【京都旅シリーズ3】立命館大学衣笠キャンパスのアート・デザイン学部棟(工事中)を見てきた

2025年11月18日(火)

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京都旅シリーズをお送りしています。
これまでの話はこちら↓
【京都旅シリーズ1】日本能率協会主催「アートが切り拓く経営の未来」in京都に行ってきた
【京都旅シリーズ2】国際アートフェア「Art Collaboration Kyoto 2025」に行ってきた  
 
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時間はさらに遡って、11月14日(金)午前9時。

立命館大学 衣笠キャンパスに到着。
近くに鹿苑寺(金閣寺)・龍安寺・仁和寺があるすごい立地。
 
立命館大学は、2011年にびわこ・くさつ・キャンパス(BKC)でタマビ・米山さんとムサタマトークをやったり、2017年に大阪いわきキャンパス(OIC)へ行ってますが、衣笠キャンパスは初めて。
姉が立命館大学出身で衣笠キャンパスに通ってたから、近くの姉のアパートまでは行ったことはあるんだけども。

そうそう。立命館といえばこの景色。

まずは構内散策。


  • キャンパスマップ


  • 西側広場

立命館は、1900年に中川小十郎が設立した京都法政学校が起源にあるので、今年で125周年。
あちこちにバナーが出てました。


  • 株式会社ヘラルボニーと連携した仮囲い

東側広場のバナーが一番大きかった。
周年ではこういうこともやらなくちゃいけないんだな・・。


  • オーディオ・ヴィジュアルラボ。課外活動では立命館大学放送局(RBC)だけ利用可能なんだそう

キャンパスマップに「アトリエ棟」とあったから行ってみたら、陶芸部と美術研究部のサークルボックスだった。窯があるのかな?
 
ここからは附属施設をチェック。
まずは

末川記念会館
平和と民主主義の理念を掲げて戦後の立命館を率いた、末川博名誉総長の偉業を記念した建物。


  • おおお!「虎に翼」でみた法服だ!!

なんといっても松本記念ホール陪審法廷ですね。
1933年から15年にわたって実際に京都地方裁判所で使われていた法廷を移築したんだそう。
この頃から既に陪審員席が12名分あるのがわかります。

 
他の附属施設だと、

歴史都市防災研究所があったり、

1998年に設立されたアート・リサーチセンター
この業界にいると「立命館大学アート・リサーチセンター」という単語はよく聞きますね。
というのも、日本には大型の研究設備や大量の資料・データを全国の研究者が共同で利用するための「国際共同利用・共同研究拠点」が8カ所あり、東北大学金属材料研究所、東京大学 医科学研究所・宇宙線研究所、名古屋大学 宇宙地球環境研究所、京都大学 化学研究所・数理解析研究所・基礎物理学研究所、大阪大学 核物理研究センターと、こちらの立命館大学アート・リサーチセンターです。
私立大学では唯一で、なおかつアートリサーチなんすよ。

 
というわけで、いい流れになってきました。

このタイミングで立命館大学衣笠キャンパスを訪問した理由は一つしかありません。

この工事中の建物を見るためなんです!!
え?これだけじゃわからん?

2026年に新設されるアート・デザイン学部の建物を見るためです!!
今最も美大関係者が気になってる学部・学科。

デザイン・アート学部のWEBや資料にはよく「美的感性に裏打ちされた『問題解決力』『問い直し力』『共創力』『問題発見力』『創造的思考力』」というフレーズをよく見かけます。

また、今年からデザイン(設計・創造)とアート(感性・技術)、そしてデジタルの融合を基盤にして、クリエイティブ力で社会の閉塞感を打破していく未来志向「クリエイティブ・トランスフォーメーション(CX)」という単語もよく使われるようになったかな。
CX、こういうキラーフレーズ大事ですよね。
 

「立命館のような巨大総合大学が美術系学部を作る」と京都を中心に美大業界はザワザワしてますが、従来の作家養成の学部ではなく、「意味のデザイン」「社会のデザイン」「環境のデザイン「情報のデザイン」の4つの研究領野で・・・って、細かくはこちらの動画をご覧ください。

 
え?「創造的思考力」とか、なんとなくムサビのクリエイティブイノベーション学科とコンセプトが似てるけど、大丈夫なのかって?
えーと、大丈夫というか、
本学ソーシャルクリエイティブ研究所と立命館大学デザイン科学研究センターが創造的思考⼒の必要性を社会に浸透させるための学術交流に関する協定を締結
むしろアート・デザイン学部の設置に協力してます(笑)
デザイン・アート学部構想が発表されたのが2024年3月4日で、上記締結が3月14日。大学の締結なんて10日で結べるはずもなく、そういうことです。
 
なんで協力してるかというと、「創造的思考力」を社会に浸透させるために、ってのが一番大きいですが、

学校法人立命館 総合企画室 室長として、デザイン・アート学部設置の指揮を取る八重樫文先生が、ムサビ基礎デザイン学科卒で、デザイン情報学科初代助手ということも関係してます。
基礎デ卒業後、東京大学大学院で修士を取り、立命館大学経営学部で教鞭をとられてる方。
ブログ冒頭で「2011年にBKCでタマビ・米山さんとムサタマトークをやった」とサラっと書いたけど、実は八重樫さんが講師として呼んでくれたんですよ。
 

工事壁の隙間から撮影。
映像学部が使ってた充光館をアート・デザイン学部の建物に改修してるってことですね。
いつもの「手羽だったら1階はギャラリーにして、2階は・・」と妄想を展開。
あ、映像学部は2024年に大阪いばらきキャンパスへ移転しています。
  
完成イメージ図はこちら。

また、新しい建物も作るそう。

キャンパスのどのあたりにできるんだろ?それが確認できなかったのが心名残り。
完成したらまた訪問させてもらいやす。

内部はこんな感じだそう。
 
立命館大は、「衣笠絵描き村」と言われた衣笠エリアを再び世界に向けて芸術の都として発信するために、周囲の神社仏閣、美術館等と連携したアートによる街づくり「KINUGASA Redesign Project」をスタートしています。
毎年6月第一日曜日を「アートの日」と制定したり、「衣笠アートヴィレッジ フェスティバル」を開いたり、7人乗りのグリーンスローモビリティを周遊させたり、さすが立命館さんは動きがダイナミック。
  

「さーて、立命館大で見たかったものは見れたし、そろそろ京都国際会館に向かうか・・・でも、ツアー集合時間までにはちょっと早いなあ・・・あ。そういえば途中にあそこがあるか」と向かったのは、

京都精華大学です。
京都精華のMさん、すいません。飲み会で何も話さなかったですが、実はこっそり立ち寄ってました。

京都精華さんには2024年3月31日に訪問してて(日記って便利)、それまでも何回か来てるから、


  • 言語学習支援室


  • すぐ隣では産学連携の展示も


  • こういうことやってるんだなあ

滞在時間は30分弱でしたが。
 
 
以上、これで京都旅シリーズは終了・・・のつもりでしたが、京都精華さんに行ったら、口の中が京都精華になったんで、

ここにも行ってきた手羽がお送りいたしました。
 
まさかの第4話に続くっ!!

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。