五美大展・DOUBLE ANNUAL 2025@国立新美術館と視デ卒制選抜展「shide CONTACT2026」@AXISに行ってきた #タマビ #東京造形 #日芸 #女子美 #ムサビ #瓜芸 #東北芸工

2026年2月23日(月)

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ほんとは記事を分けたいけど、会期が短いので1記事にしました。長いです。
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2月22日(日)、手羽は

国立新美術館にいました。二日連続の六本木。
 
この時期に国立新美へ行く理由はひとつしかありません。
2025年度 第49回 東京五美術大学連合卒業・修了制作展

●会期:2026年2月20日(金)~3月1日(日)
※2月24日(火)休館
●時間:10:00-18:00(入場17:30まで)
●会場:国立新美術館
●参加大学:日本大学芸術学部 / 武蔵野美術大学 / 多摩美術大学 / 女子美術大学 / 東京造形大学
●参加学科:日本画 / 油絵 / 版画 / 彫刻


通称「ゴビダイテン」
五美大展を初めて見る人へのアドバイスは5つあります。
1つ目は「日本画・油絵・版画・彫刻のファインアート系学科のみの展覧会」ということ。デザイン系は展示されてないし、デザイン系の美大合同展はありません。
 

 
2つ目は「五美大展に東京藝大は含まれてない」ってこと。
ちなみに「五美大はムサタマ造形女子美以外のもう1つは藝大じゃなくて日芸!」と否定する人がいますが、「五美大展はそうだけど、『五美大』という括りはシーンによっていろいろあるよ」という説明はこちらの記事をご覧ください。「あくまでも五美大展での」です。
  
五美大展をまわる時に事前に知っておいてほしい豆知識がありまして、それは「五美大展スクールカラー」
展示会場は中でつながってるんで、どこまでがどの大学なのかパっと分からないことがあります。
なので各大学の見分けがすぐつくように五美大展独自のスクールカラーを設定しているんですね。

大学名の前に色がついてるのわかります?
作品キャプション、掲示等はもちろんのこと、作品搬入時のガムテープもすべて五美大展スクールカラーを使うようになっています。色さえ確認すればどの大学かすぐ把握できる、と。
これを知ってると、手羽の作った東京4美大の一般選抜日程カレンダー

なぜこの色分けなのかわかってもらえるはず。
あまりにも徹底されてるんで手羽は入職当時、その色が本当のスクールカラーだと思ってたくらいで、「へー。うまくできてるもんだ」と感じたけど、あくまでも「五美大展の時だけに使うスクールカラー」なのでお間違えなく。  
と長い前置きはこれくらいにして、会場を見ていきましょ。
 

まずは多摩美術大学。

タマビの五美大展スクールカラーは赤色。
本当の大学カラーは青なんだけど、五美大展では赤を使っています。

タマビさんは学内卒展Aを見に行ってるので知ってる作品ばかり。


続いて日本大学芸術学部。

五美大展スクールカラーは黄色。

 
続いて東京造形大学。

五美大展スクールカラーは緑色。
五美大展は幹事校を持ち回りでやっていて、今年は東京造形大さんが幹事校。
あ、東京造形大学は2月28日(土)14時からギャラリーツアーをやるので、そちらもぜひどうぞ。

東京造形さんも学内卒展を見てるので、「国立新美ではこう展示したのか」と比較しながら。
 
五美大展アドバイス3つ目は、「あくまでも卒業制作の『レビュー』『ポートフォリオ』的な展覧会」ということ。
地方の美大だと卒展を学外の美術館でやることが多いので、これを「五美大合同の卒展」と思ってる方も多いのですが、東京のファインアート系学科は学内展がメインなんです。
国立新美はスペースやレギュレーションの関係から「3つ作ったうちの一つ」「全体は見せられないから一部のパーツだけ」「パフォーマンスができないので収録してビデオ上映」「五美大展サイズに小さく作った作品」になるし、「水モノ・土モノ」「政治・宗教活動」などがNGになっています。
その典型例はこちらの作品かもしれません。

五美大展ではこうやって展示されてましたが、

東京造形大の学内卒展で展示されてた実際の状態はこうだったんです。
水モノでサイズが大きいから五美大展ではどうやって展示するか気になってました。
こういうことがあるから本当は学内卒展を見てほしくて(女子美さん以外は終わってるけど)、五美大展は作者を知ってもらうための「ポートフォリオ実物版」を展示してる、ぐらいに考えてもらえれば。
 
とはいえ、5大学のほぼ全員のファインアート系学生が同じ場所に展示することは、日本でもこの五美大展以外はありません。
これから名前が出ていく人を早く知ることができるし、「ゴミのような作品ばかり。今の美大は」と受け取る人もいれば、「若い人はこういう思考を持っているのか。老害にならないよう自分の感覚をアップデイトしないと」と考えられる人は自分の学びにもなるし、見方は自由。
また、各大学の作風やカラーの違いが一気にわかるので、特に受験生にはかなりおすすめの展示なのは間違いないです。
 

五美大展アドバイス4つ目は、

「1階には屋外展示場があるから忘れずに見てね」
大型作品や重量がある石彫作品等が並んでるんだけど、ここを見ずに帰っちゃう人が多くて。

上記写真の手前はムサビ彫刻の作品なんだけど、学内卒展は、

1号館下に設置されてました。
やっぱり場所が変われば、作品のメッセージ性も変わってきますね。
  
最後のアドバイス5つ目は、これも意外と多いのだけど「2階にも展示してるよ」ってこと。
1階だけでもかなりのボリュームだからそれで満足して帰っちゃうんですよ。美大関係者は「今見てる展示はどの大学か」が大事ですが、関係ないお客さんからすれば5美大だろうが3美大だろうがどうでもいいわけで(笑)
それもあって毎年2階よりも1階の方が人が多いんですよね。本当は同じくらいの混み具合になるはずなのに・・。
 
てなわけで、2階の武蔵野美術大学へ。

五美大展スクールカラーは青。


  • 今年はムサビ彫刻がかなりいい。

あれだけ学内卒展を回ってても、五美大展で初めて見る作品があるもんで。
 
最後は女子美術大学。

五美大展スクールカラーは紫・・・なんだけど、最近はピンクにかなり近い紫を使ってるかな。

学内卒展を見てても思ったのですが、どの大学も徐々に動物を扱った立体作品が増えてるような気がします。

2階から屋外展示場を見たらこんな感じ。

昨日は14時から3階講堂で

東京造形大学・池上英洋先生による「甦るレオナルド・ダ・ヴィンチ ー美大にしかできない先端研究」という講演会が行われてました。
20分ぐらいしか聞けなかったけど、面白かったなあ。


昔だとこれで帰ってましたが、こちらもチェック。
DOUBLE ANNUAL 2026 |京都芸術大学 東北芸術工科大学

●会期:2026年2月21日(土)~3月1日(日)*休館日:2月24日(火)
●時間:10:00~18:00 ※最終日の観覧締切時間は17:30
●会場:国立新美術館 3階 展示室3A

 
3階では京都芸術大学と東北芸術工科大学の合同選抜展をやってます。)
(あえて)五美大展と同時期にやってるので比較される方もいらっしゃるのだけど、卒展ではないし、展覧会の目的が全然違うので比較されてもなあ、と思ったり。

「アートに何ができるのか」という問いを、選抜された学生たちが現役のキュレーター(京都芸術大学:堤拓也さん、東北芸術工科大学:慶野結香さん)からの助言を受けながら作品制作と展示構想を進めると同時に、展示全体の構築に関わるアート・プラクティショナーと協働し、展覧会を作るプロジェクト。

五美大展と一緒にこちらの展覧会もぜひ。

手羽はここで国立新美術館を離脱し、東京タワー方面へテクテク歩く。

昔から「方言女子」というラウンジがあるのは知ってたんだけど、「方言男子」ができてる!!

AXISに到着。
今日も東京タワーがくっきり。

そのまま4階のAXISギャラリーへ。
 
この時期にAXISギャラリーへ行く理由は一つ。
2025年度視覚伝達デザイン学科卒業制作選抜展「shide CONTACT 2026」

●期間:2026年2月19日(木)-24日(火)
●時間:11:00-20:00(会期中無休/入場無料)
●会場:AXIS GALLERY(4F)、JIDA デザインミュージアム in AXIS(4F)


視覚伝達デザイン学科(視デ)の卒業制作選抜展なのです!
手羽はできるだけコンタクト展は毎年チェックするようにしてます。
学内卒展で見てるけど、あらためて見ると「こういう意味だったのか」と毎回再発見があって。また、視デは学生数が多いし、展示場所も点在してるから、見逃してる作品もちょいちょいあって・・。
 

ちなみにSNSでバズったデカチチバトは販売されてます。よかったら。

ところで、オープンキャンパスや進学相談会の時に一番多く受ける質問は間違いなく、「タマビのグラフィックデザイン学科とムサビの視覚伝達デザイン学科の違いはなんですか?」です。
美大受験業界では「平面デザイン系」という括りに入る視デでして、手羽も時間がない時は正直「平面デザイン系に括られる視デ、基礎デ、デ情は・・」と説明することがあります。
でも実技試験は確かに平面デザインだけど、授業でやってることは実は平面デザインじゃないんですよ。英語名でわかる通り「ビジュアルコミュニーションデザイン」なんです。

手羽の個人的な見解を書くと。
タマグラはグラフィックデザイナーを育てる教育をされてて、視デはきっかけや経緯、プロセス、「何でそれに興味をもったか?」を大事にしていて、そこから(いい意味で)異常なまでの徹底したリサーチ・研究し、それを表現・伝達するためにグラフィックデザインや文字、アニメーション、立体物を使う、というアプローチ。

なので、タマグラ卒展はキレキレなポスター類が並ぶけど、視デ卒展ではグラフィック以外様々な作品が出てきます。
 
明日2月24日がムサビとタマビの合格発表で、両方受かってどっちに行くか迷う人が生まれると思いますが、これから両学科の受験を考えてる人も含めて、このコンタクト展と3月7,8日に開催されるタマグラ卒展を自分の目で見て比べた方がいいですよ。
グラフィックデザイン学科卒業制作展2026

大学案内や予備校講師から聞いたイメージなんかより、「両学科の教育」「それぞれが何を大事にしてるのか」の違いをはっきりと感じられるのが学外卒展です。多分手羽の言ってる意味もわかってもらえるはず。
コンタクト展は明日24日(火)が最終日なので急げっ!

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。