【ビダニュー2017】ルールに関する知ってるおきたい7つのこと

2017年4月9日(日)

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ビダニュー2017のラストは、「ルール」について書いておきます。
新生活でどうしても最初に覚えなくちゃいけないのが「新しいルール」で。


ルールには2種類ある。
それは「促進させるためのルール」「制限するためのルール」です。
簡単に書くなら、促進させるためのルールとは「○○を●回以上やらないとダメ」で、制限するためのルールとは「○○は●回まで」かな。

正反対なルールのように見えますが、実は「気持ちのもちよう」で変わってきます。
例えば「授業の欠席は●回まで」というルールがあったら、パっと見は「制限するためのルール」ですが、本来は授業に多く参加してもらうための「促進ルール」として作られたもののはず。
ポジティブに捉えるかネガティブに捉えるか、つまり自分のスタンスによってルールの印象が変わってくるってことですね。もっとポジティブに捉えるなら「なんだ。●回までは休んでいいんだ」かもしれないけど(笑)


暗黙のルールが結構ある
うちの子どもの小学校では「子どもが友達の家へ遊びに行く時は必ずお菓子を持たせる」というお母さんたちが決めた「暗黙のルール」があるんです。ルールというかマナーみたいなものかな?
でも、外国出身のお母さんがそれを知らなくてお菓子を持っていかせなかったのね。それでそのお母さんがハブられそうになって、あわててうちの奥さんが教えたことがありました。

暗黙のルールの怖いところは「知らない人への対応方法」まで決まってなく、知らない人に対しすごく冷たいこと。そして小さな社会ではそういうネガティブな話題がみんな好きだから、お母さんたちの集団だと「あそこのママは子どもにお菓子も持たせない。やっぱり外国人のママは」と影ですんごい言われてしまう。
「なんでその人が知らない可能性を考え、教えようという発想がないんだ?」と思うんだけど、狭い世界では起こりがちな話です。

これは大学も同じ。
新入生が知らない暗黙のルールやマナーがあるのは当然で、そんなのは徐々に覚えればいいだけ。怖がる必要はありません。
ムサビだとなんだろ?学食やエミュウの並び方は初めての人はわからないかもしれないね。
そして昔からいる人は「暗黙のルールは狭い社会でのルール。新しくその社会に入った人は知らないのは当然」を前提に行動した方がいいってこと。


マナーは難しい
本来「正装」は「紋付袴・タキシード・着物・ドレス」を意味します。それが基準値なので、披露宴・パーティーで「軽装でお越しください」と言われたら「スーツ」なんです。
「スーツ」を「正装の基準値」だと勘違いしてると、披露宴にパーカー+ジーパンで行って大恥をかく・・ということになっちゃうわけ。
でも仕事での正装は「スーツ」だから、その場合の軽装は「ネクタイをしてない恰好」となります。
襟がついてるシャツ着てジャケットをはおる・・・ぐらいが「一般的な軽装」かな。クールビズの概念が入ってきて、より「軽装」の基準が下がった気もしますが。
マナーはルールではないからシーン・時代によって基準値が変わるので、これがほんと難しい。手羽も苦手です(笑)

メールのビジネスマナーには「メールの件名を必ず入れる。できれば具体的な内容で」「最初に何者か名乗る」があるんだけど、これを知らない学生さんがかなりいます。相手が友達だったり今まではそれでよかったかもしれないけど、社会人にメールを送る際はかなり気を付けた方がいいです。
ちなみにメールのビジネスマナーには「いつもお世話になっております」「お疲れさまです」と冒頭に書くのがあるんだけど、手羽は嫌なのでやってません(笑)


ルールは必然があって生まれてる。
自由気ままに友達の家へ遊びに行ってた手羽世代は「お菓子を持っていくルール」がすんごく理不尽に感じるんだけど、恐らく以前親御さんどうしでトラブルが発生して生まれたものだと推測できます。
一見理不尽に感じるかもしれないけど、「何かの経緯で生まれたものなのだから理由があるかもしれない」という視点でルールに付き合うことが大事。その理由がなんなのかよく考えた方がもっと上の世界に行くことができると思いません?

例えば、ムサビは比較的ルールが緩やかな大学です。こんなにあちこちに展示できる大学ってそうないんですよ。でも、火の取り扱いについてはかなり厳しい。
理由は明確で、「これまで何度か大火事を起こしてるから」です。
2015年の卒展片付け期間中にボヤ、2005年には7号館でかなりの大火事をやらかしてるし、さらに10年前ぐらいに5B号館で火事がありました。ほぼ10年おきに火事が起きてるんです。
「なんで火を使っちゃいけないんだ!表現を教える大学でそれはおかしい!」てなやり取りでは前に進みません。少なくとも絶対大丈夫といえる火の扱いを提言するべきで。
「展示室での水の使用禁止」もそうですね。「ここは美大だろ!?表現は自由であるべきだっ!」と叫ぶのはいいんだけど、「水が大量にこぼれ、床のタイル張り替え、さらに下フロアに被害」を起こした過去があり、「表現の自由は否定しないけど、表現者としてあなたはどういう責任とれるの?」で。


デマも結構ある。
気を付けないといけないのは、デマである可能性も結構あるってこと。そんな理由で始めたわけじゃなかったり、そもそもそんなルールがなかったり。
ムサビだと「学生同士が結婚すると学費が半額になる」が典型例ですね。毎年このデマが流れてるのを毎年見てます(笑)
最近の例だとやっぱりこれかな。
履修登録手続き問題を超えて | 緊急・重要なお知らせ | 追手門学院大学
追手門学院の学生さんからするとこの説明では納得できないかもしれませんが、一つ言えるのは通常こういう教学に大きく関係するルールは教授会で決まるので、教務課だけを叩くのはちょっと違うかな、と。


必要のないルールもある。
でも、理由自体が古いものになってて今は解消されてるのにそのまま残ってたり、運営をしているうちに「なぜその規則が生まれたのか」「そもそものポリシー」が引き継れず必要以上に厳しくなってしまってるルールも確かに存在するのも事実です。



だから何が大事なのか
それが必要なルールなのか、不要なルールなのか、デマなのか、学生さんにはすぐにはわからないのは当然。
大事なのは・・・「いきなり怒り出さないこと」かな。
いきなり怒り出すと、自分が間違ってた時に引っ込めるのがむずかしくなって、どうでもいいもの、「最初はそんなこと全然言ってなかったやん」なものに焦点を変更し、長々とやり続けてしまうことがママあります。お互いにメリットがないのに、「やめることができない」から続いてしまってること。

美大生であれば、特に問題解決を求められるデザイナーには、複数の視点で物事を見つめる能力が必要で、一方的にギャーギャー騒ぐ「一般の人」と一緒にならず、冷静に複数の視点でいろいろ調べて、むしろ「こういう考え方もあるよね。だからこうした方がよくね?」と提案する方が「かっこいい」と思いません?

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。