい」と言われてる所以かもしれません。
では、ここからが本題。
そんな学科試験前日に聞いても確実に点数UPするたった一つの方法があります。
とにかく埋めろ。空白を作るな
・・・え?そんなの大昔から散々みんなが言ってる?
仕方ない。ちゃんと説明しましょう。
これには2つ意味があり、1つ目は「名前や受験番号を書き忘れちゃダメよ」という話。
どんなに点数が良くても、これがなくちゃ採点されません。
「名前を書き忘れるな」ってそんなアドバイスをこの時代にする人はいないかもしれませんが、皆さんが思ってる以上に書き忘れる人が多いし、特に要注意なのがマークシート試験なんです。
マークシートの業者さんに聞いた話だと、記述式試験なら「あ、名前を書かなくちゃ」という発想が生まれるけど、マークシートだと「全部コンピュータで判断してくれるはず」という人間の心理があり、つい書き忘れてしまう人が多くなるそう。
さすがに名前も受験番号もなかったら誰の解答用紙か判断できないので、まずは名前と受験番号、受験番号のマークシート部分を書きましょ。
そのマークシートの業者さんから、こんな話も聞きました。
「違ったところを塗りつぶしてしまうマークミスは、どの大学入試でもだいたい1%、多くて2%ぐらいの割合で起きる」とのこと。
1、2%って結構高い確率だと思いません?
てことは、残り5分でまだ解けてない問題が数問あったら、残りは適当にマークして、ちゃんと考えた部分がマークミスしてないか見直す時間に使った方がいいのかも。
ちなみにマークミスは、問題文にマークしてそれを一気に解答用紙に転記する時に発生しやすいので、2、3問ずつに分けて転記した方がいいです。
2つ目が今日の話で一番言いたいことで、それは「わからないところも埋めよう」。
すんごくもったいないのは、マークシートを埋めてない人。
どれでもいいから塗りつぶしてたら1点ぐらい入るかもしれないのに、これも昔からいろんな人が言ってることなのに、埋めてない人が意外と多いんです。
間違ってマイナスになることはないし、恥ずかしいこともありません。
そうそう。入試前によく「ムサビの学科試験は記述式か?マークシートか?」と聞かれることがあるんですが、これは募集要項にはっきり書いてあります。
ムサビ造形学部の学科試験は、国語が記述式+マーク式解答問題、英語・地理歴史はオールマークシート、数学はオール記述式となってます。(造形構想学部は全部マークシート)
記述式にもこの「とにかく埋めろ。空白を作るな」は当てはまります。
昔、先生から「ムサビの試験は実技も学科も、間違いを見つける減点方式じゃなく、いいところを見つける加点方式」と言われたことがあります。
国語の記述式には部分点があるので、4字熟語を書き出す問題で「絶対絶命」と書いても1点ぐらいは入るかもしれないのです(例えばです)
数学の記述式も考え方は同じで、採点者は答えだけ見てるわけではなく、そこにたどり着く計算式(プロセス)も部分点をつけています。
これも以前、数学の先生に聞いた話ですが、
「ここまで頑張って解こうとしたのね。そのあきらめないチャレンジ力が大事!」
「自分の論理展開をちゃんと整理して書いてるぞ。きれい」
「ほほー。これは面白いアプローチだな」
と感じながら採点してるそうで、「数学は答えは一つだけど、アプローチは複数あり、そこには美があり、差が発生する」と聞いて目から鱗でした。
何が点に結びつくかわからないので、思考のプロセスは消さずに残しておいた方がいいよ。
以上、5日、6日は雪の予報が出ていて、超雨男の手羽は周りから「このタイミングでアメオトコからユキオトコに進化するってどういうポケモン?ムサタマの受験生と関係者のために、今から京都あたりに行ってくれない?」と言われた手羽がお送りいたしました。
昨日は誕生日だったのに・・・。
【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。