オリンピックエンブレム締切いよいよ明日!

昨日は映画バクマンを見てきた手羽です。マンガを読んでない人は楽しめると思うし、マンガ読んでる人は「そこ、省略しちゃう!?」と思っちゃうんじゃないかしら。手羽は「2時間にまとめたんだから、この脚本は仕方ないか」派です。

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エンブレム関係の話題はマメに拾ってましたが、
2020年東京五輪公式エンブレムと美大
過去の五輪エンブレムを調べてみた
新エンブレム応募要項(案)発表
エンブレムデザインFAQから考える


肝心なところですっかり忘れてました。

エンブレムの申し込みは明日までです(汗)
エンブレム選考特設ページ 東京2020エンブレム
いろいろありますけど、美大生の皆さんはとりあえず申し込んでおきませんか?
次のチャンスは生きてるうちにもう一回あるかないかですし、「応募見込み件数1万件以上」は決して多い数字ではなく。
ジャンボ宝くじの当選確率なんて約1000万分の1ですよ。運ではなく(運もあると思うけど)実力が反映されることも思えば、宝くじ買うより1000倍以上現実的です。


では、申し込みページをチェックしてみましょう。

まずはメールを仮登録をします。
届いたメールから申し込みページへいく流れ。(仮登録は1時間)
 


そしたらすぐに本登録画面になるので、もろもろ情報を登録し、
 
 

いよいよデータをアップします。

応募要項やオリンピックロゴ、テンプレートなどの一式はここから落とせますのでご利用ください。
応募関連資料一式(zipファイル/1.6MB)

これから応募しようと思ってる方へ。
手羽の傾向分析を少しだけ。
「桜や富士山みたいに日本を象徴するものを入れるべき」という声もありますが、過去のエンブレムを見ると、その国を思わせる、匂わせるイメージや冬季オリンピックだと雪をモチーフにしてるものもあるけど、名所とか直接的なモチーフをそのまま入れ込んだものは今まで一度もないようです。
「直接的なモチーフ」といえば、千葉県いすみ市のマスコットキャラクター「いすみん」は、いすみ市の自慢できる梨、波、椿、稲穂、漁獲量日本一の伊勢海老、そしていすみ市の位置情報を全部いれこんだ欲張りなキャラクター。私は「いろいろ入れ込みすぎたんじゃないっすか・・」と思うんだけど、ゆるキャラ(R)とエンブレムは同じようなものだと思ってる人の方が日本は多いかもしれません。
「モチーフをそのまま使わず匂わせる」という解釈と表現は、美術の訓練をある程度やってないと難しいことなのかもしれないし、逆に「匂わせる」という使い方では普通の人はわからないのかもしれない。難しいところですね。
ぜひ美大生の皆さんは「浮世絵を連想させるようなもの」とか、そういうエンブレムをつくってもらえれば、と思ってます。そうしないと富士山と桜と日の丸と扇をゴチャゴチャ入れ込んだエンブレムが選ばれちゃいますよ・・。


昔だと、中学校や高校の美術の時間に「みんなでエンブレム作ってみよう!」なんてことをやってクラスか学年でまとめて申し込んで盛り上がってたんじゃないかしら。
ただ、今回はデジタル作成・デジタル申し込み限定。
これってすんごく「美術+情報」のいい教材になるはずだけど、現実的には・・・どうかな。

といって、デジタル作成・デジタル申込は時間的・効率的にはそれしかないわけで、騒ぐ理由もなく。
「幅広くって言いながら、パソコン使えない人は応募できない」と言ってるエアホッケー選手や「和紙の感覚はパソコン上では出せない」と言ってる方にはムサビ通信教育のパンフレットを送りたくなるわけで。



その後の審査ステップです。
恐らくこれが今後日本の「開かれた公平性のあるデザイン公募の審査ステップ」の基準になっていくはずなので、プロジェクトデザインの参考のために残しておきます。

(1)形式要件のチェック1
制作条件のうち基本的な項目を満たさないものを選別
●審査体制
・事務局30名程度とし、1作品につき必ず2名の職員が確認。
・2名の意見が一致したものを通過または落選とし、意見が分かれた場合は統括者が確認し判断をする。
●日程:形式要件のチェック②と合わせて6日程度


(2)形式要件のチェック2
他のマークと混同するおそれや公序良俗に反することが明らかなもの、一般的な図形のみで構成されているもの等を選別。
●審査体制
・事務局2名1組×4グループ(法律に詳しい委員や関係機関など専門家の助言を得る。)
・3グループで、作品をチェック。
・落選とされた作品について、さらに別グループがチェック。再確認することにより、誤審査を防ぐ。


(3)デザインのチェック1
少人数複数のグループで、デザイン的な視点から審査。
●審査体制
・6~8名(デザインに詳しいエンブレム委員+外部のデザイナー数名)×2グループ× 3日程度
・1グループ6~8名が、1作品ずつ高精細モニターに投影された作品を審査。
・それぞれが評価できる作品に審査員が投票し、一定の得票を得たものが通過。
・デザインのチェック参加予定メンバー(50音順)
今中博之、榎本了壱、柏木博、勝井三雄、田口亜季、但木敬一、田中里沙、中西元男、夏野剛、長谷川祐子、フミ・ササダ、松井冬子
*エンブレム委員会メンバー以外の審査メンバーについては後日アナウンス


(4)デザインのチェック2
大人数1グループで、デザイン的な視点から審査。
●審査体制
・エンブレム委員15名程度1グループ×1~2日
・15名程度のエンブレム委員が、1作品ずつ高精細モニターに投影された作品を審査。
・それぞれが評価できる作品に審査員が投票。
・投票数が上位の作品から、エンブレム委員会の審査時に十分な審査時間を確保できる程度までを選考。



ここまでのステップで年内に100-200に絞り込み、年明けすぐにエンブレム委員会での本審査→国内・国際商標調査→エンブレム委員会での最終審査と進んでいきます。
まだはっきりしてない部分もあり(「国民審査も入れるか?」とか)、12月8日にそれなりの発表があるようです。

宮田学長、頑張ってください・・。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。