今日は20日から始まるこちらの展覧会を紹介します。
■令和2年度 第44回 東京五美術大学連合卒業・修了制作展
●会期:2021年2月20日(土)-27日(土)
●時間:10:00-18:00*入場は17:30まで
●休館日:2月24日(水)
●会場:国立新美術館
●入場無料・事前予約不要
●お問い合わせ先:東京造形大学 教務課 tel. 042-637-8111
通称「五美大展(ゴビダイテン)」。
ムサビはまだ卒業制作の審査をしてないから、厳密には「卒業制作予定展」だったりするけど(ぼそっ)
今日は五美大展を見る時に知っておきたい5つの豆知識をお知らせします。五美大だけに。
1.五美大展に東京藝大は含まれていません。
知ってる人からすれば当然の話だけど、そう思ってる人も多くて。
この五美大展の「五美大」とは多摩美術大学、女子美術大学、東京造形大学、日本大学芸術学部、武蔵野美術大学の5校です。
ただ、「五美大展の実施校はこの5校」ぐらいの一つの小さな解釈であって、シーンによって「五美大」のグルーピングは変わります。詳しくはこちらをご覧ください。
■五美術大学と五芸術大学
*2015年に書いた記事なので、今は嵯峨美術大学が加わり「日本の美術大学は6校」になりました。
日芸の代わりに東京工芸大が入ったり、女子美短大が入ったり「東京五美大」にはいろんなケースがあるので、あくまでも「『ゴビダイテン』と言った時の五美大は」レベルです。
ただし、「東京4美大」と言った場合はタマビ・女子美・東京造形・ムサビでほぼ間違いありません。
あ、上記リンクにも書いてますが、現在九段下でやってるのは五美術大学交流展、略称「ゴビコウ」で、こっちは大学公式展ではなく、有志学生からなる学生団体の展覧会です。
■五美術大学交流展 小作品展2021
●会期:2月16日(火)〜2月22日(月)
●時間: 10:00-19:00
*21日(日)は18:00まで、最終日は15:00まで
● 入場無料
●会場:九段下アート・ギャラリーCORSO
*2月21日(日)はビルの入口が旋錠されてるため、入場の際には03-3556-3636まで連絡。
ゴビダイテンは六本木の国立新美、ゴビコウは九段下なのでお間違えなく。またゴビコウは卒業制作でもありません。
今年は開催時期が微妙にかぶってるんで、更に紛らわしいかもしれませんね(笑)
ちなみにゴビコウはオンラインで作品が買えますよ!
2.日本画・油絵・版画・彫刻のファインアート系学科のみの展覧会で、デザイン系学科は含まれていません。
これも意外と知らない人が多く、SNS見てると「グラフィックデザイン見たいけどわざわざ学内展行くの面倒だから、五美大展に行くか」とつぶやいてる人が毎年何人かいるんですよね。大学側は毎年やってるから「それくらい知ってるだろ」とつい説明を省いちゃう部分かも。
ただ、「ファインアート系学科の展示」であって、作品自体はイラストや漫画、アニメーション、映像なども展示されてるから、デザインしか興味ない人も十分楽しめるはずです。
3.五美大展はあくまでも卒業制作の『レビュー』『ポートフォリオ』的な立ち位置。
スペースの関係で卒業制作展とは別に小さいサイズの「5美大用作品」を作ったり、数を減らしたり、パーツだけ切り取ったり、パフォーマンスものは映像にしたりしてます。また国立新美はレギュレーションがかなり厳しく、土モノ・水モノはダメだったりするんです。
なので「本当の状態」の卒業制作展示を見たい場合は、東京5美大は学内卒展を見に行くしかありません。
東京造形や東京藝大、タマビファインアート系の学内卒展はもう終わっちゃったけど、タマビデザイン系、女子美、日芸(オンライン開催)、ムサビはまだ間に合います。詳しくはこちらを!!
■【1月20日現在】2021年 全国美術系大学・学部等の卒業制作展一覧【オンライン開催も】
また、タマビのデザイン系学科は学外卒展をやってるのでそっちもチェックしてね。
4.今年の五美大展の幹事校がすぐにわかる方法がある。
幹事校は毎年5美大で持ち回りでやっていて、各大学との連絡調整、会議の資料作成・セッティング、ポスター・DMの作成、パンフレットのデータ取りまとめ・作成、国立新美術館との調整、講演会の企画、会期中の運営統括、問い合わせ先などが主な仕事。クセのある5美大の取りまとめ役だから、幹事校になるとその大学の担当部署は一大イベント状態になります。
今年はコロナ対応もあるんで幹事校はより大変だったはず。中止になる可能性があるから、サイトに全作品を載せると聞いてますが、そのために五美大の独自ドメインも今年取得したようですね。
で、1年に5回ぐらい「今年のゴビダイテンはどこが幹事校だっけ?」と思うことがよくありますよね?
実は問い合わせ先を見なくてもわかる裏技があるんですよ。すごいでしょ?
幹事校はムサビ→タマビ→女子美→造形大→日芸と回っていて、この順番の形を崩さず、幹事校が一番下(最後)に来るようにDMやポスターの大学名掲載順を毎年変えてるんです。
今年のDMをアップにすると、
大学名が「日本大学芸術学部、武蔵野美術大学、多摩美術大学、女子美術大学、東京造形大学」の順番になってるから、「今年の幹事校は東京造形大か。てことは一番前にあるから来年は日芸が幹事校なんだな」とすぐにわかる、と。
いやー、便利でしょ?・・え?全然使えるシーンが思いつかない?問い合わせ先を見た方が早い?そんなので喜ぶのは手羽だけ?
仕方ない。最後の豆知識は会場で一番使えるやつを紹介しましょう。
5.五美大展独自のスクールカラーで全て統一されている。。
一応各大学の入り口はありますが、展示会場は中でつながってるんで、「東京造形大を見てたら、いつのまにか日芸になってた」てことがよくあります。
なので各大学の見分けがすぐつくように、独自の「五美大展スクールカラー」を設定していて、会場での入口バナーや作品キャプション、掲示等はもちろんのこと、作品搬入時のガムテープもすべて五美大スクールカラーを使うようになってるんですね。
去年の様子を見てみましょ。
日本大学芸術大学部・・黄
武蔵野美術大学・・青
多摩美術大学・・赤
女子美術大学・・紫
東京造形大学・・緑
てな具合。
キャプションの色さえ確認すればどの大学かすぐ把握できるんだから、とっても使える豆知識でしょ?
ちなみにこれがわかっていれば、手羽の作った東京5美大の一般選抜カレンダーが
なぜこの色分けなのかわかってもらえるはず(笑)
あまりにも徹底されてるんで手羽は入職当時、その色が本当のスクールカラーだと思ってたくらいで、「へー。うまくできてるもんだ」と感じたけど、あくまでも「五美大展の時だけに使うスクールカラー」なのでお間違えなく。
てか五美大展初日の20日ってムサビとタマビの合格発表日なのね・・。
今年はその初日にオンラインで合同講評会が行われます。
■五美術大学合同講評会(オンライン)
●日時:2月20日(土)14:00-16:00
*YouTubeによるオンライン・ライブ配信。*国立新美術館での聴講はできません
●登壇者・モデレータ
中尾さんがタマビ卒、藤城さんが女子美短大卒、出羽さんが日芸卒、森くんと水田さんがムサビ卒。
オンライン配信はこちらからご覧ください。
https://youtu.be/fGcfKvubrvk
藤井先生以外URLを宣伝してない気が。このままいくと同時視聴者数が関係者入れて20人コースになりそう・・。
例年は各大学がギャラリーツアーをやってましたが、手羽が把握してる限り今年は中止にしてますね。また、(株)さんぽうが五美大展会期に合わせて六本木で進学相談会やってたけど、こちらも中止になりました。
そして、次のいずれかの状況が生じた場合は、五美大展の開催自体を突然中止することがあります。
●国立新美術館より開催中止の要請があった場合
●展示作品の搬入・展示・搬出に関わる協力会社が対応不能となった場合
●学内の感染拡大等の理由で、5大学のうち2大学以上が出展見送りとなった場合
●出展関係者が国立新美術館に入館後、感染者または濃厚接触者として特定された場合
こればっかりはどうしようもなく、念のために出発される前にWEBサイトをご確認ください。
あ、先日ちろっと書いたけど「国立新美に行くついでに佐藤可士和展も見よう」と思ってる人は、事前予約しといた方がいいですよ。平日なら直前でも入れなくはないだろうけど並ぶはずです。(今チェックしたら、20,21日は17時までチケットは売り切れでした)
ま、ほとんどの人は佐藤可士和展のついでに五美大展だと思うけど(笑)
以上、去年のシンポジウムの意見が何か一つでも反映されてるのか気になってる手羽がお送りいたしました。
そうか、去年って黒瀬くんが出てたっけ・・。
【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。