【地方で学ぶべきか?】手羽家九州旅2019ラストは北九州!【地方で喜ばれることとは?】

2019年8月12日(月)

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8月頭、家族で九州旅行に行ってました。
これまでの話はこちら。
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衝撃の写真を最初に公開します。
実家近くの駅前商店街、一番の繁華街です。

平日の午後でこの完璧なシャッター商店街状態。
誰も歩いてない・・夜の繁華街ではなく、ブティックや仏壇屋、本屋などが中心の商店街です。


まず、情報を整理しておきましょう。
「手羽は福岡出身です」と説明すると、「福岡いいですよねー。空港も近いし起業家も増えてるし。あ、おいしいラーメン屋紹介してよ」と必ず言われるんですが、それは博多や天神、中洲がある「福岡市」のこと。確かに福岡市は若手起業家などが流入してる地域だし、地方でも盛り上がってる印象があります。

でも、手羽の出身は筑豊地区にある直方市(のうがた)という町で、福岡市まではディーゼルカーで1時間ぐらいかかります。あ、東京の「電車で1時間」とはわけが違い、本数が少ないんで現場感では2時間ぐらいかかるイメージ。なので高校までしか福岡県にいなかった手羽は、福岡市のおいしいラーメン屋なんて知るはずもなく、でも夢を壊したら申し訳ないので、聞かれたらこっそりぐるなびで調べて教えてました(激白)。

筑豊は、昔炭鉱で栄えた地域で、手羽の父家族は神戸から仕事求めてこの筑豊に移住してきてます。手羽って苗字は珍しいけど、福岡ではなく兵庫にはぼちぼち存在する苗字らしいです。


炭鉱を象徴するのがこの地域銘菓「黒ダイヤ」。石炭はその貴重さから「黒ダイヤ」と言われてたんですよ。

一言で言えば黒糖を使った羊羹の巨大な塊。
えーと、2口食べたら甘すぎて飽きます・・甘いもの好きの手羽もその甘さに1回しか食べたことありません・・。

でも「筑豊の出身です」だけで通じる人は少なく、といって誰もがわかるものもないんで「えーと、北九州の近くです」と補足するようにしてます。あえて都会の福岡市とは区別するために。
最近は「リリーフランキーさんやIKKOさん、大関だった魁皇の出身地域です」が言えるので少し楽になったけど。
ちなみに「南九州」に対して「北九州」という範囲を示す言葉がありますが、九州人が通常「北九州」という場合は「北九州市」の地名を表します。門司、小倉、若松、八幡などがあるところですね。「ヤンチャな人」が多い街(言葉濁してます)。

ただ、筑豊地区の現在の産業は・・・なんだろう・・全然思いつかない。北九州や福岡市のベットタウンになってるくらい(人口はどんどん減ってるけど戸数は増えてるそう)で、今のところ盛り返す要素は全くありません。
あ、バカにしないでください。こんな町だけど、

六本木のラウンジだってあるんです!すごいでしょ!
・・虚しい・・手羽が高校生の頃は、この商店街もみんな元気に営業してたんだけどなあ・・。


原因のひとつは、間違いなく近くに巨大なイオンモールができちゃったからです。
TOHOシネマズもヴィレバンもHMVもカルディもスタバもボディショップもユニクロもniko andも無印良品も入ってるしで、普通に考えればこっちで買い物しますよって話で。


  • イオンの中にある無印良品の前でタピオカミルクティを飲む手羽。都会だ。

成長する可能性がない消滅都市だったもんで、高校生の手羽は東京にどうしても出たかった。
先日のオープンラボで「東京で学ぶべきか、田舎で学ぶべきか」な話になったと書きましたが、シャッター商店街の老人しかいない田舎で、「サービスデザイン」とか一切通じないようなお金も人も情報もない村社会で、アートやデザインを学ぶ意義が手羽にはいまいちわからず。ソーシャルな方々には確実に反感買いますけど。


ただ、そんな地域だけど、知る人ぞ知る・・というには有名すぎるか・・筑豊で唯一成長してる会社があります。
それが

もち吉です。
いまや全国展開する会社に成長してます。
「もち吉」という会社名を知らなくても、「森田あられ」「サラダ一番」でわかる人も多いはずで、飛行機に乗ってミニ煎餅詰め合わせがお菓子で出てきたらもち吉の可能性が高いし、

大相撲で使用される「力水」は、全部もち吉が昔から無償で提供しているんですって。

森田社長の言葉は「知恵をかりろ 胸をかりろ 力をつけろ」
すごくいい言葉で、「最初は一人でなんでもできると思うな。周りから知恵や胸を借りて、自分の力をつけるんだ」というメッセージ。ソーシャルの根本のような感じがする。


ここまで成長すると地域還元も可能になり、工場前に保育園を作ったり、

ちとわかりにくいですが、これは本社工場に入っていく道を撮った写真で、左奥の方に団地があるでしょ?昔はこんなものはなく、工場が発展したから人が増え、団地が必要になったってことですね。

田舎の古民家をリノベーションしてオシャレなシェアオフィスを作りコミュニケーションの拠点にするのも悪くないし、恐らくその視点からみれば・・長期的にみればこの団地やイオンモールは「悪者」になるだろうけど、こういう光景を地元で見てると「どっちが地域の人に喜ばれるんだろうか」と考えてしまいます。難しい問題・・。

ちなみに今回の大分・北九州旅で最も印象深い出来事は、ホテルもコンビニもレストランも対応された店員さんが全員日本人だったことです。東京ではもうありえない。


そして、台風で1日ほとんど身動き取れず、手羽家族旅は8月7日(水)九州最終日に突入。

午前11時の飛行機だったんで、9時からサクッと立ち寄れるところってことで、

この3月にリニューアルオープンしたばかりの小倉城へ。
実家から車で30分ぐらいの場所なんだけど、今まで一度も行ったことがなくて。
天守閣が下フロアより大きいのが特徴なんだそう。石垣のラインやお堀との関係といい、きれいな形だなあ。


  • 天守閣から見える小倉城庭園


  • 城内にある小倉祇園 八坂神社。社殿がでかい

お堀周辺を歩くとこいつが飾られてた。
お前、もしかして九州の代表になったつもりじゃないだろうな!福岡人はお前を認めてないからな!


と、心の想いをぶちまけたところで北九州空港へ。おっと、最後にこれは言いたかった。
北九州に行く場合、福岡空港ではなく北九州空港を使いましょ。2006年にできたんで認知度がまだ低いんすよ。手羽が実家に帰る時は北九州空港だから、福岡空港をほとんど使わなくなりました。

直通電車がなく車やバスしか交通手段がない不便な空港なんで、「空港を」というよりも、北九州空港をハブ空港にしてるスターフライヤーに一度乗ってほしくて。

この真っ黒い飛行機ね。
全席電源コンセントがあるわ全席タッチパネル式液晶モニタだわ国内線でビデオ20チャンネルあるわで、これに乗っちゃうと他の飛行機に乗れなくなります。
今は羽田⇔福岡空港便も1日8便飛ぶようになったので、北九州でなくてもぜひ。


というわけで、これにて手羽家の九州旅シリーズは終了!
もう少し書きたいことがあるんで、それが終わったら手羽美★は遅めの盆休みに入ります。


以上、

「小次郎、破れたり!!」と叫んだら、「それ逆だから。あんたが死ぬ方」と冷静に奥さんに指摘された手羽がお送りいたしました。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。