2022年度京都市立芸術大学作品展の潜入レポートをシリーズでお届けしています。
これまでの話はこちら↓
■【2023年10月に移転!】2022年度京都市立芸術大学作品展に行ってきた1
■【アトリエ棟を中心に】2022年度京都市立芸術大学作品展に行ってきた2
■【工芸と彫刻の工房チェック】2022年度京都市立芸術大学作品展に行ってきた3
シリーズ最終回はいよいよこちら。
音楽学部のエリアです。
京都市立芸大さんを訪問するのはこれで3回目ですが、実は一度もこの右のエリアに入ったことがなく。
「ここからが音楽エリアです」とか書かれてないのだけど、やっぱり美術の人間は音楽の方に入りにくい空気がなんとなくあって・・・。
でもこれが最後なんで勇気を出していってきました。
こちらは講堂。
講堂の横にあるのが
体育館があります。
体育館も展示会場になってて、
ビジュアルデザインとプロダクトデザインが展示してました。
手羽が気になったのは、ビジュアルデザインのこちらの作品。
作品の音声ガイドを聞くことができるんです。
キャプションに点字が入ってることでわかるようにこういう作品だったけど、QRコードを使えば「作者による作品解説」とか他の卒展シーンでも真似できそうですね。
体育館の横にグランドがあり、卒展当日は臨時駐車場になってました。
さ、頑張って上記写真の左端に見える建物に向かうか。
西門に到着。
そこから5分ぐらい道路を歩いて、
旧 京都市立音楽高等学校の校舎に到着。
潜入レポート1で書いた「京都市立芸大の他の設立ルート」ですが、実はいろいろあるんですよ。
まずは音楽学部設立のルート。
1948年に京都市立堀川高等学校音楽課程が生まれ、修業年限2年の音楽専攻科が1952年に京都市立音楽短期大学へ昇格し、1969年に市立美大と合併して京都市立芸術大学音楽学部となります。
で、本体の京都市立堀川高等学校音楽課程はというと、この場所に分校という形で移転し、1997年に堀川高等学校から独立、音楽科高校として日本で唯一の音楽科単独公立高校「京都市立音楽高等学校」となります。
でも2010年に「京都市立京都堀川音楽高等学校」と校名変更・二条城前に新築移転されるんですね。なので「旧 京都市立音楽高等学校」なんです。
あ、間違ってたら指摘してください。なかなか京都市立芸大さんの沿革は複雑で・・。
ただ、京都市立芸大と京都市立京都堀川音楽高等学校との歴史的つながりがわかってると、堀川音楽高等学校の敷地内になぜかギャラリー棟があり、そこに京都市立芸大のギャラリー「@KCUA」が入ってる理由がわかるんじゃないかと。
音楽高校だけあって、
学生さんに聞いた話だと、スタジオ以外の普通の教室も申請すれば美術学部の学生さんが使えるそう。
立派な演奏会場もありました。
もちろんこちらでも展示はされていて、
噴水を設置してた。タイトルは「日常に水をさす」。うまい。
これ、普通の教室じゃ許可出ないんじゃなかろうか(笑)
高校校舎内からキャンパスへ戻るルートを動画で撮ってきました。
外部の人間がこれをできるのは作品展以外無理だろうなあ。
キャンパス全体をチェックできたし、これにて2022年度京都市立芸術大学作品展レポートは終了・・・・と、いうわけにはいきません。
ここまで来たら、あっちもチェックしないとね。
京都市京セラ美術館です。
歴史ある建物を活かしつつ今時の形に大リノベーションしてるので、京都訪問の際はぜひチェックしてほしい場所。
作品展の第2会場が京都市京セラ美術館なんです。
手羽は大改修後に一度訪問してるんで、
■【Go To 京都シリーズ1】京都市京セラ美術館に行ってきた【改修工事終わった!】
今回行くかどうか少し迷ったけど、ここまで来たら作品展を制覇するしかないっしょ。
こちらは自分の母校である京都市立銅駝美術工芸高等学校での1シーンを立体化した作品。
で、もうひとつの「京都市立芸大の他の設立ルート」がこの銅駝美術工芸高等学校なんです。
その1での説明で「日本初の公立絵画専門学校『京都府画学校』が途中『京都市立美術工芸学校』等と名称変更しながら『京都市立美術大学』になった」とざっくり書きましたが、実は1909年に「京都市立絵画専門学校」が新設され、美術工芸学校の校長が兼任、場所も工芸学校の校舎を使ってたんですね。
で、京都市立絵画専門学校の流れが京都市立美術大学となり、京都市立美術工芸学校の流れが銅駝美術工芸高等学校になる、と。(間違ってたら詳しい方指摘してください)
細かい歴史はともかく何が言いたいかというと、歴史を少し知ると「今回のキャンパス移転で京都市立芸術大学と銅駝美術工芸高等学校が同じ場所に集結する」ってなんかエモく感じないっすか?と。
京都市立芸大さんといえば、美大ネタまとめでも紹介したけど、田島達也先生のこちらのツイートがいろんなメディアで紹介されてますね。
今年も「画家の手紙・日記を読む」授業のレポートとして、自由に手紙を書いてもらった。内容は日々考えてることや印象深い出来事などさまざま。そして今年も芸大らしく意表をつく形式の手紙があった。1人で見てるのが勿体無いので、本人の了解貰って、そのごく一部を紹介したい— 田島達也 (@tajimaxG) January 31, 2023
最後に。
移転前のキャンパス写真を集める活動をされてて、「そうか。キャンパスを閉じる時はこういうことが必要だな」と学びました。
大学広報で写真は撮ってるんだけど、どうしても式典やイベント風景が中心になるので日常とは違う写真しか残らないんですよね。
ぜひ日常を切り取ったスナップ写真のようなものがあれば、ピンボケでもいいので学生さんや卒業生は提供してあげてください。数10年後に当時の学生生活を確認できる立派な大学史資料になるんです。
あ、手羽の写真と動画も自由に使っていただいて構いません(笑)
さ、「移転前のキャンパスをチェックする」というメインの用事も終わったし東京に戻るか・・・と思ったけど、京都市立芸術大学といえばあっちもチェックしとかないと。
京都芸術大学です。
はい、そこ!ソワソワしない!!
京都シリーズ、まさかのまだまだ続くっ!
ちょっと休んで来週からかな?
【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。