2022年度京都市立芸術大学作品展の潜入レポートをシリーズでお届けしています。
これまでの話はこちら↓
■【2023年10月に移転!】2022年度京都市立芸術大学作品展に行ってきた1
今日紹介するエリアは
新研究棟とアトリエ棟です。
では、いってみましょ!
まずは新研究棟。
2000年に開設された、京都市立芸術大学で一番新しく一番高い建物で、1階から5階までが大学院博士後期課程の研究室やアトリエ、6階から8階に日本伝統音楽研究センターが設置されてます。
展示は2階まで。
床に矢印があったけど、なかなか前へ進むには勇気がいる場所(笑)
続いてアトリエ棟。
非常に面白い作りになっていて、
ビルが3つつながってるような形。
ちなみに「アトリエ棟」という名前だけど、普段は日本画、油画、版画以外に構想設計、ビジュアル・デザイン、環境デザイン、プロダクト・デザイン等デザイン系専攻も使っている建物です。
デザイン系が使う建物を「アトリエ棟」と呼んでる美大は珍しいんじゃないかしら。でも建築事務所をアトリエと言ったりするし、おかしくはないのか。
なので、さっきまでプロダクトデザインやビジュアルデザインの作品を見てたと思ったら、急に油絵や版画の展示部屋になる楽しさもあります。
日本画は床に平置きして描くので、多くの美大では板張り+土足厳禁のアトリエになってます。
展覧会の時だけ土足OKにすることもあるけど、京都市立芸大さんはこの日も土足NGだったから、
廊下で靴を脱いで展示をみる形になってました。
版画工房でも展示されてました。
アトリエ棟は4階建てだけど、エレベータがありません。
でも、
作品用のエレベータはあります。
一度でいいからこれが動いてるところを見たかった。
てなわけで内部を動画で撮影。
おっ、建物の裏側に行ってみるか。
うちのスタッフや受験生には「美大見学に行ったら建物の裏側を見た方がいい」とアドバイスをしてます。
オープンキャンパスなどで公開してる部分はきれいな状態になってるけど、裏側には作業の痕跡が残ってるので「作品をちゃんと作ってる美大かどうか」がわかるんです。「え?作品をちゃんと作ってない美大ってあるの?」と思うかもしれませんが、かなりはっきりと出るんですよ、これが。制作に対する大学側の姿勢だったりも。
てなわけで、アトリエ棟の裏側を動画で撮ってきました。
もちろん京都市立芸術大学さんはちゃんと作品を作ってる大学ですね。
動画の最後に出てくるのは鳥小屋。
このうめぼしちゃんには「白羽の紳士」という呼び名があるらしい。
鳥小屋の下にQRコードが設置されてて、アクセスしてみたらこちらに飛びました。
■宇都宮 三帆 | 2022年度 京都市立芸術大学 作品展(22-23 KCUA Annual Exhibition)
4回生が思い出の場所で4年間を振り返ったり卒業制作を語る卒展企画。
鳥小屋以外にもいろんな学生さんが様々な場所でインタビュー受けてるんで、ぜひ他の方のも読んでみてね。
ちなみに関東と関西では学年の呼び方が違って、関東では「●年生」だけど関西だと「●回生」です。
これは東大と京大の違いと言われていて、東大は所定単位を取らないと進級できないので「●年生」、京大は留年せずに進級できるから在籍年数を表す「●回生」を使ってたことから、関東と関西の大学でそれぞれ浸透したそう。
美大でも似たようなことがあって、関東では「講評会」だけど関西では「合評会」を使う美大や美術予備校が多いんです。これも東京藝大と京都市立芸大がそう呼んでたからじゃないかと手羽は仮説を立てていて、関西で「講評会」と使う学校はきっと昔東京藝大や関東美大出身の方が中心にいたからじゃないかと。
ただ、東京造形大の絵画専攻では「合評会」と「講評会」を併用しているようなので、「講評会」と「合評会」は本来は違うものだ説もあります。詳しい方、教えてください。
さ、どんどんいきますよ!・・・と思ったけど、まだまだ続くっ!!
【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。