【ムサビの柔らかい組織】君も大学職員になろう5

2019年9月10日(火)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

2019年9月9日現在、学校法人武蔵野美術大学が専任職員の募集を行っています。
学校法人武蔵野美術大学 専任職員募集概要
●雇用形態:専任職員(総合職)〈正職員〉
●募集人員:若干名
●勤務地:鷹の台キャンパス、吉祥寺校、市ヶ谷キャンパス
●採用期日:2020年4月入職
●応募条件:
1)4年制大学卒業以上
2)2020年4月1日時点で、35歳以下(若年層の長期キャリア形成を図るため)
●応募方法
1)マイナビ所定ページよりエントリー
2)応募書類を期日までに送付
●応募締切日:2019年10月14日(月)17:00エントリー完了、10月15日(火)17:00応募書類必着


いい機会なので、大学職員・美大職員についてお届けしてます。
今までの話はこちら↓
【参考になる情報はどこにある?】君も大学職員になろう1
【大学の事務組織編】君も大学職員になろう2
【キャリアステップの考え方】君も大学職員になろう3
【美大職員について】君も大学職員になろう4  

いよいよムサビ職員について2回にわけて書きます。
マイナビ転職 エントリーページ」に書かれてることが本当に正しいか、引用しながら検証・補足を書ける範囲で(笑)


=====
【求める人材】
◎仕事を通じて自己の成長を図りたい方
◎組織の発展のために尽力する熱意のある方
◎美術・デザインを通じて社会貢献に取り組む意欲のある方
◎柔軟な創造力と着実な実行力を併せ持つ方
◎経営的視点で大学を運営できる方
=====


昨日の話ともつながりますが、5項目のうち美術・デザインにうっすら関係するのは1項目だけで、しかも美術・デザインの知識ではなく「を通じて社会貢献に取り組む意欲」です。「美術が得意かどうかは関係ない」ってのはそういうこと。
「てかお前らはそういう能力あるのかよ?」と言われたらギャフン。

でも、上記求める人材5か条はクリエイティブイノベーション学科の教育理念と通じるものを感じませんか?


=====
専任職員は現在75名。大きくない組織だけに、各グループ間の連携が不可欠です。
チームワークよく業務に取り組むことが大切です。
=====


専任職員は75名。嘱託職員さんが43名、長期臨時職員さんが44名でその他に派遣さんや業務委託の方がいらっしゃいます。
通学部学生約4000人で、プラス通信教育課程も扱ってるこの規模の大学としては専任職員75名は少ない方なんじゃないかしら(タマビの専任職員は93名)。


=====
大学の仕事は複雑化、高度化、専門化が進み、教育・研究・社会連携や組織管理・運営に関して
職員が果たすべき役割が重要になっています。
大きな責任を担うことが求められる現在において、若手職員の方々には、従来の枠にとらわれず、新しい視点から課題発見や問題解決に、力を発揮していただきたいと考えています。
=====


2015年から事務局では「部課室制」を廃止し、「グループ・チーム制」を導入しました。
ざっくりわかりやすく説明すると、グループがこれまでの「部」、チームが「課や室」です。

具体例を出すと、「学生支援グループ」の中に「教務チーム」「学生生活チーム」「キャリアチーム」「市ヶ谷チーム」「通信教育チーム」の5つのチームがあり、部長にあたるのがグループ長、課長がチームリーダー。

「・・・で何が違うのよ?」と思いますよね(笑)

狙いとしては「事務業務のフラット化」「有機的な仕事のやり方」です。
大学もどんどん新しい仕事が増えてて、例えば「社会貢献・社会連携」というキーワードは前からあったけど、どの大学も本格的に取り組むようになったのはこの10年以内です。「在学生保護者への説明責任」も昔はなかったし、「大学間連携」「高大連携」「IR」もそうだし、美大だと「小中学生への美術アプローチ(初等中等教育への美術振興)」が典型例ですね。
すると、「その新しい業務はどの部署がやるんだ?」問題が発生することになります。

どうしても「部課室」だと「自分の仕事はここまで」と既存の与えられた業務分掌を保守する力が動いてしまい、同じ部でさえも「それは●●課の仕事」と別名「縦割り」「たらい回し」が起きます。
縦割りの利点も確かにあるんだけど、業務内容・職員の求められる仕事が増加・変化・進化してる現状だと「縦割り」では全然対応しきれないし、課のままでそれに対応しようと思うと職員数を増やすしかありません。

なので「業務が固定化された課」を無くし、「グループ内の仕事をその時々に合わせてチームを組んで対応しましょ」というのが「グループ・チーム制」の理念です。「業務に合わせて人の組み合わせを変える」、「チーム」というよりもっと柔らかい形の「プロジェクト」に近いかもしれません。
服務管理の関係で1チームには必ず所属しますが、基本的にみんなフラットな「グループ員」です。こうすることでたらい回しが起きにくくなる、と。理論的にはね(笑)

なおかつ彼女も語ってるようにジョブローテーションをやってるので、何かを極めるのは難しい構造だけど、「いろんな仕事を経験して自分の経験値を高める」という意味ではグループ・チーム制+ジョブローテは最強の仕組みかも。

ただ、いい制度ではあるんだけど、問題点が4つあって。
1つ目は、チームリーダーがこの理念を理解していないと、昔ながらの「職員の抱え込み」が結局起きてしまうこと。
2つ目は、社会連携みたいなそれぞれの企画が完結するものはチーム制が生きてくるけど、事務処理を淡々とやるような業務だとあんまりメリットがなく、担当者を固定してやってしまった方が早いこと。
3つ目は、名刺交換した時に「グループ長とチームリーダー、どっちが偉いんですか?」と・・聞かれはしないけどそんな空気になること。
4つめは、肩書を「〇〇グループ員」と表記するしかないんで、なんか「〇〇メンバー」みたいに見えること。

このポリシーが職員全員にしっかり浸透してるとは言いにくいですが、「従来の仕事の枠に捉われない」思考とやる気が求められてるのは確かで、徐々に「チームを超える」動きが起きているのを実感してます。


続く。


以上、密室に閉じ込めてこっそり一人にグリーンカードを渡す役をやってみたい手羽がお送りしました。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。