東京大学・山中俊治研究室最終展示「未来の原画」展に行ってきた

2022年11月22日(火)

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11月19日(土)11:00、手羽は

駒場東大前にいました。
前回来たのは
【駒場東大】「宇佐美圭司 よみがえる画家展」に行ってきた【きずな】
なので、約1年ぶりですね。

「しかしなんかいつもより人が多いなあ」と思ったら、

たまたま駒場祭当日でした。

今日はこっちの東大に用はないので、横目に見ながらテクテク歩く。

深澤直人先生が館長をつとめる日本民藝館を通り過ぎ、

11時から行列のできるラーメン屋を通り過ぎ、向かったのは・・・

駒場リサーチキャンパスです。

「駒場IIキャンパス」とか「生産技術研究所」とかいろいろ呼び方があります。
駅から結構歩くのでご注意を。

秋の東大はいいですねー。

目的地は一番端っこにあるS棟で、これを見に来たんです。
山中研究室最終展示 「未来の原画」展

●会期:2022年11月17日(木)- 12月4日(日)
●時間:平日15:00-19:00|土日祝11:00-19:00
●閉館日:月曜日
●入場料無料 ※土日祝は要予約
●会場:東京大学駒場リサーチキャンパス S棟 1階


東京大学生産技術研究所(IIS)は、2017年に価値創造デザイン推進基盤を立ち上げ、「工学とデザイン視点の融合による価値創造」をコンセプトとする取り組み「価値創造デザイン(Design-Led X)」を推進してきました。

実は手羽はこの「前夜」を知ってまして、2016年に行われたフォーラム
【東大主催】価値創造デザインフォーラム2016に行ってきた
に学長と参加してたりします。
つまり、この時に「デザインやアートによる価値創造の必要性を美大がもっと率先して訴えていかないと、一般大学に全部持ってかれちゃうぞ」という危機感に気が付いたってことですね。

山中俊治研究室は、2008年に慶應義塾大学SFCでスタートし、2013年からはこの東京大学生産技術研究所で活動してきましたが、山中先生の退職に伴い、これまでの活動を振り返りながらDesign-Led Xの次なるステップについて考える展覧会を行うことになった、と。

上記フォーラムから「これは要チェックだな」と思い、山中研究室の展示はできるだけ見るようにしてました。
コワーキングスペースサミット2018に行ってきた(東大も)
このあとも一度来てるかな?

前置きはこれくらいにして、展示を見ていきましょ。
あ、ちなみに建物の外になにげなくとまってる日産インフィニティQ45も山中先生のデザインです。
(車の中にQ45のスケッチがこっそり置かれてた)


  • 山中先生のスケッチ原画


  • Suicaの改札機のスケッチ。ここから有名な「傾斜13.5度」までたどりついたんだなあ


  • Bio-likeness


  • 美しい義足プロジェクト


  • 有人小惑星探査船


  • 自在肢。ダンサーが装着してのパフォーマンスも行われたそう


  • 2016年にリファインした「東京大学生産技術研究所」のロゴや


  • マークのブランディングプロジェクトにも関わっていらっしゃいます。

山中先生のプロトタイプ30点以上が並ぶこの会場以外に、

山中研究室から旅立ち、広い分野で活躍する卒業生24名の作品も展示されてます。

動画じゃないと意味がないんで撮影しなかったけど、メディア芸術祭やルール?展で見かけた

「四角が行く」も山中研出身の杉原寛さんの作品。
 


  • 以前東京大学制作展で見た作品も。


  • 健常者でも読める点字「ブレイルノイエ」を作った発明家・高橋鴻介さんも山中研だったんですね

デザイナー、エンジニア、研究者、イラストレーター、漫画家、アーティスト、コピーライターなどなどほんとに幅広い。

この山中先生のメッセージが熱い。
なぜ展覧会名を「未来の原画」とつけたのかも書かれてます。

こっちの会場は生物の構造を使ったプロタイプの展示なのかな?


  • おっ!

以前この作品を見たときはメンテナンス中で動いてなかったんですよ。
ようやく稼働してる姿を見れた(涙)

そしてこちらでは、山中研究室に在籍する学生さんの作品が展示されています。

最後にこれから行われる関連イベントを紹介しておきましょ。
第8回価値創造デザインフォーラム「未来の原画−この5年間に描いたもの−」

●日時:2022年11月24日(木)午後4時~午後7時半
●場所:東京大学生産技術研究所 An棟2階コンベンションホール
●プログラム:
第1部:山中俊治教授 講演
第2部:価値創造デザインの現在|ペニントン マイルス教授、杉原 加織 講師、中野 公彦 教授、本間 健太郎 准教授、内倉 悠 特任研究員、村松 充 特任助教、ほかDLX DesignLabメンバー
第3部:野城智也教授講演
●参加費:無料*事前予約制



「未来の原画」展 トークイベント2「美しいモノをつくるということ」

●日時:11月25日(金)18:30-20:00 (18:00開場)
●登壇者:柴田文江、宮前義之、山中俊治
●司会:角尾 舞
●会場:東京大学 生産技術研究所 コンベンションホール
●無料 *事前予約制



「未来の原画」展 トークイベント3「義足をデザインする」

●日時:12月3日(土)15:00-17:00 (14:30開場)
●登壇者:臼井二美男、高桑早生、勅使川原みなみ、山中俊治
●会場:東京大学 生産技術研究所 コンベンションホール
●無料 *事前予約制


全て事前予約制で、既に満席になってるイベントがほとんどなのでご注意を。

あ、イベントといえば、クリエイターフェスでの深津貴之さんモデレータによる藤原 麻里菜さん・山中先生対談も面白いっすよ。

山中先生がいなくなったら、駒場リサーチキャンパスへ行くことも減っちゃうだろうなあ・・。
 
 
以上、東大駒場を脱出し、同じ日の午後に

第24回東京大学制作展「Emulsion ー 混ぜる、混ざる、混ざらない? ー」に行ってきた
東大本郷キャンパスへ行ったので東大づくしの土曜日だった手羽がお送りいたしました。
東大制作展は会期が月曜までだったので、そっちを先に掲載しました(笑)

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。